262日目 エインの気持ち
ハルトたちはエインを連れて教会にやって来ると。
ハイネ司祭の部屋の前で立ち止まり・・・司祭はとんでもない奴だと忠告して司祭の部屋に入ると。
案の定ハイネ司祭は盗撮した写真を見て下卑た笑顔を作っていた。
「あはは・・・・えっと・・・いつから見てたんだい??
入るならまずノックしてよね??ハルト君1人の時なら歓迎だけどさ??
で、そこのカワイ子ちゃんはどうしたの???もしかしてハルト君の新しいワイフ??ギヒャッ!?」
「もう!!!ハイネ司祭は何を言ってるのです??
どう考えてもエルフの女の子でワケありって表情をしていますよ。
ごめんなさい・・・ハイネ司祭は女の子を見るといつもすぐに発情する下の下の司祭なので許してね。」
「ジャージーも急に表れたにしてはいいブローを決めてるな・・・・
いや、そんな事よりもさっきの依頼の件で解決したから戻って来たんだ。」
「そうよ!!!今回の透明事件の犯人はこのエルフの美少女エインだったのよ!!!」
「いやメルト・・・その言い方はエインに恐怖心を植え付けるだけだから止めた方がいい。
エイン大丈夫だ・・・ここにいる者たちはみなエインの敵ではない。」
「そ、そうなの???でもさっきから下に横たわってる人が私のスカートの中を覗き込んでるけど・・・・」
「おりゃッ!!!痴漢セクハラ司祭死すべし!!!
エインもこうやってやれば追い払えますので覚えておくといいですよ。
それにしても・・・油断も隙もあったモノではないですね。」
ハイネは背中をさすりながらハルトたちの説明を全て聞くと。
真面目な顔に変えたハイネ司祭はエインにこれからどうしたいのか率直に問いかけるとエインはボロい服を掴んで答えた。
「私・・・迷惑をかけずに生活がしたい!!
売られるのも離れるのも嫌だから・・・ここで働かせてください!!!」
この言葉はハルトたちが教会へ行く前に殺し文句として覚えておくといいと言って教えたもので。
エインの必死な訴えにハイネ司祭とジャージーは顔を見合わせ。
即答でよろしくと言って住み込みで働くことを許可した。
「良かったなエイン。
これでやっと透明になって村人を襲わず平穏な生活ができるな。」
「ハルトさんこのご恩はどうやって返せばいいですか??
私の初めてを差し上げた方がいいのですか??」
「何ッ!?エインちゃんは純潔の処・・・・・ぼごはッ!?」
「ハ~イ、エインちゃん。
ハイネ司祭は床に伏せておいてまずは着替えにしましょっか。」
「何でしょうか・・・・ハイネ司祭よりもこの教会を動かしてるのはもしかしてジャージーじゃないですか??」
「それは言わないでやろう・・・ハイネ司祭も少しは言葉を択ばないとしまいにはジャージーに浄化されてしまうぞ?」
「だけどコレで私たちの依頼は完了って事よね??
だったら早く報酬金を渡しなさいよね!!!私たちが納得する額を要求するわ!!!」
メルトはエインたちがいないのを見計らって依頼の報酬を寄越すように伝えると。
机から報酬金を取り出してハルトに手渡すと・・・・
「こんなに貰っていいのか??
この酒癖の悪いメルトに渡すと全部酒に変わるから渡せないとして・・・・
40万ゴールドか・・・これだけの仕事で考えると中々の報酬だな。
あと・・・コレは綺麗な金なんだろうな??」
「何を言っているんだいハルト君は・・・・この教会の資金源は清き民からの寄付金と被害を少しでもなくさせようと手を貸してくれたもの達の誠意の証。
そして・・・一部の者たちの熱い意欲によって構成されているんだよ??」
「その一部の意欲がとんでもなく気になるのですが・・・突っ込むと危なそうなのでスルーでいいですかね。」
「そうね!!私も報酬さえ手に入ればエインが食べられようとピ―――――されようと気にしないわ!!!あぁ~~~これで今日は美味しいシュゴビーが何杯飲めるかしらねぇ!!!」
「またメルトはすぐにシュゴビーの話をする・・・・
そういうのが私たちのイメージを悪くすると言う事にいつ気が付くのだ??」
魔王は呆れた顔でメルトに言い聞かせるがメルトは気にしておらず・・・すぐに夕食を食べに行こうとハルトたちを連れ出そうとした時。
着付けに連れ出していたジャージーが戻って来ており・・・その後ろにはプリーストの衣装に身を包んだエインがいた。
「あ、あの・・・私・・・こういう格好は初めてなのですが変じゃないです??」
「全然変じゃないですよ~むしろハイネ司祭の息が荒い事に私は不信感を抱きます。
盗撮やセクハラはメッ・・・ですからね??言いましたからね??」
「あ、ハイ・・・・努力します・・・・」
「ハイネお前ェ・・・見境なしでそんなことやってんのか・・・・
そりゃジャージーが凶悪的な手練れになるのも頷けるというもんだ。
だが・・・そうだな・・・あのボロボロの布の服よりそっちの方が似合ってんじゃないか???
エインは元々エルフでプリーストの衣装と相性がいいというか・・・・似合い過ぎ??」
「ムっ・・・ハルト!!!私の格好にはそう言った言葉を吐くことがないというのにエルフだからと言って似合っていると語るのは差別ではないか!?
私は魔王・・・魔王なのだぞ!!!だったら私の衣装も少しくらいは似合っていると言ってもいいと思うのだが!!!」
「大丈夫よ魔王・・・アンタは色々な意味で似合ってるから。
心配しなくてもハルトも私もキルりんもわかってるから・・・・」
「魔王・・・喜んでいるところ言いたくはありませんが・・・きっとこれはいい意味ではないと思いますよ???」
キルりんの言葉に魔王の頭の上にはハテナマークが浮かび上がるが、理由を答える事をせずにエインたちと別れを告げて教会を出て行くと。
強引に引っ張るメルトに連れられていつもの酒場へとやって来た。
「あぁぁ・・・・今日もこれで一日が終わった終わった・・・・」
「で、ハルト・・・私の衣装のどの辺がどう似合うのか細かく教えてくれないか???なぁ??なぁ???」
「魔王ってば褒められると超絶ウザいデレデレモードになるわね。
これは対象がハルトだからかしら??それともまた別の理由??
んなことよりもシュゴビーで乾杯しましょ!!!」
「私は木の実のジュースですが・・・・って、アレ??
あれはジャージーとエイン??どうしてこんな騒がしい所に??」
メルトが気が付いた先には見間違いではなく先ほど別れたジャージーとエインがおり。
ハルトたちは気になって2人の元へ向かっていった―――――――――
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