135日目 子供たちとの雪合戦

せっちゃんと共に雪の街を移動していると・・・依頼された害獣である。

ホワイトウルフの群れと遭遇し、メルトたちはせっちゃんにどうすればいいのかを尋ねると。

せっちゃんはニヤッと笑みを浮かべて・・・


「ただ、討伐するのみッ!!!!アハハハハハ!!!!

ホラホラどうしたぁぁぁ!!!ヒャッハーーーーーー!!!」

「これって俺達は必要なのか??

どう見てもせっちゃんの1人ゲームになってんだが・・・・」

「そうでもない・・・・

奥を見てみろ・・・あの数のホワイトオオカミの援軍が来ることを考えて私たちを呼び出したのだろうな。

さて、私たちも仕事にとりかかろう。」

「寒い中ご苦労なことねぇ・・・・でも、魔王の変な料理を食べる事と比べたら全然いいんだけれど!!!全部炭になっちゃいなさいな!!!

――――――――――ファイアーストーム!!!」

「ですね・・・魔王のと比べたらワンコを相手するのは本当に余裕です!!!

さぁ、どこからでもかかって来ると良いですよ!!!」

「そうだな!!!おっしゃ、俺も久々にやってやんぜ!!!!

―――――――――――犬ども覚悟せいやぁぁぁあぁぁ!!!!」

3人は別の意味でいけると言うと・・・魔王は足を止め、3人に後で覚えていろと呟きながら再び前進し。

交戦中のせっちゃんを振り切って奥からやって来るホワイトオオカミの群れに魔王が飛び込み。

ハルトたちはせっちゃんと共に混戦中のオオカミとの戦闘を無事に終わらせると。

魔王の方も手こずることなく全てのオオカミを討伐したと言って合流すると。

3人に先ほどの件について問い詰めてきた。


「3人はまだ私のパイ包みにトラウマを感じているのか!?

本当にどうすればいいのだ!!!」

「いや、どうもこうもアレは絶対に忘れられない記憶になると思うぞ??色んな意味で。」

「うんうん・・・だってあの味は衝撃だったもの・・・・色んな意味で。」

「そうですよ!!あんなのを美味しいと言い張って食べさせておいて忘れる方がどうかしてますよ!!!

あの味は魔王味と言ってもいいですね・・・色んな意味で。」

「フゥ・・・フゥ・・・・みんなお疲れ。

で、魔王の話がどうとか言っていたようだったのだが。

なんの話をしているのか聞かせてはもらえないだろうか??」

外部のせっちゃんは話に入りたそうにハルトたちに内容を聞くと。

魔王は大きな声で聞こえないようにするがその行動も虚しく終わり。

せっちゃんが内容を把握すると、魔王の肩を優しく叩き。

死んだドジョウのような目でドンマイと言うと魔王は何とも言えない悲痛な叫びをあげて家に帰って行ってしまい。

ハルトたちは狼煙を上げてオオカミを回収してもらうと、せっちゃんはまた後日報酬を支払いに行くと言って解散し。

ハルトたちは魔王の事が心配になり家に戻ると・・・・


「ねぇ、あの布団の団子ってもしかして魔王??

ねぇそこにいるの??」

「げ、元気を出してくださいよ!!明日は私がアサシン流の夕食を振舞うので楽しみにして今日は寝ませんか??

寝れば少しは元気が出るかと・・・・」

「ここでいい・・・私はどうせマズイ物しか作れないダメな魔王なのだ・・・ちにたい・・・・」

「えっと・・・ここまで落ち込むとは思わなかった・・・

その、悪かった・・・この通りだ。

許してくれないか??メルトもキルりんも謝ってるしさ??」

ハルトたちは魔王に先ほどの件について謝罪すると、魔王は布団を装備したまま部屋に消えて行き。

ハルトたちは朝まで様子を見ることにして自分たちの部屋に戻って寝ると。

何事もなく次の日になり、朝から快調に魔王はハルトたちに挨拶をしてきており。

ハルトたちは魔王が気にしていないと思い、昨日のことを言おうとすると・・・・


「おっとっと・・・・手が滑った・・・すまないケガはないか??」

「お、おま・・・お前ェ!?寝ても全く回復してないだろ!!!

むしろ悪化してるぞ!!!」

「コレは昨日の件を言わない方が私たちの為ですね。

さぁて私は夕食の支度がありますのでさっそく取り掛かります!!」

「え?夕食でしょ??まだよ??キルりんは一体何を作る気なの??

それってモノよね??」

メルトは魔王をチラッと見ながらキルりんに尋ねるとキルりんは魔王のアレとは違うと否定してからちゃんと食べられると念を押して言うと。

キルりんはエプロンを装備して調理に取り掛かり・・・魔王は昨日から溜まっているモヤモヤを発散するためにハルトを外に連れて。

雪の中の稽古をすることとなった。


「で、どうして剣の稽古じゃなくて雪合戦をすることになったんだ??

それに街の子供たちまで呼び出したりして・・・・魔王、まさかとは思うが。

遊びたいだけじゃないのか??」

「そ、そんなことは・・・・ない・・・これは、ハルトの反射神経を鍛えるための稽古だ!!さぁ、子供たちよハルトに一斉射撃!!!!」

「わきゃきゃきゃ!!!!」

「えいえいえ~~~い」

「あうあうああぁ~あ!!!」

魔王の合図に子供たちと共にリザさんが雪玉を投げ始め。

ハルトは大量の雪玉に対して避ける事が出来ず・・・地面にめり込んでいた。


「どうだった??子供たちの雪玉もなかなか侮れないだろ??」

「いや、子供の雪玉って言うよりもさ??

リザさんの雪だるま投げが効いたんだが・・・・リザさん・・・雪だるまは禁止だ。

あと、子供たちよ・・・提案なんだが、あのサキュバスにも雪玉を投げてやらないか??投げてくれたらアメをやるぞ!!!」

「あめ!?いいよ!!!あのサキュバスに投げつけたらいいんだよね!!!」

「うぅあぁ~あぁ!!」

「あめのためにもサキュバスに投げちゃえ~~~」

ハルトは子供たちとリザさんをあめで買収すると。

魔王に対して雪玉攻撃を開始したが・・・・


「雪玉の件は別にいいのだが・・・・私の事をサキュバスと子供たちに広めているのはハルトか!?

そうだとしたらタダじゃ済まさないぞ!?おわッ!?リザさん!!雪だるまを投げるのは禁止なのだろ!」

「そ~れそれそれ!!!たんと俺の雪玉を味わいやがれ!!!さぁ、子供たちよこのハルト兄ちゃんについてこい!!!」

「おぉ~~~~ハルト兄ちゃんに続けぇ~~~」

「うあぁぁ~あ!!」

「サキュバスお姉ちゃんをやっつけろ~~~」

魔王は無邪気に雪玉を投げつける子供たちに手を出すことはできないでいたが。

ハルトには反撃ができると言って、ハルトにだけ雪玉を投げ返すが、ハルトに向かって投げると分かっていれば避ける事は可能とハルトはうまく雪玉を避けて魔王に雪玉を投げ返すと――――――――――


「ぶはッ!?や、やったなぁ!?この!!!

――――――――――ブリザード!!!」

「うわぁ~ハルト兄ちゃんが凍っちゃった~」

「これ知ってる~魔法って言うんでしょ?すごいね~サキュバスのお姉ちゃんは魔法を使えるんだね~」

「うあぁ~あ~~あぁ~~う」

「でもハルト兄ちゃん大丈夫かな??カチコチだよ??」

魔王はハルトの様子を見ると・・・少しやり過ぎたと魔法を解除すると。

ハルトはびしゃびしゃになって解放された。


「ガクガクガクガクガク・・・・・うぅぁぁざざざざ・・・ザムイ・・・・

ほ、ホラ・・・子供たちはコレで好きなお菓子を買うといい。

ちゃんと皆で分けるんだぞ??」

「ハ~イ!!!」

「いこいこ~~リザちゃんもいこ~~」

「うあぁ~あ~~~」

「ハルトは子供の扱いがうまいのだな。

その・・・魔法を使ってしまって悪かったな。

ホラ、肩を貸そう・・・すぐに家に戻ってお風呂に入らないと。」

ハルトは魔王の肩を借りて家に戻ると・・・すぐに湯船に入り体の冷えを取ってから上がった。

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