110日目 マイマイの粘液地獄

ハルトの顔を踏み踏みした仕返しを受けたメルトは・・・座り込みながら泣きだし。

キルりんがいつものようにメルトのご機嫌取りに行き・・・その間、ハルトは魔王にメルトにもう少しだけ優しくはできないかと尋ねてきた。


「いや、ありゃどう見たってメルトが悪いだろ・・・・

俺はお前たちが相手になったとしてもこの意見は帰るつもりはない!!!」

「いや、確かにあのメルトの行為はダメだった・・・だが・・・最終的にメルトを泣くまでグリグリを決めて泣かせたのはハルトだ・・・

手を上げるのは良くないと言いたいだけでな。」

「そうですよ?女性には優しく!!男にはを!!というのが世の中の常識ですよ??」

「うわぁぁぁぁ~~~ん・・・もぉ~いつもいつも泣かされたばっかよぉぉ~~~こんなにされるまで私が何をしたって言うのよぉぉぉぉ~~~~うわぁぁぁん。」

メルトは自分が何もしていない風に言いだし・・・ハルトはメルトの額をツンツンしながら先ほど自分にした行為を一部始終話すと、メルトは自分のスカートの中を覗いたからと言い返すが・・・・・


「あの立ち位置からみて・・・メルトがスカートの中をハルトに見せているようにしか見えませんでしたよ?

で、メルトの色は何色だったのですか?」

「あれはフリフリのついただったな・・・・アツァ!?

バカ!!俺と家を燃やす気か!?それにお前の下着の色を聞いて誰が喜ぶってんだ??

お前、自分の色気のなさに気が付いてない口か?」

「それもそれで言い過ぎだ・・・色気が無いのは仕方ないとして。

そんなキツイことをストレートに言えば・・・・ホラ、また泣き出してしまった・・・・」

メルトは泣き止んだと思いきや、ハルトの発言に再び心のダムが壊され・・・座り込みながら泣きじゃくっていた。


「まぁまぁメルトもそろそろ泣き止んでくださいよ。

それに昼と言うことですし昼食をとってその後に依頼に行きませんか?」

「そ、それがいい!!メルトの大好きなお昼のランチが酒場に待っているぞ!!

だから・・・泣き止んでくれないか??」

「うぅぅぅ・・・ヒック・・・・うん・・・バカハルトの事は許さないケド・・・2人にそこまで言われたら・・・・いく・・・・グスン・・・」

「そうと決まれば酒場に向かうか・・・早くしねぇとせっちゃんに依頼を取られるかもしれないしな。」

話がまとまり、ハルトたちはやっと泣き止んだメルトを連れて酒場で昼食をとると、ギルドで依頼を受け・・・害獣の現れるポイントにやってきた。


「こんなのどかな草原に害獣が出るのですか・・・・本当に世間は狭いですねぇ・・・で、あれが依頼の害獣ですか??」

「あぁ、今回の目標はあのだ。

甲殻は硬く触手で相手を捕えて丸呑みにするそこそこ危険なカタツムリのような害獣だが・・・・一部の街や村では見た目が可愛いとかでグッズにもなっているらしい。」

「へぇ~~アレがねぇ~~~~

で、メルトぉ~~~か???

1人でやるって言って飛び出しといて・・・その状況はマズくないか??

パンツとか丸見えだぞ??」

「んな今さらパンツの一枚や二枚見られてもいいから早く助けなさいよッ!?

ぎゃぁぁぁ!!!食べられる奴よこれ!?口がグパァッって開いてるわ!!!

早く!!!誰か早く助けてッ!!!!ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

メルトはカタツムリの口にガッツリ飲み込まれ・・・・その光景を見た魔王は素早くカタツムリからメルトを救出したのだが――――――――


「ねぇ・・・何か言いたいことはないのかしら??

こんなねちょねちょのねばねば・・・・どうしてくれんの??ねぇ??お嫁にいけない体になっちゃったじゃないの・・・・」

「誰がお前を嫁に欲しがるバカ好きがいるんだよ・・・・笑わせるのも大概にしろよ??

でも、まぁ・・・メルトが身を犠牲にしてくれたおかげで1体は倒せたんだ。

後2体・・・・そのうちの1体は俺が貰うぜ!!!

魔王から習った剣術を見せてやんぜ!!!おらぁぁぁぁ!!!」

「確かあのオバケカタツムリ・・・並の剣や打撃では効果がないのでは??」

キルりんの発言が飛び出したハルトの耳に届く頃にはすでに遅く・・・・ハルト渾身の一撃がカタツムリにヒットするが効果はなく。

メルトと同様に触手に捕まり、丸呑みにされていた。


「おぼぼぼぼぼ・・・・・・」

「ハルト!?今、助けてやるから待っていろ!!!」

「と、まぁ・・・いつも通りですね。

私はこの秘伝の特性害獣撃退ソルトで・・・・エイヤッ!!!どうだ!!!カタツムリもナメクジの家系・・・つまり!!!この特性ソルトで一撃蒸発!!!

ん?アレ???全然効いて無くありません??ぶぱッ!?」

キルりんはハルトたちとは違う方のマイマイに塩で撃退しようと塩を撒くが効果はなく・・・キルりんもハルトと同様にぱっくりいかれていた。


「ぜぇ・・・ぜぇ・・・・マジでどろんどろんになっちまった・・・助かったぜ・・・魔王・・・・ん?あれ・・・あの手って・・・まさか・・・キルりん!?

おいメルト!!!そこでいつまで滴るドロドロな粘液で遊んでんだ!!!

そこにいるマイマイにお前の魔法を手加減して食らわせてやれ!!!」

「ドロンドロン・・・・ふふふ・・・どうせ私なんて・・・嫁にも行けないし社会から必要とされてないごみな存在よね・・・・ふふふ・・・・」

「ダメだ・・・メルトはハルトの言葉で心が死んでしまっているぞ!!!

それに早くしないとキルりんがマイマイに溶かされてしまう!」

「んぼぼぼぼぼぼ・・・・・早くダズゲテ~~~~ヌボボボボボ・・・・」

と、マイマイの中からキルりんの声が聞こえている間にハルトは目が死んでしまっているメルトに頭を下げつつ嫌な顔をしながらさっきの言葉を取り消すと言って謝ると――――――――


「さっきの事は悪かったから・・・・キルりんを助けると思ってマイマイをやっつけてくれねぇか??酒場でシュゴビー奢るからさ??な??」

「ったく~~~しょうがないわねぇ!!!

本当に今回だけよ???全く・・・ハルトはどうしようもないクズ使い魔なんだからぁ~~~

――――――――――アイスニードル!!!!」

「あ・・・・・マイマイの動きは止まったが・・・キルりんの動きも止まったな・・・・キルりん??大丈夫・・・か??」

「・・・・・・・・・・・・・えぇ・・・何とか・・・・あと数ミリズレていましたらでした。」

キルりんをマイマイの口の中から引きずり出すと・・・メルトを押し倒し、マイマイに攻撃するにしても他の魔法もあっただろうと問い詰めていた。


「でも・・・何とか依頼のマイマイを倒せたな。

どうしてこの依頼を誰も受けないのかっていう理由もわかったが・・・・」

「その理由は何なのだ??

マイマイの見た目が可愛すぎて攻撃できないからと言う事か??

私は特別アレが可愛いとも何とも思わなかったのだが・・・・」

「それじゃないお思いますよ??

ハルトが言いたいのは・・・・きっとこのぬめぬめになるのをの嫌がって依頼を受けないと言いたいのでしょう。

私もマイマイに捕食されてわかりましたが・・・・このぬめぬめは最悪な気分です。」

「本当よ!誰も私が触手に捕まっているところを助けに来てくれないし・・・・ハルトにパンツまでじっくり見られたし・・・本当に最悪よ!!!サイアク!!!」

メルトはマイマイをげしげし蹴りつけながら怒りを発散していると、キルりんの呼び出した運送屋にマイマイを回収され、運ばれていくのを見送るとハルトたちはぬめぬめした体が冷えて風邪をひく前に家に戻ることにした―――――――――

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