150日目 ハルト渾身の一撃と酒場の力?
男はこれ見よがしにメルトの肩を無理に抱き寄せてアピールをすると。
キルりんたちが止めようと立とうとした瞬間、ハルトは2人の手を握って止め。
まだそのタイミングじゃないと顔を横に振って座らせ。
トイレであった事を説明すると、2人はそれならすぐに止めるべきだと言っていたが・・・・
「だが、この場でヤツのぼろが出るのを待つ。
それに・・・メルトも薄々気付いていると思う。
自分がどうかされるんじゃないかってな。」
「一体何をされるのかはわからないが・・・
メルトがピンチなら私たちも手を貸すぞ。
それに、あの男の顔を2,3発殴らないと気が済まないのだ。」
「私は刺してもいいですか?死なない程度にです。
それとも何かとっちゃいますか?男のシンボルでもゲットしちゃいますか?」
痛い事を連呼するキルりんの口を塞ぐと、そろそろ頃合いかと感じて移動すると、男は酒が回ってきているのか・・・思い通りにならないメルトに対してついに怒鳴り始め。
終いにはメルトに手を上げようとした瞬間、ハルトは我慢できずメルトが殴られる前に男の顔を殴り飛ばした。
「悪いな・・・これ以上は我慢できねぇんだわ。
このバカは簡単な言葉といい言葉を並べたら扱いやすいかもしれない。
巷では尻軽女と呼ばれることが時々あるからな。
でも、今はそんなことを言っている場合じゃない。
お前はウチの大事な囮に殴りつけようとしたんだ・・・これ以上騒ぎにしたくなかったらこの街から・・・いや、この国からさっさと出て行ってくれないか?」
「ハルト・・・・ねぇ、ちょっと待って?
さっきからいくつか私にまつわる新情報がちょこちょこ聞こえたんだけれど??
それって冗談よね?あの男を騙す冗談よね?そうでしょ?みんな?どうしてそっぽを向くのよ!?」
「クッ・・・・この野郎ッ!!!さっきは忠告してやるとしたが。
こうなったらそこのバカでホイホイと男のケツを追いかけてくるクソ女とお前だけはぶっ殺してやる!!!
まずはそのクソ女からだ!!!!」
そう言って男は隠していた投げナイフを投げつけると・・・ハルトはメルトを庇って飛び込むと。
綺麗にハルトの脳天にナイフが突き刺さり。
ハルトはその場に倒れていた・・・・・
「おい、ハルト・・・私はいつまでこの怒りを耐えればいいのだ?
そろそろ限界だぞ・・・私が抑えられるのは後数発・・・それを超えればこの男は即灰にしてやろう。」
「魔王、それは止めてください・・・巻き添えで私たちまで燃えてなくなりそうですので。」
「そうだぜ・・・俺はまだ全然ぴんぴんしてるしよ??
おい、どうした?お前の攻撃はこんなもんか??」
「なッ・・・お前・・・人間じゃないのかよッ!?
今も脳天にナイフが・・・ぐぅぅ・・・コレはトリックか何かだろ!!!
次はガチで突き刺してやらぁぁ!!!!」
「ハルトの脳天にナイフが刺さったぁ!!」
メルトが叫ぶ中、男はテーブルにあったナイフを掴みハルトの心臓を目掛けて突き立てると。
間違いなく突き刺す感覚と音はしていたのだが・・・その後にあるはずの事が起きない。
そう、血飛沫が一切飛び出さず。
どこも血が滴り落ちておらずナイフの刺さり目には間違いなく傷跡があったのだが。やはり血が飛び散っていなかった。
「不思議か?人の脳天にナイフを突き刺しといて血が出ないのも死なない俺を見るのもよぉ?
俺はメルトの使い魔で最強の不死者なんだ・・・・このクソゲス野郎が!!!!」
「ぶぐふぇッ!?!?!」
「おぉ~~ナイフを頭に刺しながらいいのが決まりましたね。」
「うむ、見ているこっちも気分がスカッとする豪快な一撃だった。」
「いいぞ~ハルトぉ!!!もっとやれ!!!」
「あんなクソみたいな野郎は追い出しちまえ!!!」
「俺たちも参戦するぞぉぉ!!!うおらぁぁぁ!!!」
ハルトに続いて他の酔った冒険家やハンターたちにその男はぼこぼこにされ
そのまま樽に詰めて川に流すと。
ここの酒場の連中はここまでするのかと3人は妙にキモを冷やしながら酒場へと戻った。
「で、お前・・・あの男とはその・・・どうだったんだ?」
「ナニナニ??私の事を心配してくれちゃってんの??
そうねぇ~何もなかったわよ?ただメシと酒をじゃんじゃん飲み食いしてただけで?特に何もなかったわよ?」
「メルトらしいと言いますか・・・やはりメルトが男にモテない理由はそこでしょうね。
がめつさと酒と金の執着・・・・それらは男たちが嫌う手間のかかる女というものですからね。」
キルりんの発言に酒場内の男一同がコクコクと頷くと。
魔王は自分はその枠から外れていると主張し・・・自分は手間がかからないとハルトに問うたのだが・・・・
「魔王は魔王で少し手間がかかるからちょっと・・・・」
「そうですねぇ・・・プロポーションは抜群でもすぐにキレるのと暴力で解決する辺りをどうにかすればハルトに気に入られるのではないのでしょうか?」
「そ、そそそそう言うキルりんはどうなのだ!!!
ハルトに気に入られていると言うのか?」
「そうよそうよ!!!自分だけ解説ポジにいないで同じ土俵に出てきなさいよね!!!この鉄板装甲キルりん!!!」
メルトの安い挑発に乗ったキルりんはハルトの胸倉を掴んでにこやかな顔をして自分は大丈夫かと尋ねると。
キルりんの顔を見たハルトはナニを冗談と笑いも出さずに真顔でキルりんを否定すると。
どこがいけないのか、魔王とメルトより扱いやすい自分は二人よりどこがいけないのかを尋ねると・・・それは一目で答えが出ていた。
「そりゃ・・・お前・・・男疑惑が全く晴れてないだろ?
それに・・・キルりんと一緒にいると何故かおれがホモかと疑われる時がある。
それはなぜか教えてやろうか??お前のその何にも装備してないソレのせいだよ!!!わかったらお前はもう少し他の場所に栄養を送れ!!わかったら食え!!!」
「ぐ、ぐあぁぁぁ・・・・チェストォォォ!!!!」
「本当に誰よ・・・暴力で解決するとかすぐにキレるとか。
キルりんも大差ないじゃないの。
わたしを見習いなさいよね!!私は怒りもしなければいつも冷静沈着よ?
だからもっとシュゴビー飲んでもいいでしょ??」
「良いわけないだろう!これで5杯目だ!!!それに昼間は依頼をせずに飲みまわしていたとさっきジャージーから聞いた。
だから今日のお酒は終わりだ。」
ハルトの言葉にキルりんが男と言う噂は誰もが聞いたことのある話で。
誰が言ったとかではなくキルりんは男と言うのがある部分を見て常識と化しており。
そのことも含めてキルりんはハルトの体をいつものようにナイフでぶっ刺すが・・・ハルトのグリグリの返り討ちとなり。
これ以上いたら破産すると言ってハルトは会計をしてキルりんたちと共に家に帰ると。
最後の最後でメルトはハルトにどうしてあのとき身を挺して助けてくれたのかと尋ねると。
ハルトは恥ずかしそうに・・・あの男にはメルトをうまく扱えないと語ると。
さらにメルトはその扱いを尋ねてくると、さすがに面倒と思ったのか。
ハルトは囮とエサと語ると・・・メルトはカチンとブチギレ。
魔法を好き放題に叩き込こみ、家の中に消えて行き。
地面で焼け焦げたハルトに魔王たちはどうして素直に仲間だと言えないのかと尋ねると。
ハルトは何かを悟ったかのような目をして・・・言えば調子に乗るからと答えると。
キルりんと魔王もハルトの意見に同意し。
3人仲良く家に戻り床に就いた――――――――――
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