224日目 デカい者同士の会話


 翌朝、ハルトが目を覚ますと隣にいた魔王の姿はなく。

メルトは案の定ベッドに下に転がっており・・・キルりんは未だにソファーで寝転がっており。

ハルトは魔王の姿がない事が気になったが朝のお手洗いをしたくなりシャワー室に備え付けられてあるトイレを目指してドアを開けると――――――――――



「やはりハルトは私の裸を見るために朝のシャワー中にやって来たか・・・・

私は別に構わない・・・見られて恥ずかしいモノではないからな。

だが、私がここで大声を出せばどうなるか・・・わかるか??」

「いや、出すなら出せよ・・・

俺はサキュバスの王のようなヤツの声のするモヤと話しているだけであってトイレをしに来ただけだからな。」

そう言ってハルトはシャワーを浴びる魔王の隣にあるトイレで用を足し始めると。

裸でいる魔王の方が顔を隠し始め。

ハルトはやる事を済ませると何事もなかったかのようにシャワー室から出て行きベッドに潜り込み、誰かが先に起きてくる方が先か魔王が出てくる方が先か待っていると――――――――



「ジーーーーーーーーさっき・・・魔王と会話する声がシャワー室から聞こえてきましたが・・・何かあったのですか?」

「いや、俺がトイレに用を足しにいったら魔王がいてさ?

シャワー中の標識もカギも無しで俺が悪いと思うか?」

「そりゃ悪いに決まっているだろ!!!

乙女の肌はとても高い価値があるのだぞ!!!全くハルトは私たち乙女を何だと思っているのだ!?」

「ん・・・んあぁ~~ふわぁぁ~~~朝から何を騒いでんの??

本当にムラムラしてるのならさっさとどっかで済ませてきなさいな。

で、朝食はまだ??なら・・・・もうひと寝かしらね・・・・ぐがぁ・・・・」

メルトは状況を飲み込むこともせずに地べたで再び眠り始めると。

キルりんは魔王の肌に価値がないときっぱりと答え、ハルトが同感して頷き。

それを見た魔王は瞬時に魔力でいつもの服装に着替えてハルトの鼻をツンツンしながらハルトの礼儀の悪さを指摘し始めた。



「い、いや!!私は悪くないぞ!!

だってハルトがドアをノックして私がいるのを確認してから入ればよかったのだ!!

そうすれば互いに何も失うことなくハッピーに終われたモノの・・・」

「いや、待て・・・俺たちは何にも失ってないだろ?

何がノックしろだ!!鍵かけときゃいいだけだろ!!!

それに魔王なら誰かが入って来る前に気配とか魔力で察知できたはずだろ!!!

便利な力をここで使わないでいつ使う気だよ!!!」

「ですが本当に2人は朝から元気ですね・・・

別にハルトが私の裸を見たわけじゃないのでどうでもいいのですが。

もし仮に私の裸をハルトが見た場合はその目が二度と回復できないようになるまでぶっ刺してあげますよ。

縫うと言うのもいいかもしれませんねぇ・・・・」

キルりんのトーンがどんどん暗く重くなり、その言葉を遮るようにハルトはキルりんの全裸は魔王の全裸よりも価値がないと本人を目の前に堂々と答えると、キルりんは最後まで話をする前にソファーから飛び出して両手に持ったナイフでハルトに襲い掛かっていた。



「この口ですか!!!この口が私の神聖でぴゅあな体に暴言を吐く悪い口ですか!?マジで今日は勘弁なりません!!!

ガチでハルトをメッタ刺しの刑です!!!!おりゃぁぁぁッ!!!!」

「ばっか!!!お前のチンチクリンな体よりもそのシンプルなまな板なんぞ道具屋なら大量に並んでるだろうが!!!

そんな何にも特徴もアピールする部分もないヤツが何偉そうに語ってやがんだよ!!!いだだだだだッ!?」

「まぁ2人とも・・・少しは落ち着いて話し合おうじゃないか。

キルりんののはいつもの事にしても今日の出来事に対して私はまだ謝罪をされていないのだがな??」

魔王の言葉にキルりんの手が止まり、ハルトを放り投げ・・・キルりんは魔王を押し倒し、胸をこれでもかと揉みだしていると―――――――



「すいません・・・朝食の準備ができたんですが・・・大丈夫ですかね?」

「いやぁ・・・ちょっとだけ待ってくれるか?

少し・・・取り込んでてさ?」

「この!!!この胸がいけないんです!!!このだらしない体のどこに皆は魅力を感じると言うのですか!!!

クリシュナもデカイし本当は悪の権化ではないのですか!?」

「む、胸が大きい事に対して気にしている者もいるのだからあまり大きな声で言うのはやめろぉ!!!

ほら、朝食の誘いが来たんだ・・・準備して向かわないと!!!な??

キルりんもしっかりと牛乳とを飲まないと成長しないぞ?」

「すぴーーーずががががが・・・・ぐごぉ~~~~」

この状況でもいびきがとんでもないメルトを起こしたハルトは。

身支度を済ませて船乗りの後について行くと、そこにはクリシュナが待っていた。



「やぁ~ハルト~それにオマケの魔王たちおはよう。

さぁ適当に席について朝食にしようじゃないか。

で、さっきまで騒がしくしていたらしいけど・・・何かトラブル??」

「い、いや・・・別に・・・こっちの話だ。

クリシュナに語るような話でもないしさ?朝食をだな・・・・」

「いえ!!!コレは大問題ですよッ!!!クリシュナと言い魔王と言いどうしてそんなにも乳を見せびらかすような格好をしているのですか!?

本当に毎度毎度私の事を考えているのですかね!?」

「こ、コラ!!キルりん!!!クリシュナに対して失礼だろ!?

クリシュナはだが一応は神なんだ。

しっかりと礼儀を示さないと神に呪われるぞ?」

「神に呪われるって・・・全然笑えないわね。

でも・・・クリシュナがいるだけでほんとに朝食までも豪華ね・・・・

人を見て料理の質を変えるのって差別じゃない??

そこにいる船乗り!!!ちゃんとその件について詫びなさいよ!!!

昨日の夕食からずっと黙ってたけど我慢の限界よ!!」

メルトの急な怒鳴り声に船乗りはクリシュナをチラッと見てからメルトに深く詫びると・・・耳元で何やらコソコソと話し出し。

何かいいことでもあったのかメルトは上機嫌で船乗りに下がっていいと言うと。

クリシュナはキルりんの言葉に対して別に見せびらかしていないと語り――――



「いや、ここまで大きくなったらこの方が楽なんだ。

閉じた衣服を着ると胸が蒸れて気持ち悪いのもあるんだが・・・・わかるか?この大きいものを持ったモノの悩みが。」

「それは分かるぞ!!!私も胸を開けていないと蒸れて気持ち悪いと感じる派はのだ!!!いやぁ話のわかるモノと久々に出会えて私は嬉しく思うぞ!!」

「ぐッ・・・乳どうしが仲良くなってしまいましたか・・・・

コレはどうするべきか・・・元々大きくて消したいのが増えてしまいました。

あ~話してもダメそうなので乳デカイグループはそっちで語り合っててください。

私はコッチでちまちまと食事をさせてもらいます。」

「お、おい・・・キルりん・・・そんなこと言ったらまたクリシュナがおこ・・・・ってない??」

「何だかあの2人・・・すごく息が合っちゃってるわね。

デカイモノ同士は同士で放置しておいて私たちは朝食を食べるわよ。

あんなのと関わってたら時間がいくらあっても立いないわ。

あと、そこの船乗り・・・さっきの話通りシュゴビーを持ってきなさいよ?

―――――――――今すぐよ!!!」

メルトが上機嫌になった理由はシュゴビーで買収されたからだと知ったハルトは頭を悩ませつつ朝食に出ていた料理に手を付け、キルりんは適当に料理を取ってはテーブルの下に消えて行くといった謎の食べ方をして朝食が済み、その朝食会は解散となった―――――――――

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