125日目 教会地下の異変??

朝から電撃を喰らって本格的に目覚めたハルトの騒動を聞きつけた魔王とキルりんがトイレ前のハルトを見ると。

大体何があったのかを察してハルトをソファーに運び、体の痺れが取れると・・・ハルトたちは朝食を食べに酒場へと向かい―――――――


「でさ、1つ気になっていたんだが。

昨日のガーゴイルの報酬はどうなったんだ??」

「え、えっとですね・・・・怒らずに聞いてくださいね??

その・・・全部メルトが食費に使っちゃいました。

主にロイヤルシュゴビーに―――――――」

「うむ、止めたのだが・・・少しくらいハメを外してもハルトならわかってくれるだろうと言って歯止めが利かなくなっていてな。

気が付くとメルトの飲んだロイヤルシュゴビーでスカンピンと言うわけだ。」

「だ、だって美味しかったんだもん!

それともこれくらいダメなわけ!?酒の1本や2本や・・・8本・・・」

メルトは最後の本数の際に目を合わせずに言うと・・・ハルトはメルトにグリグリをかまして罰し。

ため息をつきながら酒場で食事を済ませるとギルドに向かい、依頼を探していると・・・・・


「ねぇ?たまにはこっちの討伐や捕獲じゃない依頼を受けない??

モノによるけれど・・・コレなんてこの街の中で受けられる依頼よ!!」

「そうだな・・・たまにはこういった依頼もいいだろう。

だが、私はある程度の戦いがある依頼が好ましいものだ。

何せ・・・体が鈍ってしまうからな。」

「そうですね・・・私も暗殺の仕事をしていないので、いざ暗殺の依頼が入ればできるかどうか怪しいモノです。」

「キルりんたちの言いたいことは分かるが・・・

俺たちの食費とか雑費諸々を稼ぐ良い依頼なんてあんのかよ??

そういった街中の仕事ってのは大概やることはすごい癖に賃金が安いもんだろ??」

メルトはハルトの言葉にクックックと笑いながら1枚の依頼を見せてきた。


「そう言うと思って選んでおいてあげたわよ!!!

報酬が高くて街でできる依頼をね!!!」

「あん??どんな依頼なんだよ・・・逆に高すぎるのも内容が不安なんだが・・・・

えっと・・・の地下から変なうめき声が聞こえてきます。

原因を突き止め魔物の類であれば退治などの対処をお願いします・・・・

お前・・・この依頼者をちゃんと読んだか??」

「これは・・・ジャージーのいる教会の司祭だな。

それにあの教会に地下なんてあったのだな。」

「ですが、あの教会だからでしょうか・・・報酬金がそこそこ良いのが何とも言えませんね。

―――――――――で、この依頼は・・・どうします???」

依頼書を魔王たちと穴が開くほどよく読み・・・今回は討伐系の依頼なのかわからない教会地下の探索をジャージーの恩返しを含めて受けることにし。

ハルトたちは依頼書をもってジャージーの所に行くと――――――


「あ、ハルトさん!!それにみさなんも。

その依頼書を持ってこられたと言う事は・・・地下に向かわれるのですね。

具体的な内容でしたらまずは司祭様にお話を聞いてください。

その方がわかると思うので。」

「あぁ・・・わかった・・・

なぁ、この依頼書を見たときのジャージーの反応を見たか??少し変じゃないか??」

「ウム、あの元気が取り柄のジャージーが少し暗く見えたな。

それだけその地下には何かあると言う事なのだろうな。

私の勘だと魔物や害獣の類が出てくる可能性があると察知したぞ!!」

「魔王のやる気スイッチを少しの間だけオフにしてください。

魔王やハルトは死なないかもしれませんが私とメルトは命には限りがあるのですからね??」

「そうよ!!命の危険性があるのだったら止めよ止め!!!!

――――――ちょ、ちょっと聞いてんの!?」

メルトたちの言葉をスルーしながら司祭のいる部屋に入ると・・・

司祭はグースカと聖書を枕にして寝ており。

その姿を見たジャージーは・・・聖書を引き抜き司祭のこめかみに聖書の角を突き当てると・・・・


「何!?何事!?この痛みは悪魔が近くにいるのか!?

ん?で、出たな淫乱サキュバス!!!

私がコソコソと教会の子たちの着替えを見ている事を知っていて来たのだな!!!」

「だ、誰がサキュバスだ!!!私だ!!ハルトPTのアタッカーである魔王だ!!」

「まぁ、その話は置いといて・・・・この依頼の内容を聞きたいんだが。」

ハルトが依頼書を手渡すと、ハイネ司祭の表情が変わり。

煙草に火をつけて語り出した。


「この地下には・・・戦争の時に使っていた避難用の通路があるんだ。

だが、戦争が終わり。

その通路をある程度塞いで遺体安置室や供養所にしていたんだが・・・

最近、思い出の品だとか好きだったものだとかを置いていく者がいてな。

その中に紛れてこの教会を敵視する他の教会やこの国に恨みを持った連中が呪いの込められたアイテムを置いて行く場合があって・・・・

そのアイテムとか呪いがこんがらがって現状のように超危険なデンジャースポットになってんの。

だから、可愛い子たちには危険なことをさせられないし・・・代わりに見てくるなりその呪いのアイテムの破壊や放たれた悪魔かなんかがいたら退治して欲しいって事。」

「断るッ!!!んな危険な所に行ったら間違いなくキルりんとメルトが即死するだろ!!!

俺は構わないがこの2人の拒否反応を見てみろよ!!!」

「いやぁぁぁぁ!!!まだ死にたくないよぉォぉ~~~~

まだまだシュゴビーが飲み足りないのにぃぃぃ~~~」

「私はまだ育ち盛りなのです!!!だから私は辞退させていただきます!!!

ぐ・・・扉が開かない!?もしかしてジャージー!!!前にいるんでしょ!!!

開けてくださいよ!!!早く!!!」

「私は面白そうで行ってみたいのだが・・・・それに、呪いやそう言った類なら私の魔力が反応するだろうし危険はないと思うのだ。」

魔王の言葉を聞くと2人は相談し始め・・・それを見ていたハイネ司祭は聞こえるように独り言を言い始めた


「あ~あ~この依頼を受けてくれたならボーナスを付けて200万ゴールドとこのを付けようと思っていたんだけどなぁ・・・コレは違うハンターか勇敢な冒険者に任せるしか・・・」

「ハイネ司祭!!!その依頼!!私たちが請け負ったわ!!!確定よ確定!!!

これは間違いなくやるべき案件でしょ!!みんなが困ってる!!!それに教会の人たちの安全のためにも!!!私たちはこの地下へ行くべきよ!!!うん!!」

「その秘薬の特徴と効果的な部位と仕様容量に説明書一式はあるのでしょうか!?

あと、メーカーが記載されていると助かります!!!」

「お前ら・・・・簡単に買収されてんじゃねぇ!!!!!!!

もう少し考えろよ!!!これだけ用意するって言う事はそれだけ危険な任務に決まってんだろうが!!!」

「そうだな、だが私は単純に魂の安らぎの場である教会を汚すモノを何とかしてやりたいと思う。

世話になった恩返しもあるが、持論だが教会やこういった場所では争いがあってはならないのだ。」

魔王の真面目な発言の隙間からハイネ司祭はそっとハルトに近づき・・・1枚の写真を手渡してきた。


「ハルト・・・コレとあと数枚でどうだ??」

「これはッ!?ゴクリ・・・・・し、しかたねぇな・・・・こ、ここ今回だけはお前らに付き合ってやるかな!!!」

「ハルト??何を司祭から受け取ったのだ??」

「お金じゃないのなら興味はないわ!!!

ほら、さっさと案内しなさいよ!!!私たちがパパッと吹っ飛ばして終わらしてあげるわよ!!!」

「メルト、一応ここは神聖な教会ですから穏便に行きましょう。

壊せば弁償で報酬が無くなっちゃいますよ??」

キルりんの言葉にメルトは冷静になり・・・極力強い魔法を使う事をしないと誓うと。

ハイネ司祭はハルトたちを連れて地下へ続く扉の前まで誘導し。

ランタンと一定のアイテムを持たせてくれた。

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