93日目 修繕の朝とハードな依頼

報酬の5万を握りしめ・・・余波によってダメージを受けた酒場にやって来ると。

酒場の店主が誰がこの状況にしたのか名乗れと言いだし―――――――

ハルトたちは躊躇なくメルトに指をさし、協力関係であったキルりんにさえ裏切られて指を刺されていた。


「で、私が街も王の城もブッパした張本人だけど何なの??

報酬で弁償とか勘弁よ??だって報酬で5万ゴールドしかないのよ??

それに・・・私だって一生懸命だったのよ!?少しくらいの被害仕方ないじゃない!?

何か文句ある!?あんのならハッキリ言ってちょうだいよ!!!!!」

「メルトが逆切れしましたね・・・・まぁ、さすがに全部メルトの責任にすると言うのはあんまりですが。

魔法を放ったのはメルトですから何とも言えないですねぇ。」

「あぁ、まさか弾いた先に街と王城をここまで半壊させるとなると・・・店主も街のみんなも相当怒っているに違いないぞ―――――――」

「だな、ほら・・・メルト・・・こういう時は殴られる前に謝っておくのが一番だ。」

「ハルトは何を言ってんだ??

俺がこのを殴りつけるだと??バカは休み休みに言いやがれ。

この酒場はこのメルトが放ったって言う魔法でボロボロだ・・・だがな。

国王がこのとんでもない被害に対してお触れを出したんだ。

何でも・・・ハルトたちから被害に見舞われた者たちへ修理代が寄付されているとかで。

街にいる奴らも俺も被害を受けたヤツはみんなはメルトの魔法に感謝してるんだ。

だよなぁ!!!」

「おぉ~~~俺なんか新しい家が建つんだぜ??

これもメルトの被害のおかげさんだぜ~~」

「俺は納屋がダメになったが、話をしたところ馬付きの納屋を建ててくれると言っていた。

いやぁ~メルトには本当に感謝だな。」

メルトの魔法によって甚大な被害によって差し引かれたゴールドは・・・王城の修繕費以外にも国の民にも使われており。

メルトたちの名誉もこれによって少しは回復したところで。

メルトは調子に乗ってシュゴビーを注文し・・・冒険家やハンターたちとグイグイ

と酒を飲み始めた。


「アイツ・・・本当にこういう時は調子いいよなぁ~~

ここの店主に話を聞くまでカカシみたいな顔してたのにさ??」

「うむ、だが・・・私たちのイメージもこれによって多少は回復したと言っていいだろう。

2人の希望は成就されたんだ・・・祝える時に祝っておくのも悪くないだろう。」

「うんうん・・・これで私のまないたと絶壁の称号は撤回されたようなもの・・・・今回は宴ですよ!!!」

「よ、キルりんの装甲!!!どうやってヨルムンガンドと戦ったのか聞かせろよ!!!」

「あひゃひゃひゃ!!!さぁ~私たちによって蘇る街にカンパイよ!!!!

やっぱり私ってツキがツキまくってる感じじゃない!!

どこぞの使い魔は私が夜な夜な夢遊病の発作でカエルをストライクさせるからって不運でみじめだとかかってに決めつけたハルトさん!!」

調子に乗るメルトにイライラし・・・ハルトは先に帰ると言って出て行くと。

メルトはまだまだ飲むと邪魔者を排除するようにシッシッとすると・・・キルりんと魔王も今日は疲れたからハルトと戻ると言って家に戻ると。

ハルトは家のカギを閉め、小さな反抗をして眠りにつくと―――――――

翌朝・・・・・


「ふわぁぁ・・・で、お前は結局入るのをあきらめて玄関で寝てたのか??」

「だ、だってぇ・・・ドアをいくら叩いても誰も起きてこないし。

魔法でぶち破って入ろと考えたけど・・・後で怒られるのも嫌だったし・・・・

って、いうか!?始めから鍵を開けていたらこんなことにはならなかったのよ!!!くちゅんッ・・・・」

「何ですか・・・朝から変に可愛いくしゃみを出して・・・で、何やら外が騒がしいですが―――――――」

「きっと王国全体の修繕活動だろう。

昨日の戦いでダメージを負った建物はこの辺りにも多々あったからな。

騒がしいのも無理はない。」

と、音のする方を見てみると・・・家を綺麗に立て直している光景が広がっており。

ハルトたちの住む家はなんとか無傷で済んでおり、街の修繕をみながら酒場へ朝食を食べに向かうと――――――


「ここもここで修繕中か・・・酒場はやってんのか??」

「私、ちょっと見てくるわ!!」

「にしても・・・私たちの報酬が街に使われているとなると何だか複雑な気分になりますね。

私たちもそれほど裕福ではないのですが・・・・

私なんていびきのウルサイメルトと一緒の部屋なんですよ??

魔王の個室が羨ましいです。」

「だが、1人は1人で寂しさというものがあったりもするのだぞ??

そうだと思わないかハルト??」

魔王に答え辛い質問をされ・・・微妙な返事をすると、メルトが店の中から出てくると「朝食だけやってる」と言い。

ハルトたちは修繕中の酒場の中へ入って行った。


「おう、ハルトおはようさん!!!

朝食はいつものでいいだろ??」

「あ~~今日はウェイトレスがいないんだな。

もしかして魔法で被害にあったのか??」

店主はコクリと頷いて答え、被害はそこまで出ていないから気にするなと言いながら朝食を作っていた。


「で、今日はどうすんの??

ヨルムンガンドを追っ払って少し疲れてるんですケド~~~」

「いや、お前が疲れてんのは昨日どんちゃん騒ぎしてっからだろうが!?

今日は今日で朝飯を食ったらギルドで依頼さがしだ。」

「はぁ~~強大なヨルムンガンドを倒した私たちですが日々の暮らしがちっとも安定しませんね。

いつになったらぐうたら寝て過ごせる日が来るのでしょうかね。」

「私は案外こういうハチャメチャな生活に憧れていたから特段裕福でなくとも構わない。

それに・・・私は帰るところがなくなってしまったからな。」

魔王の発言に少し重い空気になると、魔王は慌てて先ほどの言葉を取り消し。

話題を変えた。


「で、朝食を食べた後・・・ギルドでどんな依頼を受ける予定なのだ??

大金目的の高難易度の依頼か??それともほぼ無料に近いボランティアか??」

「ボランティアの依頼もあるが・・・その手の依頼はこのがめついメルト様が嫌がるし、何分自分たちの食費や雑費もバカにならねぇし。

少しくらいハードな依頼を―――――――」

「そうね!!!昨日の大ボスっぽいヘビを私たちだけでやれたんだもん!!!

少しくらいハードでも全然平気よ!!!ぐへへ・・・お金ぇ~~~」

「またメルトの悪いスイッチが入っちゃいましたね・・・・

この後の展開はだいたいメルトが無茶な依頼を受けて泣いてる絵しか見えないのですが・・・・どうなることやら―――――」

キルりんが予想した通り朝食を食べ終えた後、メルトが勝手に受けた依頼の場所でイベントが発生していた――――――――


「ぎゃぁぁぁぁあぁぁ!?私のシールドが壊れちゃう!!!

早く助けて!!!!ぎゃぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!!!」

「自分から盾役を買って出て害獣を惹き付けるから後はよろしくって言っておきながらその盾役が速攻やられそうなんだが大丈夫か??」

「ハルト!!!そんな悠長に話している場合ではありませんよ!!!

早くしないとメルトのシールドが壊れてしまいますよ!!」

「あのギガノドレイクは顎が異常に発達している魔獣だ・・・・

あのシールドからすると、あと2,3分もあればシールドが割れてメルトは餌食になってしまうだろうな。」

魔王は冷静に分析すると、それを聞いていたメルトはより一層激しく泣き叫び。

ついにはハルトたちに今までの事を詫び始め、マズい状況になっているのを感じ。

3人はギガノドレイクに攻撃を仕掛けて何とか討伐するのであった――――――――

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