149日目 メルトに熱い男・・・

酔って寝てしまった2人を連れて魔王たちが家に戻る頃には深夜になっており。

酔いつぶれた2人をベッドに寝かせると・・・魔王たちも自分の部屋に戻り床に就いたのだが、メルトはいつもの夢遊病で歩き回り。

ハルトの部屋にやって来ると、いつもならカエルに変えたり魔法をぶち込むのだが。

今回は大人しくハルトの隣に寝転がり、そのまま時が過ぎたのだが――――――


「ふんふふ~ん・・・ハルト~朝だぞぉ~起きて皆で朝食・・・に・・・え?」

「どうしたのですか魔王?あと・・・今朝からメルトの姿がどこにもないのですが・・・・どうかしましたか?ん?アレは・・・」

「んん~~どうしたのよぉ・・・ふわぁぁ~~こんな朝っぱらに・・・

んぇ?どうしてダメ使い魔のハルトが隣で寝てんのよ?ってかここハルトの部屋?」

「あぁ?今何時だ??あん??どうしてメルトがここにいるんだよ?

それにお前たちも・・・ここは俺の部屋だぞ?いつから俺の部屋が集会場になったんだ?少しはプライベートを守れよ。」

ハルトはこの状況がわかっていないのか寝起きで頭が回っていないのかわからないが魔王の怒りの爆発までそこまで時間はかからなかった。


「ハルトぉぉぉ!!!昨日の酒場のアレだけで一緒に寝るだけ仲が戻ったのか!?

だったらハルト!!!私と今日たっぷりとお酒を飲んで一緒に寝よう!!!」

「魔王は怒っているのですか?それとも羨ましがっているのですか?

今はそんな事を話している場合じゃないですよ?

メルト・・・幾つか聞きたいことがあります。

昨晩メルトはハルトとチョメチョメをしましたか?それともハルトのチョメをチョメしてチョメりましたか?」

「チョメ?なに??私がハルトのピーーーをピーーーしたって?

んなのするわけないじゃない~ハルトの何てどうせ・・・へっ・・・」

「あん!?んだとこらぁ!!!俺のアレに文句でもあんのか!?

それにな!!!俺にだって女を抱く権利くらいあるんだ!!!誰がこんなガバガバそうなメルトを抱くかよ・・・こんなぎゃーぎゃーうるさい女は俺の守備範囲外だっての。」

魔王の話をスルーしながらメルトに対して女としての価値が無いように語ると。

メルトはハルトにポカポカと殴り込みを入れるがハルトの男の力の前にねじ伏せられ。

これから朝飯を食べてから今日の依頼を受けに行くことになったのだが・・・・


「何なのよ・・・私と一緒に寝といてあんな暴言吐くなんて・・・ホントハルトってば女を見る目がないわね。

本当にそれは目なのか疑問に思えてきちゃったわよ。」

「コレは正真正銘俺の眼だ。

しかも酒場で聞いてみろよ・・・・お前が抱くに相応しい女か。

きっと連中はお前よりも魔王を選ぶに決まってるぜ。」

「どうしてハルトはそんなにも私をジロジロと見ているのだ?

どこか変な所があったのだろうか?」

「いえ、どうでもいい話だと思うので無視して酒場に入りましょう。

こういう時は関わらないのがいいって言うので相場が決まっていますので。」

キルりんたちはそう言って酒場に入りいつもの席に座ると。

メルトの隣に見ず知らずの男が流れるように座り込んで来た。


「よぉ~べっぴんさん・・・良かったら今日俺とデートしない?」

「へへぇ~んどうなもんよ?私にだって色気があるんじゃないかしらね??

わたしをバカにしたハルトさん??いいわよぉ~その代わり私は少しお高いわよ?」

「少し?少しどころの騒ぎじゃないと思うのですが・・・・ロイヤルシュゴビーのお風呂に入りたちとか暴言を言いう悪女ですよ・・・・」

「それにあの男は何だかいけ好かない。

女をオモチャのようにしそうなタイプだ。

私はああいうチャラチャラした男はどうも苦手だ・・・・」

「まぁ、こういう時は様子を見ていたらいいんじゃないか?

どうせメルトの悪態を見た途端逃げ帰るだろうしな。」

ハルトたちはメルトに寄りつく男を久々に見たこともあって戸惑うが。

その男はメルトにご熱心でハルトはずかずかと我が物顔でメルトと話す男に少しだけムカッとし・・・


「で、そっちの男はどこぞのどちらさんで?

俺たちこれからメシ食ってから依頼に行くとこなんだが?邪魔しないでもらえます?」

「ん?それはこの可憐な彼女も一緒に行くのかい?」

「まぁ!?私の事が可憐だなんてぇ~おだてても何も出ないわよぉ??」

「この男は駄目だ・・・目が腐っているぞ。

メルトを見た男はその辺にある小石を見るよりも見下して見るのに対して

この男は可憐だとか・・・この世の終わりじゃないのか?」

「それにそのことを知っているのにも関わらず上機嫌に乗るメルトもメルトですが・・・

で、どうします?メルト置いて行きますか?だって・・・この面倒な男が付いてくるのはなんか嫌です。」

2人がそう言うとメルトは散々言われたこともあってか男と席を変えて酒を飲み始め。

ハルトたちは朝食を済ませて依頼を受けにギルドに向かうと・・・・・


「だが、あのまま2人を置いてきてよかったのだろうか?

あの男は最近はやりのタカリじゃないのか?」

「ん?カタリ?それはアレか?

金を貪り取る連中の事か?」

「そうです・・・人に憑けいり言葉巧みに操って金品を奪って消え。

街から街へと消える男共はクズばかりと聞きます。

ですが、街中で急にボコボコにするのは人の目もありますので真実がはっきりするまでは手が出せないので無視と放置が一番なのですが・・・・

メルトが問題なのですよ・・・アレはいつも問題を引き起こしますからね。」

ハルトはその言葉は自分以外全員だろうと心の中で呟くと。

適当に3人で受けれそうな依頼を受けて出発し・・・依頼のポイントにやって来ると・・・・


「いましたよ・・・グロッグベアーです。

あれは動きこそは遅いですが・・・パワーが・・・・」

「フッ・・・・・・セイヤァァァ!!!!」

「あ~あ・・・魔王が1人で倒しちまった・・・・

相当あの男にイライラしていたんだな。

よ~し、コレで依頼達成だし・・・街に戻るか。」

3人はクマを回収してもらいギルドで報酬を受け取り家に帰っていると・・・・


「でさぁ~ん?ハルト~~お~い。

いま依頼の帰り?今回は何を狩ったのよ?」

「あん?今回は・・・グロッグベアーだけど?」

「お前らあんなヤバイのを討伐できたのかよ!?スゲーな・・・・アハハ。」

「何だかこの男・・・すごく怪しいです。

私のセンサーがビンビンとそう告げています。」

「あぁ、あのクマを倒した我々を変な目見るこの男はやはり好きになれん。

さぁハルト・・・私たちは家に戻って休もう。

今日の依頼ポイントは遠くて少し疲れたからな。

で、今日の夕食はどうする?」

メルトと男を置いてハルトは魔王たちと家に戻ると。

報酬を3人で分けてから各自風呂に入りサッパリした所で夕食を食べに酒場へ向かうと。

異彩を放つ男とメルトが2人で離れた席に座っており。

それを気にせずハルトたちはいつもの席に座って料理を注文して待っていると。

ハルトはトイレに行きたくなり・・・トイレに移動すると――――――――


「よぉ、あんちゃん・・・稼ぎがいいらしいな。」

「それはどうも・・・・で、メルトの相手は疲れるだろ?

ヤツとの相性はどうなんだ?」

ハルトは悪戯に男に尋ねると男はハルトに語り始めた。


「そうだなぁ・・・相性か・・・あのメルトって言うバカ女はおだてりゃすぐにホイホイと付いてくるし軽い女だ。

金さえちらつかせたら・・・・ヘヘヘ・・・・」

「悪いがこれだけは言っておく・・・アイツに変な事をしてみろ。

すんごい目にあわせてやるからな。」

ハルトは特に何をすると言う事も言わずに先に出て行くと。

男はハルトの方を見ながらメルトの隣に座り。

メルトの肩を抱き寄せていた――――――――――

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