118日目 2つ目の依頼は巨大なG??

それからジャージーと別れ、酔いつぶれて眠ってしまったメルトをキルりんと共に引きずりながら家の戻ると。

明日から依頼を再開するとハルトが言うが・・・キルりんはメルトのお守りで疲れており、返事を返さず部屋にメルトを引きずりながら消えて行き。

魔王はハルトにぎゅっと抱き着き、感謝の言葉を述べてから部屋に戻って行った。


「・・・・・ま、これで魔王の機嫌がよくなったと考えたら安いもんだな。」

と、ハルトはドラゴンのぬいぐるみ代と酒場で奢ったジャージーのカクテル代の掛かれた領収書を握ってポケットに突っ込むと。

ハルトもあくびをかきながら部屋に消え・・・時間が過ぎて行った。


そして翌日・・・・ハルトたちは朝食を済ませた後。

いつものように依頼を受け目標を探して周辺を歩いていた。


「で、今回のターゲットはビッグフライとか言う害獣らしいが・・・・

どんなヤツなんだ???」

「そうだな・・・ん~夏にうるさく木にとまって鳴いているいるだろ?アレだ。」

「そうそう・・・ブンブンと羽を羽ばたかせる音に鋭いストロー上の口を付けた昆虫型の害獣で。

そのストローはどんな堅いモノだろうと貫き・・・栄養を吸い取ると言います。

この依頼が来るまでにその害獣は牛3頭羊2頭人3人ネコ1匹を食い散らかしたそうです。」

「結構やられちゃってんのね・・・つまり危険なんじゃないの??

何か急に怖くなってきちゃったんだけど・・・・続ける?それとも――――――」

メルトが何かを言おうとした瞬間、魔王とキルりんは同時にメルトの口を塞ぐと・・・・言っていた羽音のようなものが近くから聞こえ。

例の害獣が空から奇襲をかけてきた。


「うわ、デケェ!!!こんながこの世界にはいんのか!?」

「デカいだけじゃない・・・このビッグフライはすごく素早いから連携して追い込まないと厄介だ。

それじゃ、さっきの作戦通りに行動だ!!!」

「気が進まないですが仕方ないです・・・・さぁ!!!ビッグフライ!!!いや、デカハムシ!!!こっちですよ!!!

―――――――――それッ!!!」

「全然聞いてないじゃない!!!

作戦って言う事は・・・私の役目は魔法で撹乱ね!!!

いいわ!!!久々にやってやろうじゃないの!!!

――――――――――貫け!!!ファイヤーアロー!!!!」

メルトは魔法を放つとビッグフライは俊敏な動きで魔法を回避し・・・狙うのに適した体系と判断したキルりんに狙いを定めて飛び回り。

キルりんが逃げていると・・・・


「よし、キルりんそのまままっすぐ行って誘い込んでくれ!!!」

「わ、わかりました!!!!うわぁぁぁぁ思っていたよりもこのデカイハムシが早いです!!!!あとすすすすすす・・・・少し!!!はい、今です!!!!」

キルりんが大胆にスライディングして罠のあるポイントに移動し・・・ビッグフライがキルりんを狙って飛びつこうとした時と同時に魔王がロープを切ると。

仕掛けていた巨大なネバネバのついた板がビッグフライを捕まえ・・・身動きが取れなくなっていた。


「はぁはぁ・・・・秋だと言ってもこれだけ走れば汗もかくと思うじゃないですか??

この滴る汗は運動をしたせいではなく・・・身の危険を感じて出ている汗ですよ・・・・本当に今回はやられるんじゃないかとヒヤヒヤしました。」

「実にい走りだった。

それにしても・・・私の作戦もなかなかのものだと思わないか?」

「そうだな・・・まるでハエとり紙で虫を捕まえた感じだが。

まともに戦える相手でもないしこの依頼は魔王のお手柄だな。」

「そうは言うけど私も働いたんだからちゃんと報酬を分けてよね!?

今夜のシュゴビー代も少し危ないんだから!!!」

と、メルトはビッグフライの体を棒でツンツンと突きながら語り。

キルりんが狼煙を上げて回収してもらうと・・・報酬はいつものように皆で分配する形になり。

ギルドに戻り・・・報酬を受け取ると。

早く完了したこともあり・・・ハルトたちは2つ目の依頼を受け。

2度目の依頼場所に移動していた。


「はぁはぁ・・・さっきので結構体力使っちまったから・・・移動するのも少し大変だな。」

「ならば・・・私がおぶってやろうか??」

「え!?おぶってくれるの!?私ちょうど疲れてたのよね~~~あれ?おぶってくれないの!?」

「だってメルトはこんなにぴんぴんしているじゃないですか!!

それに引き換えハルトを見てくださいよ・・・生まれたての小鹿のようにプルプルしていますからね。

あそこまで行けば魔王の極楽シートにおぶってもらえる権利を与えられるのですよ。」

と、魔王におぶってもらえる条件をキルりんが話していると・・・2つ目の依頼のターゲットである。

ブラックGが姿を現したのだが・・・疲れていたハルトは目をこすりながら見直し・・・魔王たちにGについて尋ねた。


「オイ・・・あれって俺の見間違いじゃなかったらアレだよな??

トイレとか変な隙間にいる黒い・・・ゴ・・・・」

「は~い、ストップですよ!!!

それ以上はピ~~~ってなっちゃいますので・・・アレはGとお呼びください。

ですが、私もアレを自分のナイフで攻撃するのは気持ち悪くて手が出せないのでどちらかに頼めませんか??

ちなみに私はあのみょんみょん動くとワシャワシャ動くが気持ち悪いと感じます。」

「そうなのか??私は特に感じないが・・・・ただの黒いゴキ・・・もごもご・・・わかった。

Gは私が何とかしよう・・・・ん?Gはどこにいった??」

「みんな~早くこっちに来なさいよ~~~いいのができたわよ~~~」

とメルトは何かをおり・・・ハルトたちにブニブニ動く肉のような物を渡してメルトは美味しいと言いながらを食べていた。


「なぁメルト??・・・1つ聞くが・・・これって・・・まさか・・・G肉??」

「あったりまえじゃないの・・・どうしたの??2人とも・・・・私が他に肉とか食材を隠し持っていると思ったわけ??

そんなわけないじゃない・・・いい??このGはね?体力が付くし肉も美味しいの。

動いている時の見た目はグロいかもしれないけど味は格別よ?

私が保証するから食べて見なさいよ!!」

「あぁぁぁぁ・・・・うわぁぁぁぁ!!!魔王!!!にパスします!!!

私は絶っっっっ対に無理です!!!

これを食べるくらいなら死んだ方がマシです!!!」

「キルりん・・・そこまで拒否しなくてもいいんじゃないのか?

実際に食べてみないとわからない事もあると思うから・・・・私は・・・食べてみようかな??ん?どうしたハルト???あ!どうして取り上げるのだ!!!返してくれ~~~」

魔王が食べようとしたG肉をメルトに返し・・・辺りをキョロキョロとGの本体を探すと。

近くの岩陰にメルトの魔法で射貫かれたGが転がっており・・・キルりんに狼煙を上げるように伝えると・・・メルトがG肉を焼いている焚火の中に狼煙のキットを丸ごと捻じ込み・・・運送屋に回収してもらうと。

まだ食べたりなかったと言いながらメルトは運ばれていくGを見つめていた。


「よ、よし・・・今回の依頼はちょっとハードだったが無事にクリアしたし。

戻って報酬をもらうとするか。」

「そうですね・・・今回の依頼は見てはいけないものが多かったような気がします。

まさかメルトがG肉を食べられる人間だったとは・・・少し引きます。」

「えぇ!?美味しいから別にいいじゃない!!!

見た目がグロくて動きがちょっとアレで・・・飛び掛かってくるくらいじゃない。

私がここに来るまでは良く捕まえては食べていたのよ??」

「あれを捕まえては非常食にしていたのか・・・・メルトがG並みに生存率が高いと言うわけが良く分かった。

でも、私が言うのもなんだが・・・もう少し女の子らしい食べ物を食べてもいいんじゃないのか??

さすがにGを捕まえて食べると言う絵は想像したくないものだ。」

ハルトとキルりんも魔王の言葉に同意してウンウンと頷くと。

母から教わったことと語ると・・・それ以上の言葉が出ず。

メルトにGに繋がる話をしないようにと3人は約束してギルドに戻って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る