201日目 ハイネのお呼び出し
朝食を済ませたハルトたちはその足でギルドで依頼を探して見て回っていると。
ギルドではあまり見かけないリザさんの姿があり。
ハルトは少し気になり・・・リザさんの元へと向かって行った。
「よぉ、リザさん・・・ここで何してんだ?
プリーストの仕事でも首になったか?なんつってな。」
「うあぁ~~あぁ?あぁ~~うぁ!」
ハルトからリザさんの言葉は通じるのだがその逆は全くで・・・・ハルトは言葉がわかる魔王を呼び出し。
リザさんが何を言っているのか翻訳してもらう事にした。
「ふむふむ・・・なるほどなるほど。
ハルト、リザさんは私たちを探しにギルドで待っていたらしい。
深夜4時辺りから・・・・・」
「えぇ!?そんなに朝早くからか!?
えぇっと・・・で、依頼の内容はどうなんだ?俺たちにできそうな依頼なのか?」
「ん?どうしたのよ・・・・あれ?リザさんじゃない。
私たちはこれから世界の端にしかいないはずの珍獣・・・ゲートマンの捕獲をしに行こうとしてるのよ!!」
「なんですかそのゲートマンって・・・・ちびっ子たちのヒーローの様なネーミングですが。
そんなのを捕獲と言う事はきっと値段がいいから持って来たクチですね?」
キルりんはメルトの持って来た依頼の紙に目を通している間にリザさんたちの話が進んでおり。
魔王の翻訳だと教会で人手がまた足りないからヘルプで来て欲しいと言う事で。
男の力も借りたいと言う事でハルトを優先で連れてくるようにと言う内容で。
ハルトはリザさんの言いたかった内容を理解した上でキルりんとメルトにもどうするか尋ねると。
2人はゲートマンの捕獲をすると言って聞かず・・・ハルトはリザさんをこのまま1人で返すのも4時から待っていてもらった事から断ることができず。
いつものパターンでリザさんの依頼を受けることとなり。
メルトたちは今日は別行動と言って依頼を受けてギルドを飛び出し、その後姿を見送った後。
ハルトはそっと魔王にどうしてここにいるのか尋ねた。
「なッ!?私がいなければリザさんの翻訳はどうする気なのだ!?
それにハルトだけを女どもしかいない教会に1人で送り込むと何が起こるかわからないからな!!!
だから私がハルトの監視役として付いて行こうと思うのだ!!」
「また勝手なことを言いやがって・・・・
まぁリザさんの依頼だと男手がいるって言ってたから魔王はちょうどいいかもな。」
と、ハルトは魔王に向かって語ると・・・魔王はキレのある手刀をハルトの顔近くにシュっと捻じ込むと。
ハルトの頬から血が流れだしており・・・ハルトはそっと魔王に真顔で謝ると。
リザさんはハルトの手を掴んで教会へと連れて行き――――――――
「うあぁ~あ!!あぁ~~ううぁ?」
「えぇっと・・・ここで待っていて欲しいとのことだ。
なんでもハイネ司祭がハルトに用事を任せたいとか。
で、私は何か用事はないのか?
料理でも何でもできるぞ!!」
「リザさん・・・ここだけの話だが魔王の絵料理だけはやめておけよ?
下手をすりゃ死者が出るかもしれねぇからな・・・
教会に死者が出るとか世も末だろ?あいぎゃぁぁ!?」
リザさんにコソコソと話していた内容が割と大きな声で聞こえるように話してしまっていたらしく。
魔王はハルトの方をバキバキと掴んでおり・・・骨に亀裂をいれていた。
「魔王!!!なんつーことしやがる!!!
俺の大切なボーンにヒビをいれやがって!!!
――――――――あいたたた・・・・」
「し、仕方ないだろう!!!
ハルトが私の必死に作った料理で人が死ぬとか暴言を吐くからだろ!!!
それに私の料理でまだ・・・・死者だけは出していないから安心してくれ!!
雑務ももちろんこなせる万能な魔王の私をどう使うかはリザさん次第だ!!
で、私は何をしたらいいのだ?」
「それなら・・・・このリストのお買い物をして来てもらっていいかな?」
そう言って台所の方からリードが現れ・・・大きな買い物カゴと可愛いお財布にメモを手渡し。
リードが言うにはこの辺で買えるものばかりだから時間はかからないから頼みたいと言うと、魔王はすぐに返事をしてからハルトに悪い事はしないようにと言って教会から出て行き。
リードはハルトに付いてくるように言ってハイネ司祭の部屋に通された。
「ん?ハイネ司祭は俺に何の様なのか知りたいんだが・・・・何か知らないのか?」
「悪いねぇ~私らも何のことかさっぱりでさ。
直接呼び出した本人から聞き出しておくれよ・・・それじゃ私はリザさんと洗濯物干しに行くからまた後でね。」
そう言ってリードはアサシンの癖なのか・・・歩いて行くのではなくシュンッと音もなく消えており。
ハルトはハイネ司祭のいる部屋にノックもせずに入ると・・・・・
「ん?やぁ・・・・よく来たね。
待ってたよ・・・ハルト君!!
少し手が離せないからもう少しだけ待っててくれるかな?」
「いや、その前にこれって写真・・・・それにこの写真はどれも教会の・・・・ジャージー!?リザさんにリードまで・・・・
これ全部盗撮なんじゃ・・・・」
ハルトが写真に目を通しながら語ると、ハイネはハルトに肩を組みながら語り始めた。
「盗撮なんてハルト君は物騒だなぁ~
コレはアートだよ?天使の卵であるプリースト達を動かない形として保存するのが私の役目だとも思っていてね。
で、ハルト君に聞きたいのだけれど・・・・この写真の中でいいモノってある?」
「あん!?アンタマジで言ってんのか!?
ってか俺をここに呼び出した理由って何なんだよ!!!
俺はその呼び出されたことが気になっているんだが・・・・・」
ハルトはどうしてハイネが自分をここに呼びつけたのかを尋ねると。
その前に先ほどの質問の答えが先だとハイネに言われ。
ハルトはしぶしぶどれも興味が湧かないと語ると―――――――――
「やっぱりか・・・・さすがは目の肥えたハルト君だ。
君をここへ呼んだ私は間違いじゃなかった・・・・・
あぁ・・・話が脱線したね。
そう!!私がハルト君をここへ呼んだ理由だったね。
力仕事を任せたい?人手が足りない?それらは全部隠れ蓑に過ぎないよ。
本当に私がハルト君を呼んだ理由はね?
そう・・・・このレベルの低い写真を撮るのではなく。
より高い高次元の写真を撮りたいからハルト君を呼んでテストしたんだよ。
で、ハルト君はこの依頼に乗ってくれるかな?」
「アンタ・・・いつかマジで捕まって処刑されちまうぞ!?
こういう盗撮は断頭台送りだろ?それでもいいのかよ?」
ハルトは頬をかきながらハイネ司祭に語ると。
ハイネ司祭は聖書を片手にページをめくり・・・・何かを説き始めた。
「
それ
この言葉の意味は聖職者でも欲があってそれを実感している時こそ生きている実感があると言う事でね?アレ?聞いてる?」
「いや、聞いちゃいけないモノだと思ってみみを塞いでいただけだ。
で、俺に何をさせたいわけだ?
こんなの魔王たちに知られたら俺も断頭台送りに・・・・・ゴクリ・・・・」
ハルトは自分の首に刃物が突き刺さり胴体と首が分かれる想像をすると。
顔が真っ青になっていたが、その顔にそっと手を触れてハイネ司祭はニコッと笑みを浮かべてこういった。
「1人よりも2人だったら怖くないッ!!」
「アンタ・・・マジで狂ってるだろ!!?
いや、司祭なんかやめちまえ!!!!」
ハルトは部屋の中に響き渡る声で叫び、ハイネは下をペロリと出しながらグーサインを出しており・・・・参加するかしないかと言うよりもハイネは素の顔に戻してハルトにどうしてこの複数の写真に興味がなかったんのかを深い質問を問いかけてきた。
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