223日目 ベッドorソファー
酒が入ってからというものの・・・クリシュナとメルトは肩を組んで酒を飲み交わしており。
ハルトたちはその2人を無視しながら目の前に並べられた豪華な料理を黙々と食べ続けていた。
「モシャモシャモシャ・・・にしてもクリシュナがいるだけで大層な料理ですね!!
私たちがいたときは本当に普通な感じだったのですが・・・これがオーナーの力というやつでしょうか?」
「きっとそうだろうな。
あくまで私たちは客人だったから仕方ない。
それにしてもどの料理もおいしい・・・船乗りの料理の腕はかなりのモノだな。」
「そりゃクリシュナに選ばれた奴らだからじゃねぇの??
こういう良い船に乗るにはそれなりに特技というか才能がないと乗れないのが定番だからな。
で、あいつらはいつまで酒を飲み漁っている気だ??」
ハルトはそろそろ部屋に戻りたいと考えていたのだが・・・2人の飲みっぷりからまだ部屋に帰れないという流れにうんざりしながら酒を飲み交わす2人に声をかけた。
「すまねぇが俺たち先に戻ってていいか??
食べるものも食べたしさ・・・今日はすぐに寝たいんだわ。」
「ん?もうそんな時間かい??時間はたっぷりあるのにハルトはせっかちだねぇ~」
「そうなのよぉ~ハルトはいつもせこせこせこせこ・・・・時間がないや金がないや酒を飲むなダラダラするなしっかりしろと家にいても口うるさくて本当に敵わないのよ??
わかる??この面倒な気持ち??クリシュナにはわからないでしょうねぇ~~ハルトの面倒臭さが。」
「本当に酒が入ると怖いものなしのメルトですね。
ハルトもいちいち真に受けていては駄目ですよ?
こういう酒飲みは口も軽ければお尻も軽くなるのが多いのでやられない内に撤退しましょう。」
「それに今日は色々と大変だったからな・・・・
ドタバタ騒ぎからこれだ・・・身が追い付かないとはこの時のための言葉だろう。
だから私たちはこれで失礼させてもらう。
夕食はとても美味であった・・・それでは。」
そう言って魔王たちは怒りにグリグリを決め込もうとするハルトを引きずりながら部屋に戻ると。
いつもの寝場所を決めることになり話し合いが始まっていた。
「いや、だから俺はソファーで寝るから魔王たちはそのベッドで寝ればいいじゃん。
どうして魔王はそこまでして俺たちをベッドに寝かせようとするんだ??
お前は1人でも寝られる立派なお姉さんなんだろ??」
「こういう時にお姉さんだとかいうんじゃない!!!
都合の良い時だけそういう風に語るのは良くないぞ!!!と、言うよりも反則だ!!!
それとどうしてもダメか??キルりんはどうなんだ??」
「私も寝られるのであればベッドがいいですが・・・さすがに4人で寝るのはまずいかと・・・・メルトは寝ぐせが限りなく悪いですしハルトはいつムラムラして私に手を出してくるやら・・・魔王は・・・言わなくてもわかります。
絶対に私をその凶器で挟み込む気だと思うので怖いです・・・斬っちゃいそうで。
だから私も安全で敵のいないソファーがいいんです。」
キルりんの言葉に魔王は自身にダメージの出るようなことはしないと語るが。
ハルトとキルりんは真顔で本当に何もしないのかと魔王に問うと。
魔王は寝ている間の意識がないためにするかもしれないと・・・言い返す力が弱まり、ちょっとは欲に負けてしまうかもしれないと呟き。
その言葉を聞いたハルトたちはそっと何も言う事なくブランケットを取り出してソファに座っていた。
「それでは私はお先に寝ます。
騒がしくなるのは嫌なので・・・メルトが戻ってきたら適当に転がすなりしたら大丈夫ですので・・・それではお休みです・・・・ふわぁぁ~~」
「んじゃ、俺も失礼してお先に・・・・ん?魔王??なんだよ・・・ブランケットを返せよ・・・お前はベッドがあるんだからそこで寝たら・・・魔王??」
「どうしてだ・・・少しのワガママくらい聞いてくれてもいいだろ??
私はメルトやキルりんのようにいつも自己主張していないのだ。
だから・・・今日くらい・・・・」
魔王は切なさが混じった声を出してハルトに問うが。
ハルトは魔王がいつも自己主張をしていないか脳内にある魔王にまつわるものを思い返すと。
魔王はある意味自己主張をしていると言う判定からハルトは魔王にそのまま言葉に出した。
「いいか??自己主張していないとか言いながら魔王はすごいサキュバスのような格好で毎日行動してるわけじゃん??
つまりだな・・・そんな格好をしてる時点で自己主張丸出しだぞ?」
「なッ!?サキュバスじゃない!!!私はきちんとした魔王と言うイメージを守りつつキュートでセクシーさもある格好をだな・・・・っオイ!!!聞いておいて寝るとはどういう了見だ!!!
ここはキッチリと分かり合えるまで話し合う必要がありそうだ!
だからハルトは起きて私の話を聞いてくれ!!
メルトが戻って来るまででいいから!!!」
魔王の1人でメルトを待つ何とも言えない状況を打開するべくハルトを無理矢理に起こすと。
サキュバスの話の続きだと言って魔王は自分の服のどの部分にサキュバス的要素があるのかと問いだし。
ハルトは見る事もなく全てがサキュバスっぽいと答えると。
魔王は部分という言葉を強く主張しながらハルトにもう一度答え直すように問いかけた。
「ったく・・・本当に面倒なサキュバスの王だな。
そうだな・・・・そのできた体系を主張するような格好とかだろ?
それにそんな格好をしてたらマジでいつかキルりんに大変な目に合わされるぞ?」
「私はサキュバスの王じゃない!!魔族の真っ当な魔王の血を受け継ぐ者だ!!!
何度言えば・・・で、キルりんが嫉妬するくらいに目立つ格好と言うが。
急にデザインを変えるにしてもイメージも何もないから魔力で固定化も難しい。
つまりこの衣装からはそうそう簡単に変えることができないと言う事だ。
だが・・・・キルりんに毎回襲われるのもたまったモノじゃないからな・・・・
―――――――――隠せばいいのか?胸とか?」
魔王の返答にハルトはそうじゃないかと適当に答えると。
魔王は難しい話をしたからかベッドにごろんと寝転がってメルトを待っていると急にドアが開いてメルトがフラフラと戻って来ており。
メルトはベッドを確認した途端・・・・海やプールにでも飛び込むかのように飛び出して魔王にダイブしていた。
「おい、メルト・・・・うッ・・・すごい匂いだ・・・・相当な量を飲んできているな。
すまないがハルト・・・メルトをこちら側に向けるから手伝ってくれないか?
メルトがいい具合に私の体に絡みついていて無理に剥がせそうもないんだ。」
「何度も何度もあと少しで寝られそうなところで起こしやがって・・・・
コレでマジで最後だかんな!!!
って、なんつー格好になってやがる・・・・」
メルトは魔王の胸の谷間に挟まるような形で寝ており。
ハルトは眠い目を擦りながらメルトを引き剥がしてから魔王と協力してベッドに転がすと。
ハルトはソファーに戻って行こうとしたが・・・・・
「しゃーない・・・から・・・その・・・・メルトがもしもまた魔王にくっつくとあれだしキルりんがソファーですごい寝方してるから今回だけはこっちで寝て・・・やるよ。
誤解するなよ!?別に俺は地べたで寝てもいいんだからな!!」
「いや、むしろ大歓迎だ!!!さぁ~特等席の真ん中に来るがいい!!!」
「ん~~~さっきのマシュマロはもういらないわよぉ~~~うへへ・・・・
わたひはシュゴビーがいいわぁ~~~~ぐがぁ・・・・」
ハルトはメルトの酒のニオイといびきに来るんじゃなかったと後悔しながら眠りにつくと。
何やら誰かがくっ付くような気がしたがどうせメルトが酔っているのだろうと放置してそのまま深い眠りについた―――――――――――
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