111日目 魔王の稽古プラン?
ハルトたちはぬめぬめのままギルドで報酬を受け取ってから家に戻ると。
真っ先にお風呂の取り合いとなり・・・じゃんけんの結果、女子組が先に入り。
数分後・・・風呂から上がって来ると、ハルトは一目散に風呂に入ってぬるぬるべとべとを完全に落として湯につかって和んでいると。
脱衣所の方から魔王の声が聞こえ―――――――――
「ハルトの服もべっとべとのぎとぎっとんになっているから一緒に洗っておこうか??」
「あぁ・・・助かる――――――」
ハルトは魔王の厚意に甘えることにして、洗濯を頼むと・・・・
何分待っても戻ってこず・・・ハルトはバスローブを着て魔王たちを探しに表に出てみると――――――――――
「おい、お前ら・・・いつまで洗濯してんだ??
早く乾かして持って来いよ・・・風邪を引いたらどうすんだ??」
「ワザとじゃないのよ??えっと・・・その・・・ハルトのパンツだけ・・・こんなことになっちゃった・・・てへ?」
「コレはコレでハルトの勝負下着でアリなんじゃないでしょうか??」
「だが・・・この穴の開き方は問題だ・・・
メルトが高速で乾かすと言って炎魔法で炙ったのはいいが。
ハルトの下着だけ念入りにし過ぎたのがまずかったのか・・・こう言う事になってしまった。
本当にすまない・・・・代わりに私の下着を・・・・」
ハルトはメルトから大きく穴の空いた自分のパンツを受け取ると・・・メルトに直すことが出来たら怒らないと真顔で尋ねると。
再生の魔法は体力を普段使っている魔法より多くの魔力を必要とすることから使いたくないと拒否し・・・ハルトは何かが切れる音とともにメルトの脳天にグリグリをかまして部屋に戻り、服を着替えて出てくるとメルトは未だに泣いて叫んでいた。
「私が悪いんじゃないのにぃ~~~一生懸命に乾かそうとして燃えちゃっただけなのに~~うわぁぁぁん・・・・」
「いや、燃えちまったら意味ないだろ!!!
もう少し火力を考えて乾かせよな!!!
んじゃ、ホラ・・・酒場に行くぞ。
これ以上ここで鳴いてたら近所迷惑だし・・・またメルトに変なレッテルが付くのは嫌だろ??」
「そうですね・・・ヘタをすれば私たちにも変な二つ名がついてしまうかもしれませんからね。
早く酒場へ向かいましょう!!」
「それがいい・・・メルトの鳴き声と暴行されたと叫んだ結果から見回り組が近づいてきているようだ。
早くここから移動しないとハルトが大変な事になってしまう。」
ハルトはゾっとしながら泣き続けるメルトの腕を引っ張って走り出すと・・・魔王たちもハルトたちの後を追うように走り。
酒場に走り込んで入店した。
「えっぐ・・・う、うえぇ!!!
うぅぅぅ・・・・ひ、ひっぐ・・・」
「よし、何とか警備のヤツらから逃げられたな。
さて・・・メシでも食べるか。」
ハルトたちはドアのスキ間から誰も追ってこない事を確認すると、空いている席に座り。
料理を頼んで食べていると、酒場へ土で泥んこになったせっちゃんがやってきた。
「うッ・・・せっちゃん・・・どうしたんだ??
そんなに泥まみれで・・・」
「い、いや・・・その・・・田畑に現れた巨大ドジョウとの戦闘中にドロで足を滑らせた結果・・・ドジョウに丸のみにされてこのザマなんだ。
何とか腹を掻っ捌いて出てこられたからいいモノ・・・・お腹が空き過ぎて先に食事に来たんだけど、ダメだったかな??」
「そうですね、衛生上お風呂に入ることを勧めしますが・・・せっちゃんの性質からお腹が空いたら動けなくなることを考えると仕方ないと言えば仕方ないのですが・・・・あと、頭についている泥から草が生えていますよ??」
「今日はどこのパーティーも丸呑みにされる日のようだな。
こちらも私以外全員マイマイに丸のみにされてな。
ちなみに泥まみれではなく粘液まみれだな。」
キルりんに言われて頭の草付きの泥を取ると・・・せっちゃんは3人を見てゴクリと唾をのみ。
過激な想像をしたのか顔を赤く染めて酒場から出て行ってしまった。
「なんなの?せっちゃんってばお行儀悪いわね~~モグモグ・・・・
すみませ~んシュゴビー1杯よろしく~」
「お前は意外と立ち直り早いよな・・・
まぁ、泣きっぱなしより全然いいケド・・・次燃やしたらグーだかんな?」
「耳を塞いで聞こえないふりをしていますね。
これは次も燃やす可能性がありますね。」
「そうだな・・・あと、せっちゃんは大丈夫なのか心配だ。
お腹が空いていたと言っていたが・・・大丈夫なのだろうか??」
魔王たちはせっちゃんが道端で倒れていないか気になり・・・食事を終えるとせっちゃんの泊まっている宿近くまで見回り・・・歩いていると――――――
「うぅぅぅ~~~ダレカ~~~タスケテはもらえないだろうかぁ~~~
うぅぅ・・・・こうなるのだったら我慢していればよかった――――――」
「その声は・・・せっちゃんか???」
ハルトは茂みの方から声が聞こえたと思い・・・茂みをかき分けて見ると。
そこには動けなくなっていたせっちゃんが目をぐるぐる回して倒れており。
ハルトたちは慌てて救助して酒場へ連れて行き。
食事をとらせると・・・どうしてあの状況になったのかを話してくれた。
「走って宿に戻っていたら限界がきて・・・・茂みに倒れ込んじゃったワケで。
今回も助けてもらって本当にかたじけない。
このご恩は――――――――――」
「いや、元はと言えばこちらが悪い感じっぽいし。
気にしないでくれ。
そんじゃ、俺たちはお先に家に戻るからせっちゃんも気をつけて帰るんだぞ?」
ハルトたちはせっちゃんと別れて家に戻ると・・・ハルトは魔王に呼びつけられ。
明日の朝も剣の稽古だと言われ。
ハルトは適当に挨拶をしながら部屋に戻って眠りについた。
翌朝・・・・鳥の声と太陽の日差しではなく・・・何かが体を揺する動きに目が覚めたハルトは目をキョロキョロして誰が揺すっているのか探すと。
やはりと言うべきか、稽古をつけてやるとヤル気満々の魔王がハルトを揺すっていた。
「おい、ハルト~~起きろ~~朝だぞ~~~稽古の時間だぞ~~~
まったく・・・昨日はすぐに眠りについたと思えばハルトの部屋の方からベッドが軋むような音が聞こえ・・・もごもごもご!?!?
ぶはッ!?ハルトッ!!!やっぱり起きていたんじゃないか!!!
狸寝入りとは良い根性だ!!!今日の稽古は特別コース決定だ!!」
「くッ・・・俺としたことが・・・魔王の口車に乗せられてついつい手が出ちまったな・・・・
わ~ったよ・・・稽古するから外で待っててくれないか??」
ハルトは魔王に稽古を受けると言うと・・・魔王は目をキラキラさせながらハルトの部屋から出て行き。
外からは魔王のウォーミングアップする声が聞こえ・・・朝からハードなイベントが始まったと嫌な顔をしながら外に出ると。
魔王はハルトを呼び・・・稽古の内容を発表した。
「今回の稽古はこの重り上げだ!!!」
「は?こんなズドンって音のした重りが俺に持ち上がるわけないだろ!!!
いきなりハード過ぎんだろ!?帰る・・・・部屋に戻って二度寝だ・・・・
おい、放せ!!!足につかみかかるな!!魔王はメルトかよ!?」
ハルトの言葉に「私は魔王だ・・・メルトと一緒にしないでくれ」とキリッとした顔で言い返され・・・ハルトは言葉では通用しないのならとさらに強く魔王を振りほどこうと揺らしていると―――――――
「ハルト!?何がいけないんだ!?私はハルトのために一生懸命考えてプランを考えたんだぞ!!!」
「あん?プランだ???俺の体を潰すプランか??それとも奴隷にするプランか??」
ハルトは魔王にどういったプランなのか例を上げて聞くと・・・魔王はさらに力を入れてハルトをその場に固定していた―――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます