183日目 ビーチで薄着で金儲け?


 コクジャの一件から夜が明け・・・ハルトはリビングに向かうと。

そこには酒樽に優しく撫でているメルトの姿があり・・・それを見ているとキルりんと魔王も同じタイミングでやって来た。


「また朝から私たちよりも先に樽に挨拶してますよ・・・・

本当にメルトは酒バカですよね・・・昨日貰って帰ってきた限定シュゴビーを全部開けてしまうとか・・・本当にどうしようもないですよ全く。」

「まぁ・・・私も1杯だけ飲んでみたのだが。

あの味はロイヤルシュゴビーと引けを取らない相当な仕上がりであった。

アレは間違いなく名酒と言えよう。」

「で、でしょでしょ!!!だから全部飲んでしまっても私のせいじゃ・・・ないわよ・・・ね?そうでしょ?美味しいのがいけないんだもん!!!」

「い~や・・・メシが食べれなかったからって全部飲んだお前が悪いに決まってんだろうが!!!

お前を魔王と引きずりながら帰った俺たちの分は1杯でお前は酒瓶5本だ5本!!!

わかるかこの気持ち!?わからねぇだろうな!!!その酒しか詰まってない脳だとな!!!」

ハルトは言い返せないメルトにこれでもかと皮肉と暴言を混ぜて言い浴びると。

その言葉が思いのほか心に響いたのか・・・メルトは涙を流しながらハルトに朝から痛烈な魔法を叩き込んで1日が始まった。


それから魔王とキルりんは朝からメルトのご機嫌とりを行いながら朝食を済ませると。

さっそく今日の依頼を受けにギルドへ向かったのだが・・・・・


「ん?せっちゃん?どうしたんだ?

なんだかすごい人の山だが・・・・何か緊急依頼でも来てるのか?」

「あぁ・・・どうやらそのようなんだけど・・・

まだ依頼掲示板の前まで行けてなくて何が来ているのかわからないのよね。

どこかにこの人込みをかき分けていけるスペックの体を持つ可愛い子はいないのかしら?」

「フッフッフ・・・せっちゃん!!!ここは私が行ってきますよ!!!

とうッ!!!アサシンの力を見るがいいです!!!さぁどいたどいた!!!キルりん様が通りますよ!!!」

「何だかせっちゃんもキルりんの扱いが上手になって来たな。

だが・・・本当にこの人の山を作る程の依頼とは何なのだろうか?

街や国レベルに危険があればアナウンスが流れるはずだろうし・・・・

それ以外の緊急と言えば異常発生や魔王軍の侵攻だが・・・・」

「何でもいいけど早く依頼を片付けて家に帰りましょ。

私の可愛い酒樽が私の帰りを待っているのだから!!!

グフフ・・・そろそろ飲み頃になりそうだから楽しみでニヤケが止まらないわ・・・あひゃひゃ・・・ひゃひゃひゃ。」

不敵に笑うメルトから距離を取って待っていると。

キルりんは内容を読んで戻って来ると・・・ハルトたちに依頼内容を伝えた。


「あそこに張り出してあった緊急依頼はですね。

この前私たちが依頼で行った海で水着コンテストをするらしいのですが・・・あまりのバカバカしさにあきれて戻ってきました。

何せ・・・この長蛇の列は下卑た笑みを浮かべる下劣な女の敵である男しかいませんからね!!!!」

「なッ!?何をバカなことを言ってやがる!!!お、俺は下卑た笑みを全然浮かべてなんかないからな!!!

どこにお前のスーパーフラットな凹凸のない水着を見て喜ぶんだよ。

まずは自分の男もんの水着を見てから考えろよ?キルりん?」

「ハルト・・・それは言い過ぎだ・・・・って、もう手遅れか。

それにしても・・・・水着の戦いか。

コレは淑女たる私たちには見逃せない規格ではないか?

メルトにせっちゃんはどう思う?」

「私は別に自分の体を見せるだけで男共から金を巻き上げられるのであればそれはそれで構わないわ。

まぁ・・・魔王とせっちゃんのソレがあれば私たちは必要なさそうなんだけどねぇ・・・ぐふふ・・・と、言う事で過激な水着を選んで優勝を目指すわよ!!」

「わ、私も出るの?

私・・・あんまりそのような薄着をしたことがないから不安なんだけど・・・・

お金がもらえるのなら・・・ゴクリ・・・私も頑張ってみようかな。」

ハルトはキルりんに八つ裂きにされ・・・それを止めようとせずにメルトたちは用意をすると言ってギルドを出て行くと。

キルりんも置いて行かれないようにとズタボロになったハルトを引きずりながら追いかけ。

せっちゃんと共に新たな水着を仕入れ・・・この水着コンテストの優勝を狙いに行くのだが・・・その主催者をよく見なかったのが悪かったのか・・・この先の恐怖を誰一人として予想だにしてはいなかった。


そして・・・準備を整えて海にやって来ると、すぐに受付をしようと受付口に移動したのだが―――――――――


「あれれ?ハルトさん?どうしたのです?今日の水着コンテストにまさか出場するの?」

「俺じゃなくてコイツらがな?

まだ水着には着替えさせてないが・・・相当自信があるらしいから登録だけでも嫌々でも頼めないか?」

「何でそこで嫌々されないといけないのよ!!!私たちまだ何も迷惑をかけてもないわよ!!

それに・・・こんな男ばかりの海も久々に見たわよ。

ちょうどムカついてたからそこら辺の男冒険者やハンターにでもぶっぱしてやろうかしら!!!」

「おいメルト!!!そんな物騒な真似はよすんだ!!!

参加する前に危険行為で登録してもらえなくなったらどうするつもりだ!!!

酒癖の悪さで登録してくれるかジャージー次第だと言うのに・・・・

で、ジャージーはどうして水着の格好なのだ?」

「ぐぅ・・・ジャージーはこうして見てみると本当にバカみたいな乳をぶら下げてますね・・・・しかもこの周りにいる鼻の下を伸ばした連中はみんなジャージーのあれを目的にしていると言うわけですか・・・・はぁ・・・本当にクソですね。

私は問題なく参加できますよね?この2人よりかは安全と言うのが証明されているはずですが?」

キルりんの抜け駆けに魔王とメルトが詰め寄ると・・・・ジャージーはキルりんの一部をチラッと見てから本当に参加するのかと聞き返すと。

魔王とメルトはジャージーの言葉に思わず吹き出し・・・キルりんは恥ずかしさを堪えながらジャージーにどういう意味なのかを問うと――――――

ジャージーが答える前に周りにいた連中が代わりに口を開いてやって来た。


「そりゃな?男の子が参加できるコンテストじゃないからだぜ?

今回は筋肉を見せるボディービルじゃなくて女性のムッチムチを見せ合うコンテストだからよぉ?

ボクちゃんはお家に帰るなりした方がいいな。」

「へぇ~~~ハハハ・・・・最後にこれだけ聞いておきたいのですが・・・

私が男か女か・・・どっちだと思います?」

「そりゃ・・・もちろん・・・おどごッ・・・・ぶげヴぁッ!!!」

隣にいた男がキルりんの事を男と発言した瞬間・・・キルりんの切れのある打撃が男を襲い、地面に崩れ落ちていた。


「おい、キルりん・・・あんまり派手にやり過ぎんじゃねぇぞ?」

「わかってますよぉ~ただし・・・コイツには少しだけ私が女だと言う事をわからせないと気が済みませんので・・・・あはは!!!本当に今日はいい日ですねぇッ!!!」

「うっわぁ・・・・あの暴力的なのは魔王と似てるわね・・・

本当は魔王とキルりんは同種なんじゃないの?」

「何をどう見て私とキルりんが同種なのだ!?

暴力か!!暴力を働いたで同一視されてしまうのか!!!」

「えぇっと・・・受付の邪魔なんだけどなぁ・・・」

受付近くで暴力を働くキルりんの怒りが収まるまでの間にメルトたちは無事に受付を終了させ。

その後から怒りがやっと収まったキルりんがニッコニコで受付に来ると・・・ジャージーは参加させたくないと感じつつ。

拒否すれば自分にも何をされるかわからないと恐怖した上でキルりんを参加させると・・・ハルトたちと無事に合流した。

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