182日目 コクジャの噂?

 

 魔獣はメルトたちに何もしないように言い聞かせると・・・

自身の名を大いなる闇の蛇と呼び・・・別名コクジャと語ると。

昔にこの辺りを大暴れして名をとどろかせたと自慢までし始めた所でメルトは我慢できずに再び魔法を撃ち込んだ。


「アンタみたいなのがこの辺で大暴れしていた何て言う話聞いたこともないわよ!!

本当にアンタは有名な魔獣なワケ?

どうせ自分で噂をしてるレベルの魔獣でしょ?つまり弱小・・・ぷくく。

でもでも~このお偉いメルト様にお酒をとして寄越すのなら仲間たちに見逃すように言ってやってもいいわよ?」

「アイツ・・・まだ懲りてなかったのか?

本当にシュゴビーがこの廃村にあると信じてやがるのか・・・・それとも幻術でもかかったか?」

「どうだろう・・・あのメルトだからな。

ちょっとやそっとのウソや脅し程度じゃ限定物のシュゴビーを諦めないと言う事が分かったのだが。

本当にあるのだろうか??こんな廃村に残っている方が不思議で仕方ないのだが。」

「まぁ・・・あのデカイヘビが口にする言葉次第でこの先の運命が変わると言う事がよくわかりますね。

あ、ヘビが体を起き上がらせてきましたよ!」

「我にこのようにダメージを入れられる魔導士が今もいたとはな。

それと、先ほど言ったシュゴビーを差し出せば本当に見逃してくれるのか?」

ヘビの口から出た言葉にハルトは耳を疑い・・・ヘビに悪い事は言わないから止めておいた方がいいと語ったが。

余計な邪魔が入らないようにメルトはハルトを魔法で弾き飛ばすと・・・ルンルンとスキップをしながら蛇に近づいて現物を見せるように提案すると。

ヘビはアンデッドに命令を出して何かを取りに向かわせた。


「おい、ハルト!!しっかりしろ!!

それにしても・・・本当にアンデッドに取りに行かせてシュゴビーを持ってこさせるとは・・・・」

「本当に最高じゃないの!!!こんなシュゴビーは見た事ないわ!!!

ちなみにちゃんと飲めるんでしょうね!!!試飲させてもらってもいいかしらね!!!」

「好きに呑んでくれ・・・だからその・・・我らはここを拠点にするので出て行ってくれませんか?」

「ぐぅ・・・うぅ・・・アイツ・・・マジでぶっ飛ばしやがって・・・

それに何だ・・・さっきから蛇の口調がメルトに対して敬語になってなかったか?」

「はい・・・少し強い魔法が撃てることにビビったあのヘビは完全に何かが折れた様子で・・・メルトをどうやってこの村から追い出せばいいのかと試行錯誤している様です。

ですが・・・ここを拠点にするあの蛇も蛇ですよね・・・ここを拠点にしてのか調べてからこの村から抜け出すのもありだと思うのですがどうでしょうか?無害であればスルー・・・有害であれば殺対処すると言う流れで。」

キルりんの言葉に同意し・・・ハルトは内容によるとだけ言って蛇に近づいてここを拠点にする理由を尋ねると――――――――――


「お前達には到底理解できない事だが・・・そうだな・・・この魔導士を連れ帰ると言うのなら聞かせたやる。」

「ん~~ぶっひゃぁ~コレサイコーにうまいじゃないの!!!」

「メルト~そんなに飲んだら駄目ですよ~

誰がメルトを運ぶと思っているのですか?」

「で、話を聞かせてもらおうか。

ここを拠点にする理由を洗いざらいな・・・でないとをここに置いて行く。」

魔王がハルトの代わりに問うと・・・ヘビは村を見てどうしてここを拠点にするのか答え始めた。


「その・・・我が封印される前のこの姿で大暴れするよりもずっと前の事なのだが・・・我は元々ここので1人の人間だった。

だが・・・村で平和に過ごしていたそんなある日、村を挟んで戦争が始まり・・・我らの村は戦争の中心に置かれその無意味な死を回避するべく我は闇の呪術でこのヘビの姿へと姿を変えたのだ。

そして・・・やっと戦争を行うバカ共を追い払ったと思えば今度は謎の祈祷師に力の一部を封印されてしまい今に至ると言うわけだが。

つまり・・・この村は我の故郷であり誰にも汚されたくない大切な場所で・・・

ここで我はひっそりと時間を過ごしたいと思っているだけなのだ。」

「だからお前は俺たちが村を荒らす前に追い出したかったと言うわけでアンデッドなりを使って脅かしたって言う事か。

それじゃ・・・この他のアンデッドたちは・・・・」

「あぁ、きっと・・・このヘビが闇の力でアンデッドとして村人や迷い込んだものをアンデッドとしたのだろうな。

だが・・・ここからはどうやったら出られるのだ?

入ってきた道がどこにもないようなのだが・・・・」

「そうですよ!!!私たちが入ってきた道はあの角を曲がった先にあったはずなのですが・・・納屋に入ってから出口と言う道が無くなっているのです。

もしかしてそれもアンタらの仕業だと言うのですか!?」

キルりんたちの問いにヘビは幻術で道を隠蔽し・・・ハルトたち全員をアンデッドにするつもりだったと答えると。

この状況からハルトたちは無害だと悟った蛇は幻術を解除し出口を解放した。


「幻術は解除した・・・コレでお前たちは自由だ。

それと・・・出て行く際に1つ頼まれてはくれないか?

我からの最後の頼みだ・・・・」

「まぁ・・・こんな手土産までもらったんだし俺たちにできる事ならやってやるよ。

それに・・・お前の話を聞いてる分だと悪い奴には思えないしな。」

「そうだな・・・この者は私も気に入った。

大切なモノを守るために自信を犠牲にして村を形的に守るとは・・・大したものだ。」

「まぁ・・・みんなアンデッドになっている所を除けばですが。

で、魔獣は何を私たちにして欲しいのですか?」

ハルトたちはヘビから頼みごとを聞くと・・・その内容にすぐに同意し。

酔ったメルトと名産のシュゴビー数本をもって街に戻るとすぐにギルドや酒場でヘビから頼まれた噂を言いふらした。


「と言うわけでさ・・・店主・・・あの地域近くの廃村にはいかねぇ方がいい。

あの廃村の中には巨大なバケモンとアンデッドの群れがいてだな・・・

俺たちもあと少しでやられかけたんだ・・・その証拠にこのシュゴビーの空瓶を咄嗟に掴んで来たってわけだ。」

「ほう・・・こりゃ・・・あの消えたはずの村のモノだな。

と、言う事は・・・黒蛇の可能性があるな。

戦争中に突如として現れ・・・戦争を終わらせた神聖なヘビの事だが。

縄張りが強いのか村が気に入ったてるのか、その村の近くにだけ現れる魔獣なんだが・・・またアレが出たのなら本当に近づかない方がいいな。

よし・・・これ以上その村近辺に出回らないように俺も冒険者たちに話しといてやるよ。

常連であるハルトたちの貴重な体験だ・・・無駄にも出来ねぇし。

今日はその村から無事に戻って来たんだ!!今日は代金はいらねぇからじゃんじゃん食ってくれ!!!ガッハッハッハ!!!」

「マジですか!?今日はたらふく食べますよ!!!

ナイスバディにコレで近づけます!!!」

「まだキルりんは気にしていたのか・・・・よ、言うよりも・・・・

メルト?おい・・・・メルト~~まったく・・・酒にやられて本寝入りしてしまったな。

これは朝まで起きないだろうし・・・・仕方ない、メルトの分まで私たちが食べることにしよう。」

そう言って寝息を立てるメルトを寝転がしてハルトたちは店主のおごりでじゃんじゃんと注文して食事をすると。

噂の事を冒険者やハンターたちに広めるように頼み・・・メルトを連れて家に戻っていった。

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