225日目 海獣再び・・・・
朝食を済ませたハルトたちは部屋に戻り、街へ戻るための荷造りを始め。
話が大変盛り上がっていた魔王はノリノリで荷物をまとめており。
ハルトの口から飛び出たサキュバス発言に対しても怒鳴ることなく聞き受け・・・これは大丈夫なのかと疑問に思いながらも整理をしていると―――――――
「すいません、そろそろアップダウン王国の港にご到着しますが下りる準備は大丈夫ですかね??なんだかすごいものを広げてるのが今すけど・・・・」
「あぁ、ついさっき済ませた所だ・・・一部を除いてな。
えっと、その・・・だからもう少しだけ待っててくれるか??
すぐにあのバカに片付けさせるからさ?
おい、聞いてたかバカメルト!!!いつまでクリシュナからの報酬を眺めてる気だよ!!!
もうすぐ港に到着するって行ってんだろ!!早くそれを全部片づけてまとめろよな!!」
「えぇ!?もう少しだけいいじゃない!!何度見てもこの金銀財宝は綺麗で最高よ!!!ホラ、見てみなさいよ!!!この輝き!!!
コレはきっと想定よりも高くつくに違いないわよ!!」
「それは良いんですが私たちに迷惑がかかると言う事にまだ気が付きませんか?
早く片付けないとそれを全部海に捨てちゃいますよ?」
「メルト、こ今日のキルりんは朝食から何故か機嫌が悪い・・・
だから今回はキルりんの言葉に従っていた方が賢明だ。
それにしてもキルりんはどうして機嫌が悪いんだ?」
魔王は機嫌が良すぎるのかどうしてキルりんが怒り気味なのか不明なままハルトたちは船を降りることになり。
船乗りたちと別れを告げて港に下りると、すぐに船は出て行ってしまい・・・・
「なぁ、1ついいか??どうしてクリシュナもここに下りてるんだ??
あの船に乗ってなくて良かったのか??」
「ん?いやぁ~別に?アイツらは私がいなくてもちゃんとやってくれるしさ。
私はどちらかと言うとハルトに興味が出てきてさ?
少しこの街に厄介になろうかと思ってる。
私の豪邸もここにあるしな。」
「え!?クリシュナってここに豪邸なんて持ってたの!?
脳内が戦いのみで構成されている戦神が豪邸・・・なんか悔しいわハルト!!!
私たちもこの報酬で豪邸を買いましょうよ!!!」
「それはいいな!!!私の城の様にはいかないだろうがこれだけあればそこそこにいい豪邸が建てられるぞ!!!
――――――――この案にキルりんはどう思う??」
「ん~別に客人とか誰も来るわけでもないのであの家でいいんじゃないですか?
メルトのいびきと魔王の叫び声が時々うるさく感じますが。
私はあの古びた家が地味に気に入っています。
薄暗さもアサシンとしてはグッドなので。」
そんあこんなでひとまず報酬を資金に帰るべく道具屋に寄って、道具屋の店主との口論の末に何とか報酬を現金に換えることができ・・・銀行にすぐに向かって各自の口座に振り込むと――――――――
「それじゃ私はあそこの豪邸だからここでお別れだけど・・・私に合いたくなったらいつでもおいで。
―――――――――――ともに戦った仲だ誰でも歓迎するよ。」
「あぁ、何か面倒な害獣が出たり街の危機になったら手を貸してもらうさ。
神の手を借りるとか・・・チートにも程があるが・・・使えるもんは使わないとな?俺、何か間違った事を言ってるか?」
「いや、間違ってはないが・・・その何だ・・・
強敵との激しい戦いができなくなってしまうのは少しだけ寂しいと言うか物足りないと言うか・・・・」
「魔王は本当に脳まで筋肉の塊よねぇ~面倒な害獣が出てきたらクリシュナにボコってもらって報酬がもらえるなんてこんなにチョロい仕事他にないわよ?
それに戦いたいだけならせっちゃんとやり合ってればいいんじゃない?」
「それもそれでせっちゃんに迷惑が掛かると思うのですが・・・
もう好きにしてください・・・私は家に戻ってゴロゴロします。
やっと我が家に戻ってこられたのですから数日はゴロゴロしていても文句は言われませんよね。」
そう言ってキルりんは先に家に帰ると。
ハルトはギルドと酒場に顔を出してから戻ると言って魔王たちと別れれまずはギルドに向かった。
「ちっす・・・お前ら元気にって・・・どうしたんだ??人が全然いないが・・・・今日は休みか?」
「あ・・・お久しぶりですハルトさん・・・これには少し事情がありまして。」
戻って来るやギルドにはほとんど冒険家やハンターの影がなく。
受付嬢について行き依頼掲示板のとある張り紙の所で説明が始まった。
「コホン・・・この依頼を見ていただければ早いのですが。
ハルトさんたちの耳に入れてもらうために口頭で説明いたしますね。
これは先日のことでした・・・・・
とある大陸にいたと思われる謎の海獣が突如この海域に出現しただけでなくアップダウン王国を目指して来ていると言う事で国王は全冒険者とハンターたちをかき集め、現在も必死に国から遠ざけるための作戦に及んでいるのですが。
本当に気がかりなのは海獣がどうしてこの国を目指してやって来たのかと言う事ななのですが・・・・なんででしょうね?
誰かが海獣に恨みでも買ったのでしょうか・・・それともまた別の要因か・・・
原因は未だにわかっておりませんがハルトさんたちもお疲れのところ悪いのですが現地に加勢してはもらえませんでしょうか?
勿論報酬は弾ませていただきますが・・・どうでしょうか?最高にワイルドでカッコイイハルトさん。」
と、受付嬢が1人から2人と増えて同じような言い回しでハルトに語り替けると。
ベタベタな言い回しにも関わらずすんなりとOKを出し、ハルトは依頼書にサインをすると。
すぐに家に戻ってかからやらかしてしまったと後悔していた―――――――――
「ど、どうしたんだ??急に戻って来るなり深刻な顔をして・・・
それに腰に依頼書のようなのがぶら下がっているのだが・・・・何かの依頼を受けて来たのか?」
「あ、えっと・・・その・・・そそのかされたと言うか良いように言われたというか・・・・その悪い・・・またアレと戦う事になったかもしれない。」
「え、もしかしてあのデカイウツボとか言い出すんじゃないでしょうね!?
アレはクリシュナが粉々に消し飛ばしていなくなったはずでは?
あぁ・・・それもこれもその依頼書を見れば済む話です!!!」
そう言ってキルりんはハルトの腰にぶら下がっていた依頼書を引き抜いて読むと。
紛れもなくあの島からやってきた海獣だと察すると。
すぐにクリシュナの所へ行って協力を仰ぐべきだと言うが・・・・
「いや待て・・・ちょうどいい機会じゃないか。
私はクリシュナの戦いを見ているだけで戦えていなかったから今回は私が大暴れさせてもらおうと思うのだが・・・どうだ?
それに私がダメになった場合にでもクリシュナに頼めばいい事だろ?」
「それもそうですが・・・魔王はあの大きな海産物と戦って勝つ自信はありますか?
私はそれだけが気になるのです・・・何せ最後の最後でクリシュナに助けてもらうにしても魔王がやられてしまったら私たちが終わると言っても過言ではありませんよ?どうなんですか?」
「えぇ~~どうして私たちがあのデカブツと戦わないといけないのよぉ~~~ぶ~ぶ~~どうせ報酬もしけた額しかでないのなら参加する勝ちなんてな・・・・・」
メルトが最後の言葉を言い切る前にハルトはメルトの耳元でコソコソと報酬の話をすると、メルトは急に立ち上がり。
ドアをバンッと開けてからいい顔で「行きましょ」とグーサインを出していたが・・・その目はどどう考えても金にやられてしまった亡者の目でしかなかった。
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