105日目 名刀、刻魅刀空刺・・・
家に戻ると・・・女子4人で風呂に入ると言って消えると。
大きな声で風呂場からキルりんの声が聞こえてきた―――――――――――
「何なのですかこの風船は!?
これが剣士のぶら下げているモノとは思えません・・・・世の中不公平です!!」
「私はいくら食べても太らない代わりにコレが大きくなってきてしまってツライのだ。
と、言うよりも・・・キルりんは本当に女の子だったのか・・・・本当に失礼した。」
「いいわよ、いつものことだから。
だけど・・・せっちゃんはプロ―ポーション抜群ね。
剣士にしておくのが勿体ないくらいよ?」
「ウム・・・どこかの国の姫と言ったところか。
それに剣の腕も立つ・・・本当に流浪の剣士か疑うべきくらいにな。
あと、1つ問題が・・・誰のパジャマを着て寝るかだが―――――」
風呂場からの話を聞かずにしようとクッションに顔を埋めながら聞き耳を立てると。
誰のパジャマを着るのかが決まったのか・・・4人が出てくると――――――
「ハルトってばせっちゃんのパツンパツンパジャマを見過ぎじゃない??
その目をくりぬいてあげようかしら??
それとも魔法でエグっちゃう??」
「いえ、私のナイフで切り捨てましょう・・・なんだか私を妙にチラチラ見ながら比べているように見えて我慢なりません。」
「私のパジャマを貸すことになったのだが・・・どうだ??
――――――――――どこか苦しかったりしないか?」
「いや、寝間着まで貸してもらっておいて文句はいない・・・それにしても本当に至れり尽くせりとはよく言ったモノだ。
この貸してもらった寝間着も私の村よりいいものだし・・・ちと食事を食べ過ぎたのかお腹が苦しいかもしれないが・・・文句は言えまい。
さぁ・・・やることはやった事だし明日のために私は寝たいと思うのだけど・・・ハルトはどうして私を見ている??何かおかしなトコがあるのか?」
「い、いや!?べ、べべべ別にみて何かねぇーし!?
ただ・・・虫が飛んでたのを観察してただけだし??」
ハルトの同様にメルトたちはヒソヒソと話し合いながらハルトにせっちゃんの胸をガン見していたというと。
ハルトは強く言い返して部屋に入ると・・・せっちゃんたちもあくびをかきながら寝床につき、夜が過ぎて行った。
そして翌朝・・・朝から早起きなせっちゃんに起こされ。
身支度を済ませて酒場で朝食をとると、せっちゃんと協力して宿代と今後の食費等の賃金を稼ぐために高額な依頼を受けて害獣の出現するポイントに移動すると。
早速、巨大な恐竜のようにも見える害獣が現れた。
「俺・・・あんな恐竜はゲームの中でしか見たことがないんだが・・・・
あれって捕獲とかできるのか??
それとも・・・剥ぎ取り??」
「捕獲はできないだろうな・・・あのバルカザウルスは頭がよく。
ずる賢いのだ・・・それに・・・すごい攻撃力を持った凶悪な暴れん坊でな。
いつも怒っている厄介な恐竜だ。」
「なるほどなるほど・・・あのような恐竜が相手と言うのであれば私は前衛には出られませんね!!
忍びは影から攻撃するモノ・・・ドロンです!!!はい!!!」
「あ!!キルりんが敵前逃亡したわよ!?
あ~もぅ・・・囮役が足りないから魔法が撃てないじゃい!!!!」
と、メルトがあたふたしていると・・・魔王が剣を抜くと同時に、せっちゃんも剣を抜き始めた。
「せっちゃんは下がっていてもいい・・・この恐竜は凶悪で・・・とても強い!!」
「このような大きな獲物は1人では分が悪い思う・・・だから、微力ながら私もこの
「何だって?きざみ唐辛子??俺の聞き間違いか?」
「私もそう聞こえたけど・・・そうだとしたらあの刀の名前のセンスはどこかダメね。」
2人はせっちゃんの刀の名について話していると・・・バルカザウルスは巨体を使ってタックルを繰り出し・・・木々を薙ぎ倒して突っ込んでいた。
「よし、せっちゃん!!
私はヤツを惹き付けるから・・・せっちゃんがトドメを刺してくれ!!」
「了解です!!魔王!!!
さぁ・・・私の剣技を見せましょうぞ!!!」
「何だか気合だけは十分って感じだけど・・・私は後方から魔法のチャージを・・・」
「いや、俺たちは逃げるぞ・・・こういう恐竜系との戦いは巻き添えを喰らう可能性が目に見えてる。
俺はともかくお前とキルりんは攻撃されたら終わりだろ?
自分の命が惜しけりゃ――――――――
って、おい・・・逃げるの早くないか・・・・・」
ハルトは話を終える前に逃げ出すメルトを目で追っていると・・・魔王の忠告と同時に振り替えると。
バルカザウルスの踏みつけがハルトを襲った――――――――――
「遅かったか・・・だが、安心してくれせっちゃん!!
ハルトはきっと大丈夫だ!!!」
「な、何を悠長な!ハルトがあの巨大トカゲの足に潰されたんだ・・・すでに即死の領域・・・ハルトの仇を私が取ろう!!!
―――――――――ハァッ!!!!」
せっちゃんはハルトが踏みつぶされた個所からハルトの手が飛び出す有様を見ながら剣を構え、バルカザウルスの首を刎ね・・・・ハルトの仇をとったのだが・・・
「これでハルトも安心してあの世に行けるだろう。
少ししか話しができなかったけど・・・愉快な人を失った―――――」
「誰が死んだって??
ウゲェ・・・・なぁ・・魔王はいつもギリギリまで忠告が遅い気がするんだが・・・・俺の気のせいか??」
「いや、アレはだな・・・先頭に夢中でハルトの事を忘れてたと言うか・・・
潰されても問題ないだろうって考えてしまってだな――――――」
魔王と普通に話すハルトを見て、せっちゃんは夢でも見ているのかと頬をつねったりビンタをしたりしてハルトに近づき。
夢や幽霊でないことを確かめると―――――――
「本当にハルトなのだな??
キツネの化かしや妖の類ではなく?」
「あぁ、俺は逃げてったメルトの使い魔で・・・ちょっと色々あって簡単には死なない体になっているんだ。
だからさ?その・・・・剣をしまってくれないか??」
「そう言う事だ、初めに言わなかった事を謝ろう。
だが、このハルトは正真正銘・・・不死者なのだ。」
「ナニナニ??終わっちゃった系??隠れながら様子を見に来たけど・・・案外早い決着だったわね・・・・
って・・・どうしてハルトはそんなにボロッボロなわけ??」
「ふぅ・・・上から見ていましたが・・・ハルトは散々でしたね。
恐竜に潰されたり剣を突き付けられかけたりと。」
魔王たちの情報によってハルトが不死者と言う事を認めたせっちゃんは。
先走って発言した言葉や行動に恥ずかしくなって顔を隠しながら謝り続け。
その様子を見ながらキルりんは狼煙を上げて運送屋にバルカザウルスを回収してもらうと―――――――
「せっちゃん・・・もう泣くのは気が済んだか??
それに、この恐竜はせっちゃん1人で倒したもんだからせっちゃんが報酬を受け取ってくれ。」
「な!?何言っちゃってんの!?こんな大金を1人でもって言っちゃたら駄目でしょ!少しくらい私にも・・・・もぴゅ!?」
「メルト、この場合は宿屋と食事代の事を考えているハルトの意をくんでやろう。
下卑た考えや思惑に下心があれば断罪だがな。」
「うぅぅぅぅ・・・穴があったら入りたい・・・・恥ずかしぃぃ・・・・」
「ほら、せっちゃん・・・この紙をもってギルドで報酬を受け取ってください。
私たちはその後も依頼に行くので。
ギルドまで一緒に帰りましょう。」
そう言ってキルりんがせっちゃんを慰めると・・・ギルドに戻り。
せっちゃんと別れてハルトたちは別の依頼を受けて害獣の出現するポイントに移動していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます