104日目 せっちゃんの希望する条件
せっちゃんはハルトたちの視線を無視しながら・・・胸を張って威張るキルりんに対して。
まじまじとある部分をジーーーっと見つめてから覚悟を決めて口を開いた。
「どうして男の子が女装をしているのだ??
この街にはキルりん以外にも特殊性癖者がいるのか??」
「ハハハハハハ・・・・何の冗談を言ってくれるかと思いましたが。
何です??せっちゃんの村には私のような男の子がいたのでしょうかね??
ハハハ・・・し、仕方ないのでもう一度だけチャンスを上げましょう。
特別ですよ??
―――――――――さぁ、私は男かおん・・・・・・・・」
キルりんが最後まで言い切る前にせっちゃんは大きな声で強く言い返した。
「もちろん男に決まっているだろう!!!
こんなにも美肌な男は見たことがないくらいに綺麗な肌をしているな。
まるで女子そのものだな!!!」
「よし、茶番はおしまいです・・・表に出やがれ!!!
ケンカなら買ってやりますよ!!!!」
「ちょ!?落ち着いてよ!?仕方ないわよ!!
だってキルりん・・・そのまな板を外さないと誰もわからないわよ!?」
「いや、キルりんは胸に装備は一切していないぞ?
毎日ブラすら付けずに依頼をこなしている始末だからな。
それに、キルりんが言うには胸に装備をしていなければ胸の成長が早くなるとか・・・何とか・・・」
「なんだろ・・・すごい闇が見えて聞こえた気がするんだが・・・・
お前マジでそんなことを・・・・どんだけ乳が欲しいんだよ――――――」
ハルトは下らなさそうにキルりんに言うと。
キルりんは悲しみをナイフで表し、ハルトに投げつけていた。
「その・・・せっちゃん?
キルりんの前で貧乳、つるぺったん・・・まな板、城壁とか言わないで上げてくれる??
言えば見ての通り面倒なことに毎回なんのよね~~」
「うむ、心得た・・・つまりキルりんは一応は女と言う事で??」
「まだいいますか!?一応も何も私はどっからどう見てもキャワイイ女の子ですよ!!!
ただ・・・他の人よりも胸がないだけで・・・と、言うよりもそこで判断しないでくれませんかねぇ!?」
「それ、ナイフを振りかざしながら言う言葉じゃねぇだろ・・・・もっと胸以外にお淑やかにしろよな・・・・」
「大丈夫かハルト??
さぁ、キルりんもナイフをしまって・・・お腹の音を鳴らしているせっちゃんが気を失う前に食事にしよう。」
魔王がそう言うと、せっちゃんにメニュー表を渡し・・・せっちゃんは上から裏まですべてのメニューを見てからハルトたちに尋ねた。
「すまない、このメニューの中でどれが一番、物量のあるメニューなんだ?」
「それは・・・・」
「それはこの!!!ジャージー定食でしょう!!!
ボリューム満点栄養満点!!!それにある部分を育成するのに持って来いな定食なのです!!!」
「最後の部分は流していいわよ??
でも、量が多いのは本当だからソレを食べてみたらどうかしら??
でもでも~1人で1皿食べられるかどうか――――――――」
「ジャージーですら1皿を食べるのにある程度の時間がかかっていたな。
それに・・・せっちゃんの体格からすれば食べきれるかどうか・・・」
ハルトたちはせっちゃんに忠告し・・・気遣いを感謝しながらせっちゃんは。
ジャージー定食を頼んでいた。
「はい、お待ちど~~~ジャージ~定食で~す。」
「おぉ~~この量・・・この香り・・・完璧じゃないか!!
――――――――――それではいただきます!!!」
「にしても・・・せっちゃんはかなり腹が減ってたんだな。
何日くらい食べてなかったんだ?」
ハルトはバクバクと頬張るせっちゃんに尋ねると・・・せっちゃんはゴクリと飲み込んでから指で最後に食べた日から数え始め・・・・
「ん~私が最後に食べた夕食から数えて4日は何も食べていなくてな・・・・いやはや・・・フラフラと風のように流浪するのは良かったのだが。
食事の事を考えていなくてな・・・いやぁ~今日からこの街で少し厄介になるのも悪くなさそうだ。
食事はウマイ、街は綺麗・・・それに・・・害獣はワラワラと現れるときた。
これ程私の求めた条件の揃った場所はない。」
「4日も・・・それに・・・せっちゃんって魔王と同等くらい好戦的なのか?」
「ハルト!?私は別に好戦的ではないぞ!!!
ただ・・・降りかかる火の粉を最大の力をもって蹴散らしているだけだ。
私はこれでも乙女・・・それだけは忘れるんじゃ――――――
オイ、ちゃんと私の話を聞いてくれ!!!」
「まぁ、この街に住むのは勝手だけど・・・私たちの依頼の横取りだけは勘弁よ?
私たちも毎日を食べて行くのがギリちょんなんだからね??」
「そうですね・・・高額賞金の依頼をせっちゃんに取られては生活はさらに苦しくなるかもしれないですね。
にしても・・・すでに半分以上も食べ終えてますね・・・・
このせっちゃんのどこに収納され・・・・ん?」
キルりんはせっちゃんが装備を脱ぐ瞬間を見逃さず。
装備を脱いだ時にぷるんと何かが弾むのを見て・・・食べていたステーキ肉に強烈な力を込めてナイフを突き立てていた。
「アハハ・・・本当に・・・私の周りにいる人はみんな・・・乳の暴力を!!」
「おい、キルりん落ち着け!!!
何だよ乳の暴力って!?
お前もいつか・・・多分・・・いつか・・・来世くらい大きくなるって。
――――――――――タブン・・・・」
「そうだぞ?食べ物も食器も粗末にしては駄目だ。
それに・・・キルりんの体はすらっとしていて私的には羨ましい体系だ。
これがあると肩がこって・・・・」
「おぉ~魔王もそのような悩みが???
私も剣を振る際に胸が邪魔で幾度か切り落とそうか悩みに悩んだことがあり・・・・・」
魔王とせっちゃんの発言にキルりんはさらにフォークで肉をブサブサと刺しながら噛み千切って飲み込み。
ウェイトレスに牛乳をロックで頼み・・・ごくごくと焼けミルクをしていた。
「いつか見てるといいです・・・私の真の魅力に・・・ひれ伏すがいいのです・・・うぅぅぅ・・・ミルクをもう一杯!!!」
「おいおい、ミルクで酔えるわけじゃないんだ・・・その辺にしておけよ。
で、せっちゃんは・・・その・・・宿に・・・泊まるのか?
それとも・・・野宿するのか??」
「ウム、この定食を食べ終えてからそのことについて考えていたんだ。
宿をとろうにも金子はなく・・・頼れるものはどこかにいないモノか・・・」
「ちょっと言っとくけど・・・私たちの住んでる家は駄目よ!!!
キルりんが暴走したらどうすんのよ!!!」
「それに・・・もし万が一にもハルトが発情してせっちゃんに手を出したらどうするんだ!?
女としての大切なものを奪われるかもしれないのだぞ?
だったら・・・野宿することをお勧めす―――――――――」
魔王たちがせっちゃんを野宿側に引きずり込もうとしていると。
せっちゃんは身を案じてくれたことに感謝しつつ・・・話し始めた。
「2人の話を聞く限りだと。
男はハルト1人で・・・他に女は一応4人いる状況で。
未だに問題はこっていないところから見ると・・・そこまで自分の欲に歯止めが利かないワケでもなさそうだ。
それに・・・私に手を出そうものなら・・・このエモノでどうにかしてやるとも。」
「あわわわ・・・お、おおおおお俺は別に手を出そうなんてこれっぽっちも考えたり・・・・して・・・な・・・何だよその目は!?
お前ら仮にも仲間だろうが!!!そんな疑いの目を俺に向けるんじゃねぇ!!!」
「そうは言いますが・・・せっちゃんの体系はハルトが舐めまわし欲をぶつける絶好の的と考えるのが妥当です。
なぜなら・・・普段ジャージーや魔王の体をずっと見ている時がありますからね。」
「キルりん・・・そ、それは・・・・事実なのだろうか??
ハルトは・・・私の体をまじまじと欲望を抱きながら変な妄想をしつつ見ていたのか??」
「あれ??私は入っていないようだけれど・・・聞き間違いかしらね??
私にだってハルトは興味あるわよね??主従関係なんだから主に興味がない使い魔何てい、いいいいいいいないはず・・・・よね?」
この状況下でもメルトは蚊帳の外になっており・・・自分を自分で応援して励まし気合を入れるメルトに対して。
せっちゃんは2皿目のジャージー定食を注文し・・・ぺろりと平らげると。
この遅い時間から外で野宿も宿をとるのも難しいと言う事により・・・魔王の部屋でせっちゃんを泊めることにして家に戻っていった――――――――――
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