235日目 モルガーンの今日の晩御飯


 ハルトが魔王の部屋に入ると。

魔王は昔のアルバムを取り出して眺めており・・・ハルトは隣に座るのではなく客人用に用意しているのか近くの椅子に腰かけ。

魔王にモルガーンについて話しを聞くと・・・・・



「あぁ、あのモルガーンにどうして私以外に誰も寄り付かないと言うとだな。

モルガーンはとことん気に入った相手を殺してしまいたくなる程好きになってしまう特殊な癖があってだな。

その癖を本人は知っているからワザと気に入られないように振舞っていたりするんだ。

だが・・・この様子だとハルトはそのデッドラインに踏み入れてしまったかもしれないな。」

「おい、ちょっと待て・・・そう言う話はもっと最初の方にしておくべきだったんじゃないか!?

俺、モルガーンのことがやや気に入っていたのにどうしてくれんだよ!?

次に会った時にどんな顔をしてみたらいいんだ??」

「そ~よ!!!もし私たちもターゲットに入ってたらどうすんの!!!

私たちなんてハルトみたいに不死の体なんて持ってないのよ!!!」

「ですが・・・感じ的にはモルガーンはハルトに首ったけっていう感じでしたので。

もし何かあればハルトをに使えばいいんですけどね。

よかったじゃないですか・・・大切な娘を守れるのならの体の1つや2つ捧げてなんぼでしょう??」

キルりんはここぞとばかりにハルトの事をパパと言うが。

ハルトは自身のみに危険が迫ればできうる限りの対処を行うと断言しているとモルガーンが家に帰って来ていた。



「ただいま・・・・この街の人たちはみなさんいい人ばかり・・・

色々とオマケしてもらっちゃいました。」

「お、おかえり・・・モルガーン。

えぇっと・・・その、何か手伝える事とかあったら言ってくれ。

できる限り手伝うからさ・・・アハハハ・・・・」

「本当にこのモルガーンが危険な人物なのかにわかに信じられませんが。

ここは様子を見る事にして・・・私はお風呂の準備でもしてきます。」

「それじゃ私は夕食まで寝てるからよっろしくぅ~~~」

「ちょッ!?メルト!!!少しくらい何か手伝っても・・・・

あぁ~もう!!本当に手のかかる・・・・で、モルガーン・・・私にも何か手伝える事はないか??

昔のように一緒に料理をしてみるか??」

魔王の問いにモルガーンは妙な間を挟んでやんわりと魔王の言葉を聞かなかった風にハルトに手伝いを頼み。

2人で仲良く調理をする絵を見て魔王はギリリと奥歯を噛み締めて家から出て行き・・・庭の方で気合の入った剣の素振りをし始めていた。



「3998・・・3999・・・・4000!!!!フゥッ・・・・フゥッ・・・・ダメだダメだ!!!なぜこうもスッキリしないのだ!!!!

こうなればお風呂で発散するしかないようだ!!!」

「アレ?気合の入った素振りは終わりか??って、ちょ!!!魔王!!!なんで俺の腕を掴んで・・・えぇ・・・もしかして一緒に風呂に入るのか??それはもっと夜遅くにだな・・・・って、急に脱ぎ始めるなよ・・・・」

ハルトはモルガーンの手伝いから強制的に魔王に連れられてお風呂のフェイズに移行し。

ハルトも怪しまれないようにと魔王と共に風呂に入ったのだが・・・・・



「何だ・・・キルりんとメルトがいる時よりも緊張するのだが・・・・2人っきりのお風呂はその・・・互いに初めてではないだろ??で、どうしてハルトは背を向けて喋らないのだ?それにもっと近づいてだな・・・・」

「ストップゥ!!!はいそれ以上近づくんじゃねぇ!!!

俺たちは仮の夫婦だが・・・その・・・なんだ・・・まだ明るいうちからこんなところでイチャイチャはシャレにならんだろ!?

モルガーンだっているんだぞ?だったらここは清楚にだな・・・・って、聞いてるか?」

ハルトの言葉を無視して魔王は体をせっせと洗い出し。

タオルで部位を隠しながら魔王はハルトに体を洗ってやると言ってイスに座るように語るが。

ハルトはさすがに自分で洗えると拒否し、魔王を湯船にやってチェンジして自分の体を洗っていると―――――――――



「おい・・・・魔王・・・何で俺の背中を指でなぞってんだ???

いいか?一度だけ言う・・・・そのままこっから出て行くか湯船に戻るかしろ!!」

「本当にハルトは・・・こういう場の流れをわかっていない。

ハルトは・・・メルトやキルりんたちが言っていたようにとかいうものなのか?」

魔王の言葉にハルトは移動しなくていいからその内容について詳しく話すように指示すると。

魔王は2人から聞いた話をざっくりとすると・・・・タオルを装備したまま風呂場を飛び出してメルトとキルりんのいる部屋に乗り込んだ。



「コルァァアァァ!!!お前らぁぁぁ!!!魔王になんちゅう知識を植え付けてやがる!!!

俺がホモだと!?バカ野郎が!!!んな冗談は夢の中で十分だ!!」

「いえ、その前には今の状況をちゃんとしっかりと確実に見た方がいいですよ?

娘の部屋にタオル1枚で乱入とは・・・・ヒドイことするのですかねぇ??」

「あらぁ~ダメオヤジは私たちに手を出しちゃう本当にダメでダメダメなパパだったんだぁ~~へぇ~~そりゃ魔王が酒場でグチるわけよねぇ~~~」

「お、おい2人とも・・・・いくら何でも言い過ぎだぞ?

ほら・・・アナタも部屋に戻って着替えた方がいい・・・さぁ。」

キルりんとメルトの言葉に怒りを覚えながら魔王の言葉によって自分の部屋に戻ったハルトは。

服を着替えようとタンスの前に移動すル前に何か異変が起こっていることに気が付き・・・ベッドのモゾモゾの前に移動した。



「おい、そこに一体だれが隠れてやがる・・・・キルりんか?メルトか?

それとも魔王か!?

クソ・・・こんな短時間で攻撃を仕掛けてきやがって・・・・何とか言ったらどうなんだ!!!正体を現せ!!!!」

「ヒィウッ!?わ・・・私・・・です・・・・ハルトさん。

夕食が完成してから家の中を探検してたら眠気に襲われて・・・・・ハイ・・・」

ハルトが3人のうちの誰かだと思って中を調べると、そこには薄着なモルガーンの姿があり。

勝手な行動をして謝りつつ目からは涙を流しており・・・これは場合によればマズイ事になると察したハルトはすぐにドアの方を見るが、すでに手遅れであった。



「ハハハ・・・・あなたぁ・・・・本当に私には手を出さないくせにモルガーンにはちゃっかりと薄着態勢でベッドに連れ込んでいるとは・・・・覚悟はできてる??」

「いや、これには深いわけが・・・・なぁモルガーン??

俺は何もしてないよな?ここに入って来ただけだもんな???」

「私も・・・少し前までここでスヤスヤと眠ってたから何かされててもわからないから・・・どうなんだろ??でも・・・ハルトさんなら・・・いいかな?」

モルガーンの言葉に魔王が先にブチギレ・・・・ハルトはうっすらと涙を流しつつ襲い来る魔王の方向を見る前に家の外に吹き飛ばされていた。



それからして・・・何とか家に帰還してきたハルトは・・・服を着替えて席に着き、モルガーンの自慢の手料理を食べることとなった。



「コレがモルガーンの手料理か旨そうだな。

誰かさんの手料理とは大違いだな・・・・」

「し、失礼だぞ!!私は私で一生懸命にだな・・・それに最近はそこそこ美味しくなってきているはずだぞ!!

せっちゃんにも美味しいって言わせられる程になって来たのだからな!!」

「でも、せっちゃんって食べられるものなら何でもおいしいって言う癖があるからどうなんだろ・・・・まぁれそれはそれとして早く食べましょうよ!!!

このシュゴビーもある事だしみんなで乾杯しましょ!!」

「そうですね・・・私は未だに果実酒ですがいいですとも!!!

モルガーンは何を飲みます??」

「え?私?私は・・・・そのシュゴビー?とかいうのでお願いしようかな・・・」

モルガーンははそう言ってメルトからシュゴビーの入ったグラスを受け取ると、全員で乾杯してモルガーンが加わった賑やかな夕食が始まった。

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