124日目 スチールガーゴイル討伐依頼
メルトのちぎってきた依頼は・・・大型害獣の討伐で。
討伐目標は翼竜のスチールガーゴイル1体の討伐となっていたのだが。
ふとした疑問が頭の中をよぎった。
「この害獣は俺たちで何とかなる害獣なのか??
聞いた名前からして魔法とかそう言ったのが聞かない感じがするのは俺だけか??」
「毎度ハルトはいい読みをしているな。
そう・・・メルトの選んできたこのスチールガーゴイルは皮膚は名の通り鉄のように固く。
その皮膚はある程度の魔法ではビクともしないと言ったマジック耐性があるのだ。
だからメルトは使い物にならないが。
私たち3人で囮役と攻撃役を決めてやれば何とかなるな。
――――――――――少し危険だが。」
「あれ?おかしくない??選んできた私が頭数に入っていないのだけれど??
もしも~し私はここにいるんだけど??魔法が聞かないからって人数から省くのはどうかと思うわよ??ねぇ??聞いてる??」
「囮役か攻撃役か・・・その・・・聞いておきたいのですが。
二つの内どちらが最も危険ですか??」
キルりんの発言に魔王は・・・少し考え。
メルトとハルトは強制的に囮役になり・・・メルトはグダグダと文句を言いながらも依頼を受け。
パッと簡単に終わらせるつもりで依頼のガーゴイルが出るポイントに出向くと。
「ねぇ・・・あれじゃないかしら??いかにもガーゴイルですよって言う見た目の像があるわよ??」
「あぁ、あれがスチールガーゴイルだ。
攻撃されるか獲物が目の前を通るまで微動だにずエネルギーの消費を抑えているのが特徴だな。
あと・・・あのかぎ爪はどんなものでも貫き、切り裂くと言われているから気をつけた方がいい。
でないと・・・・あの細切れになっている像のようになってしまうぞ??」
「え、あれって・・・・そう言う作りじゃなかったのか・・・・」
「ですが、あの綺麗な切り口は人間がやろうと思ってできるようなものでは見えませんし・・・本当にあの爪に狙われない事を願います。
さぁ、ハルト!!あなたの働きに私たちは期待しています!!!
だから・・・囮役なんですから早く囮になって来てくださいよ!!!ホラホラ!!!可愛いガーゴイルちゃんでしゅよ~~~」
キルりんが子供をあやすようにハルトに語りかけると。
ハルトはこの囮役を今までで一番最悪な囮ではないかと考えつつ・・・ガーゴイルの前にやってくると。
ハルトは地面に転がっていた枝を拾い、ガーゴイルの顔をツンツンと突くと・・・・
「ハルト!!!逃げろ!!!爪で引き裂かれるぞ!!!」
「なにぃッ!?おわっと!!!!!あぶねぇ・・・・
そんじゃ、あの屋根のある所まで逃げるから後は頼んだぞ!!!」
と、ハルトはガーゴイルを背に引き連れながら走り出し・・・・屋根のある場所を目指していた。
そして、ガーゴイルに見つからないように魔王たちは先回りして待ち伏せ・・・・ハルトがゼェゼェと息を切らしつつ屋根のある建物に入ると、ガーゴイルも一緒に飛び込み・・・ハルトが切り裂かれそうになったところ、魔王はハルトたちの入った建物の屋根を崩し。
2人を生き埋めにしたのだが・・・
「ぶはッ!?ふぅふぅ・・・・こんな作戦・・・不死者の俺じゃなかったらできないだろ!?
何で俺ごと生き埋めにするんだよ!?本当にメチャクチャすぎだろ!!!」
「うわぁ・・・私が囮役じゃなくて良かったァ~こんなのフツー死んじゃうっての・・・」
「さぁ、これからは私と魔王のターンです!!!
翼が使えなくなったガーゴイル!!!覚悟です!!!」
「だが、安心だけはするんじゃないぞ・・・ガーゴイルにはまだ爪があるからな。
あと・・・ハルトはそこで少し休んでいろ。
あとは私とキルりんで何とかする。」
そう言ってもらわないと困ると言った表情でハルトは瓦礫から体を出して伸びていると。
翼がボロボロになったガーゴイルは魔王とキルりんと戦い・・・最後は魔王の一撃によって倒された。
「ふぅ、今日も何とか依頼完了だな!!!」
「あぁ・・・俺は瓦礫の下敷きで身も心もボロボロ・・・キルりんはガーゴイルの攻撃を回避しかしていないし。
メルトに限ってはただの通行人のフリをして見ているだけって言う・・・」
「何よ!!!勝手に私だけ仲間外れにしておいてよくそんなことが言えたわね!!!
それにアンタを瓦礫から助けだしてあげたのは私でしょうが!!!
少しくらい私に感謝をしてもいいんじゃないかしらね!?
その辺2人はどう思う??」
「そうですね、感謝をするかどうかはハルト次第ですが。
助けてあげたことを大きく語るのは格好が悪くないですか??」
キルりんの言葉にメルトはぐうの音も出せないまま頬を膨らませながらスネ。
そのままメルトを放置し、運送屋にガーゴイルを引き渡す際・・・・・
「ハルト!!!メルトの方にガーゴイルが向かった!!!
どうにかしてヤツを止めてくれ!!!このままだとメルトが危ない!!!」
「えぇぇえぇぇぇ!?コレどうすればいいのよ!?魔法効かないんでしょ!!!
もぉ~~~誰でもいいから助けなさいよ!!!
あぁぁぁ・・・ハルトォォォォォ!!!!」
「クソッ!!!間に合いやがれ!!!!」
ハルトは暗一発の所でメルトを突き飛ばすことができたのだが――――――――
「アイタタタタ・・・・ナイスお手柄よハルト!!!」
「んな、ことはいいから早くガーゴイルから俺を助けてくれねぇか??
潰されて身動き取れないんだが・・・・」
「だが、その前に次にガーゴイルが暴れたりしないように魔法で呪いをかけておこう。」
「もう少しだけの辛抱ですよハルト・・・ですが、見事に下半身だけ潰されていますね。
それにハルトがいなければメルトは今頃あの世だったでしょうし――――――」
キルりんは虚ろな目で天を見ると・・・メルトはハルトの頭をチョンチョンと突くように撫でながら「ありがとう」と呟くが。
ハルトはさすがに何分もの間、ガーゴイルの重量を耐えることができず気絶していた。
そして、ハルトが次に目を覚ますと・・・ハルトは自分の部屋で。
その前にはよだれを垂れ流しながらいびきをかいて寝ているメルトの姿があった。
「ぐがぁ・・・・くけぇ・・・・グガァァァ・・・・スピーーーーー
ぐがぁぁ・・・・ずごぉぉ・・・・・」
「ウッセェ・・・・キルりんのヤツ・・・メルトのいびきが煩くてここに追いやったのか??
そうだったら目にモノを見せて・・・・ん?何だこれ???」
ハルトは皿があることに気付くと・・・そこにはいびつな形をしたおにぎりがあり。
手紙が一緒に付け添えられており、魔法で照らして読んでみると・・・・
「ん?お腹が空いたらコレを食べてだ?
メルトのヤツ・・・こういう時だけ気が利くんだよなぁ・・・・ガブ・・・
ぶはぁぁ!?なんじゃこのおにぎり!!!塩辛い!!!」
「うひゃひゃ・・・ちょっと・・・握りすぎちゃったみたひ・・・・すぴーーーーーぐがぁぁぁ――――――――――」
ハルトはご飯が勿体ない、メルトの為ではないと言いつつ全部食べ切り。
ひとこと、ごちそうさんと言って眠りについた。
そして、翌朝・・・・朝ハルトが目覚めて起きると。
ベッドにはよだれの跡はあったのだが、それを残した張本人であるメルトの姿はなく。
トイレに向かうと・・・・・
「ねぇ、コレはどういう嫌がらせかしら???
付きっきりで看病してあげた恩返しがこれなワケ??
へぇ、ハルト・・・覚悟はいいかしら??」
「おい、ちょっと待て・・・鍵をかけてないお前が悪いだ――――――
いぎゃぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」
ハルトはメルトの放つ雷魔法に射貫かれ、体中から電気を発しながらピクピクと倒れていた。
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