169日目 ハルトの復帰
それから数日後・・・ハルトは毎日魔王の指示を受けながら体を元のように動くまでリハビリをできる限り行い。
ようやく1人で大体のことができるようになるまで回復し。
ついにハルトは魔王やメルトたちと共に依頼を受けるくらいにまで回復していた。
の、だが・・・・・・・・
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!?バカだろ!?マジでバカだろ!!!!!!
何で病み上がりの俺が囮になってんだよぉ!!!
こういうのはまずキルりんかメルトの役回りだろうが!!!!」
「あひゃひゃひゃ!!!本当にハルトは囮役が板についてきたわね!!!
本当にこの絵は何度見ても飽きないわ!!!
このまま絵にしてシュゴビーを呑みながら鑑賞も一興よ!!!」
「それより、早くハルトを助けに行きましょう。
さすがに病み上がりのハルトを走らせ続けるのも悪いですし。」
「そ、そうだな!!!ハルト!!!今スグ助けに行くからそのまま囮をして待っていろ!!!」
ハルトの扱いはすでに病人だったこととは違って・・・いつものハルトの扱いと同じで。
ハルトは本当にこのPTを解散して人に地域に全てに優しいPTを結成しようかと悩みながら逃げ続けていると・・・・・
「ぐべはッ!?ぐぞ・・・・石につまづいた・・・・ハッ!?
この影はまさか・・・・・ぎゃぁぁあぁぁぁ!!!!!早く!!早く来てくれ!!!喰われるマジで食われちまう!!!!
うんぎょわぁああぁぁぁぁ!?!?!?」
ハルトを丸呑みにしようとした害獣を・・・魔王は何とか間に合い。
その害獣を倒すと、ハルトは魔王たちに病み上がりにさせる事がコレかと激怒した。
「マジでお前ら病み上がりの俺の扱い酷くないか!?
いきなりこんな依頼を受けるわギリギリまで手助けしないわ・・・・
マジでPT解散してやろうか!?あぁぁん!?」
「ちょッ!?私に対しては酷いとばっちりですよ!!!
今までハルトたちの資金調達してきた私の苦労は何だったのですか!!!
私だけでもそばに置いておいてくれはしませんか?」
「何、私たちを置いてけぼりにして言ってんのよキルりん!!!
私も最後の方は協力したじゃない!!!だったら私もそばに置く必要・・・いいえ!!!私はハルトの主でマスターなのよ!!!だから私を解雇なんて絶対にできないのわよ!!!一生死ぬまで運命共同体よ!!絶対に死んでも放さないから覚悟しなさい!!!」
「そ、それなら私も同類じゃないか!?
は、ハルトは・・・私だけを仲間外れにしない・・・だろ?
それに今回のピンチは私が助けたわけだから・・・セーフだろ?
す、少しは応えてもいいじゃにゃいか!!!」
ハルトは3人から正当な理由を語られながら泣きつかれ・・・このまま解散と言う事もできず。
これからの依頼はもう少しだけ難易度を落とすことを前提に話すと。
3人はモチロンと即答し・・・・キルりんはテキパキと狼煙を上げてやる事を済ませ。
久々の依頼でハルトは再びこのPTのダメダメでポンコツな感じを体感しながら街へと戻って行き。
その足で久々の酒場へとやってきた。
「よぉ~ハルトじゃねぇか!!!もう体は良いのか?」
「元気になったのならまた今度、あの店に行こうぜ!!!」
「やっとハルトが戻って来てハルトPTの完全復帰だな。
いやな。最近までメルトがここに来ても全然シュゴビーを呑まずに水しか飲まんでなくてさ・・・・ヴッ!?」
「ちょっといいかしら?その辺の話をあと少しでも喋って見なさいな。
この場にいる全員をカエルに変えてから油であげて食べちゃうわよ?」
メルトは笑っていない表情で男の口を掴みあげ・・・再び話すように告げると・・・・・
「その、何だ・・・まぁメルトもみんな元気そうで何よりだ!!
――――――――それじゃ!!」
「へぇ~お前、ここにきてシュゴビーをがぶ飲みしてたんじゃないんだな。
それだけは驚きだ・・・で、何で飲まなかったんだ?
その辺をじっくりと気来たんだがな・・・・っテ!?アヂィ!?
店内で魔法を使うなバカヤロウ!!!」
「だ、だって!!聞かれたくない事を無理矢理聞こうとしてたじゃない!?
魔王もキルりんも今回は私の見方をしてくれるわよね!?でしょ?」
「すみません・・・この話は私も興味がありまして・・・
どうして酒癖の悪いメルトがここでシュゴビーを頼まずにいたのかすごく気になります。」
「メルトには悪いのだが・・・・私もキルりんと同意見だ。
あのメルトがここに来て酒を一滴も注文しないと言う事はとんでもないことだ。
考えられるのは何かの病気の影響か何かだろうと私は考えているのだが・・・・」
魔王たちが味方になってくれないとわかると。
メルトは自分で口を塞ぐかのようにシュゴビーの特大を注文し。
ぐびぐびと飲み始め・・・ハルトたちはそれを見て、その話は別の機会に取っておくと言って夕食を注文した。
「ふぅ・・・久々のここでのメシはやっぱりうまいなぁ。
にしても・・・アイツ・・・最近まで本当に呑んでなかったのか。
なんかメルトにしては珍しいよな。」
「そうですね・・・人のケガや何かしらでショゴビーを呑む手を緩めるはずはないと思っていましたが。
意外とメルトもハルトの事を心配して飲まなかった節がありますよね。」
「きっとメルトもハルトの事が心配だったのだろうな。
本人はあぁやって恥ずかしがって言わず言わせずにしているが。
この場にいる皆はメルトの考えは読めていると見た。」
「ちょっと!?そこでなに下らない事をしゃべってんのよ!
私がハルトを心配?ばっか言わないでよ・・・魔法を撃っても体をバラしても死なないハルトを誰が心配するかって言うのよ・・・・
私がシュゴビーを呑まなかったのは・・・えぇっと・・・そ、そうよ!!!
こうやってハルトが来た時にたらふく奢ってもらうためよ!!!
自腹は結構サイフに響くし?頭冴えてるでしょ?」
メルトの可愛げのない言葉にハルトは各自の食べた代金は自分で払うように言うと。
メルトは目の色を変えてハルトの足元に張り付き。
謝罪と共に少しだけは心配していたと言うと・・・ハルトはそれ以上の事は聞かず。
メルトたちのメシ代を支払って家に帰って行った。
そして次の日は先日のことから軽い依頼を受けて、害獣の出現ポイントで害獣と交戦していた。
「ハルト!!!右からやって来るから気をつけるんだ!!!」
「了解!!!キルりん援護してくれ!!!
メルトはそこまで強くない魔法をチャージして待機!!」
「しょうがないわねぇ~そこまで言われたらやるしかないって言うか?
やってあげなくもないって言うか?」
「いいから早くメルトはチャージを開始してください!!!
すぐそこまでブラックボアが来ていますよ!!!!
おわわわわ・・・・地響きがすごいです・・・・」
黒いイノシシと交戦を開始してから数十分後・・・・何とか魔王たちと協力してボアを狩ることができ。
キルりんはすぐに狼煙を上げて運送者にボアを引き渡すと・・・・
2つ目の依頼を受けるのかどうかハルトに尋ねてきた。
「そうだな・・・久々に2連続で害獣討伐でもしてみっか。
で、メルトに魔王はどうだ?」
「私は稼げるのならそれでいいけれど・・・あ、アンタの体は大丈夫なの?
その・・・まだ微妙にフラフラしてるようだけど。」
「うむ、私もそれが気になっていた。
やっと体の調子が良くなったハルトに無茶をさせるのはお勧めできない反面。
体を動かさなければよくもならないと言うが・・・・
これから先の事はハルト自身に委ねよう。」
「私も魔王たちと同様でハルトに任せますよ。」
と、魔王たちはハルトの体を一応は心配しており。
ハルトはその心配を取り除きたいという一心から次の依頼を受けて出発しようと語り。
4人は街へ戻って依頼を受けることとなった。
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