168日目 ハルトのリハビリ
泣きそうな魔王にハルトはスープの話ではカバーしきれないと感じ。
違う事に対して助けて欲しいと願うと。
魔王は顔を隠しながらぼそりと・・・何をすればいいのかと例えばの話を問うてきた。
「えっと・・・なんだ・・・魔王にできる・・・子供でもバカでもサルでもできる仕事・・・・ん~」
「なんだ!?途中から私の威厳も何もかもがそぎ落とされた名称が聞こえたぞ!!!ひとがこうやって悲しみに暮れていると良い気になりおって!!!
ハルトは病人なのなら病人らしく文句も言わずに何でもされるようにされていればいいのだ!!!
この・・・私が・・・ハルトのために何でもしてやる・・・・だから・・・」
魔王が何かを言いかけた瞬間、ハルトはその言葉を聞く前に真顔で「料理以外をマジでお願いします」と最高峰かつ丁寧に魔王に語ると。
魔王はグッと何か言い返そうと言葉を吐く前に押し殺し。
ひと呼吸置いて・・・魔王はわかったと言って皿をもって部屋から出て行くと。
部屋の外からキルりんとメルトが戻ってきた声が聞こえており。
バロンとの夢での会話はそこそこ時間が経っていたと感じていると・・・・次に2人の声は断末魔となり。
とんでもない叫び声をあげてから魔王は自身の事を説明したのか。
少し静かになったと思うと、今度は笑い声が聞こえだし。
何だかハルトは妙にイライラとしながら目を閉じてそれ以上の無駄話が聞こえないと暗示をかけながら眠りについた。
そしてそれからと言うモノの・・・・
顔以外が筋肉痛でまともに動かせないハルトに対してメルトは毎日欠かさずに悪戯をハルトに行い。
それを魔王が注意をしていると依頼から戻ってきたキルりんが帰りに買って来た弁当を4人で食べると言う流れができており。
ハルトは魔王に食べさせてもらいながら数日が過ぎてようやく立てるようにまで回復した。
「よし、ハルト・・・・その調子だ。
そのまま少しスキップとかできるか?」
「いきなり無茶言うなよ・・・・まだそこまで力が入らないんだぞ。
それに・・魔王のトレーニングは何で毎回スパルタなんだ?
そこで見てるメルトは少しくらい何か手伝えよ。」
「えぇ~嫌よ・・・2人を監視する人がいなくなった方が何かが起こるような気もするし?
それに私は魔王のスパルタでも何でもハルトが早く動けるようになるんだったらいいとおもうわ。
たまにはこうやってハルトがひーこら魔王に運動させられてるのを見るのも悪くないし?
さらに言うと、私たちの生活費はキルりんがせっちゃんと協力して工面してくれてるし今の所問題ないんじゃないのかしら?」
ハルトと魔王はメルトが何もしていないグータラ魔導士になっていると大声で言おうかとしたが・・・火に油・・・火にメルトで危険だと感じて言うのを止め。
ハルトは魔王の指示に答えようと。
スキップの構えをとった瞬間―――――――――
「おっと・・・やはり激しい動きはまだ早いようだな。
体が少しでも動かせれるようになったからイケると思ったのだが・・・・すまなかった。」
「いや、魔王がカバーしてくれたから別にいいんだが・・・俺の代わりにガツンとメルトに何か言ってやってくれないか?
あのバカだけ本当に何もしていないようにしか見えないからな。」
「ん?どったの?私をじっと見つめて~何かくれるのかしら?」
能天気なメルトは2人の見つめる顔から何を想像されているのか予想もついておらず。
メルトの言葉を無視しながらハルトたちは家に戻ると、そこには依頼をし終えたキルりんが戻って来ていた。
「ふへぇ・・・さすがにせっちゃんとの依頼はハードですよぉ。
どうせなら後1人誰か付いてきてくれさえすれば・・・・チラッ・・・」
「わ、私はハルトのコーチだから・・・そ、その・・・参加はできない。
だから暇そうにしているメルトを連れて行くのはどうだ?」
「ちょッ!?私をすぐに引っこ抜こうとしないでよ!!!
わ、私だって・・・そ・・・そうよ!!!私にだってやるべきことがあるのよ!!
一番風呂に入ったり?シュゴビーを呑んだり?ね?大切な役目でしょ?」
「コイツ・・・マジで何の役にも立たねぇダメルトじゃねぇか・・・・
そろそろ解雇も考えるか?」
ハルトがぼそりと呟いた言葉にメルトは無視できず・・・・
他に何か簡単にできる作業をさせて欲しいと言い出し。
ハルトたちはメルトに何ができるのか協議した結果――――――――――
「なら、お前はこれから・・・キルりんと共に・・・・」
「ちょっと待って!!!どうして最終的には私も依頼へ行かせようとしてんの!?
私はここの見守り隊隊長なのよ!?」
「何ですか見守り隊って・・・そんなバカなこと言ってないで明日から本当に頼みますよ?
少しでも人手が増えれば作業時間と効率が上がりますし。
ハルトが動けない分の資金調達ができます。
少しはみんなんの為と働いてもいいんじゃないですか?」
「久々にキルりんから立派な言葉が聞けたような気がするが・・・そうだな。
メルトは偉大な魔導士なのだろ?だとすれば・・・前衛で戦うせっちゃんやキルりんのバックサポートはメルトにしか任せられない天才的なポジションだと思うのだが・・・・そうか・・・メルトはその器ではなかったのか。」
魔王はメルトをチラチラと見ながらひとりごとのように語ると。
メルトは上等と言って胸をバンっと叩いて明日からバックは任せろと大きく言い放つがキルりんは少しだけ不安を感じており・・・・
もやもやしながらハルトたちは弁当を食べ始めた。
「もしゃもしゃもしゃ・・・・んで、明日の依頼って何を行くのか決めてるの?
私がサポートするにしても魔法耐性がある生物だと意味ないわよ?
それも物理のみしか聞かない相手だと特に。」
「モグモグモグ・・・・そうですね、私は前衛で戦うせっちゃんと共に攻撃はしますが基本的にはアサシン流のアイテムを使った攻撃の阻害や妨害行為がメインですから。
明日の貼りだしてある依頼の内容次第といった所ですかね。」
「私も参加したいのだが・・・ハルトの身に何かあればアレだからな。」
「俺は1人でもいいんだが魔王がどうしても世話をさせて欲しいってうるせぇんだがな。
断れば泣きそうな顔をするし・・・何だよ・・・魔王に世話をされるって。」
ハルトの発言を魔王は必死に聞こえないように大きな声で隠そうとするが。
2人は長い付き合いもあり・・・・普通に聞こえており。
明日の依頼はせっちゃんたちとギルドで話し合う事に決まり、夕食が済むとメルトたちは風呂へ入りに行った。
「で、魔王はどうして風呂に入らないんだ?
俺の事は気にせず入って来いよ。」
「私は最後でも大丈夫だ。
それに・・・私がハルトに無茶をさせてしまったからこのような状態になったと考えると。
自分だけのうのうと湯船につかるのは気が引けてな。
だから、ハルトが床に就くまではサポートをさせて欲しい。」
魔王は心の底から言った言葉に対し、ハルトは一応仲間の魔王の為にしたことと言って。
罪の意識にとらわれるなとだけ言って・・・部屋に戻るとすると。
魔王に肩を貸してもらいながら戻り。
ベッドに横になると、ハルトは魔王にコレで自由と言って追い出した。
「この感じだと・・・・後、1日か2日で多少はマシになるかな・・・・
にしても・・・あれだけの魔法でこうなっちまうなんて・・・無茶も程々にだな。
これからはマジで岩落としだけにしよ・・・・」
ハルトは独り言を天井に向かってブツブツと語り・・・・早くも眠りについた。
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