92日目 消えた魔法の被害
巨大なヘビの体を見せつけるヨルムンガンドは、ハルトにもう一度この姿を見ても同じようにサシの勝負ができるのかと尋ねると・・・・
ハルトはニヤリと笑ってヨルムンガンドとのサシでの戦いを希望すると告げ。
ハルトはヨルムンガンドに対しサシでの戦いにルールを付けてもいいかと尋ねると。
ヨルムンガンドは好きにしろと二つ返事で返すと、ハルトはルールを付け始めた。
「そんじゃ、ルールを言うぞ??
勝敗のルールは俺を殺せたらお前の勝ちだ。」
「はんッ!!!くだらねぇルールぁじゃねぇか!!!お前がルールを付けるとか言うからどんなもんかと思えば・・・そんなルール・・・無いようなモンじゃねぇか!!!!
さっさとあの世に行きやがれ!!!!!小せぇゴミが!!!!」
ヨルムンガンドは巨大な魔法陣を出現させ、ハルトに浴びせると・・・・
ハルトの体が一瞬にして灰となって消え去ってしまった。
「グヒャハハハハ!!!!あんだけ単価切っといてコノザマかよ!?
んぁ??おいちょっと待て・・・・お前・・・どうしてそこにいんだよ??
さっき消し飛ばしといたはずだろうが!!!」
「あぁ~~アレがお前の攻撃か??案外大した事ねぇな・・・・
消し飛ばせてネェからこうやって俺がここにいるんだろ??
俺一人やれねぇのにお前・・・よくもまぁここに戻って来たよな??
―――――――――――ぐひゃぁぁあぁぁぁ!?」
ハルトの挑発にヨルムンガンドは巨大な魔法でハルトを燃やすが、ハルトは再びヨルムンガンドの前に現れ―――――――
何度も何度も何度も魔法や攻撃で人間の男1人を殺すには十分な火力や物量で攻めるが一向に消えることなく・・・ヨルムンガンドは逆に疲弊し、巨大な体の形態を維持できなくなりカオルの姿に戻ると――――――
「こうなったら俺が直接この手でお前の息の根を止めてやらぁ!!!!!!」
「ここまで来たら大丈夫だろう・・・・・
よし、このタイミングだ!!!!
―――――――――――イマジン!!!!!!」
ハルトはヨルムンガンドが近づいてきた瞬間にイマジンを発動し、巨大な岩をヨルムンガンドに叩きつけウように降らすと。
ヨルムンガンドは地面に固定され、身動きすら取れずにいた。
「クソが!!!とっととこっから出しやがれ!!!
まだ勝負は終わっちゃいねぇ!!!!お前を絶対にぶっ殺してや・・・・」
「そこまでだヨルムンガンド・・・・これ以上の魔王の名を汚す戦いはするな。
それに、このハルトを倒すことが勝利条件になった時点でお前の負けは確定していたのだ。
何せこのハルトは本当に不死者の体なのだからな。」
「そう言う事だ・・・・でもな。
お前の攻撃メチャクチャ痛かったんだぞ???
で、これからお前をどうしようか悩んでいるんだが・・・・お前はどうしたいんだ??
まだ、この街や城を潰したいとか思っているのなら・・・・・」
ハルトはヨルムンガンドにこれからの事を語り掛けると、ヨルムンガンドは暴れるのを止め。
先ほど言った事が偽りでないか魔王を見て確認すると・・・
「ったく・・・わ~ったよ・・・魔王の競争自体俺ははなっから興味ねぇし?
それに、俺にはオモシレェオモチャが見つかったしよぉ・・・
お前だお前・・・そこのクソガキ・・・あぁ~~ハルトとか言うクソガキだ。」
「クソガキ言うな!!!
で、お前はこれからどうするんだって聞いてんだが??」
「何だかすごい騒動になってましたが・・・・この状況を見ると終わったようですね・・・あぁ・・・私の名誉が再び地に落ちていくのを感じます・・・・」
「私なんてあと一歩で借金の神様になるとこだったわ・・・・
で、このヘビ男はどうすんの??焼いとく??」
土まみれになったキルりんとフラフラなメルトがやって来ると、ヨルムンガンドは魔王に岩をどけるように言うと。
魔王は暴れてもどうにかなる程に消耗したヨルムンガンドの言葉を聞き受け。
岩を剣で粉砕すると、ヨルムンガンドは体に着いた砂を落としながらカオルを呼び出し――――――
「俺は、コイツをここに連れてきちまった責任がある・・・
だからカオルの向かうところに俺は付いて行ってやる・・・ただ、それだけだ。
それにもう・・・コイツの故郷は残ってねぇからな―――――――」
「んん・・・・あれ?ハルトさん??それに皆さんも・・・・
一体どうなったのですか???」
「いや、そんな事よりも故郷が残ってないってどういう意味なんだよぉ!?
地球は・・・俺たちの故郷はどうなっちまったんだよ!?」
「おい落ち着けハルト!!!
ヨルムンガンド、その話は本当なのか??ハルトとカオルのいた故郷はどうなったのだ??」
「何・・・ハルトたちってばロストマンになっちゃったの??」
「メルト、コレはギャグにしていいほど軽いネタではありませんよ???
ですが・・・あちらも嘘を言っている風にも聞こえませんし。
話を聞くのが一番かと。」
久々にキルりんがまともなことを言い、ヨルムンガンドは言葉の通りと・・・・カオルをこの世界に連れ出す際に地球上全体で戦争が起こり地球自体の機能と生命の活動ができない死の星となっているとだけ話し、カオルを国家反逆罪で捕まえさせるわけにもいかないと言って転移魔法を発動すると―――――――
カオルは長い話ができないと悟るとハルトたちにひとこと謝り、そして感謝するとどこかへと消え去ってしまった。
そして、大きな戦闘が終わったにも関わらず冒険家やハンターたちがやっと、ハルトたちの戦っていた戦場にやってくると。
同じように国王も現れると・・・ヨルムンガンドが見当たらない事からハルトたちに状況の説明をするように命じると。
ハルトはヨルムンガンドとの戦いに勝利したと告げ、その言葉を聞いた王はホッと胸を撫で下ろし・・・・冒険家やハンターたちを撤退させハルトたちを城に招いた。
「よくぞあのヨルムンガンドを退治してくれた・・・・礼を言うぞ。
さぁて、褒美は―――――」
「何をくれるのかしら??
私たち、ボロボロになりながら王の率いる兵たちを待ってたって言うのに一行も現れないし・・・・今回の報酬は高くつくわよ!?」
「あと、私たちの名誉もキッチリと良くなるんですよね??
ハルト???」
「お前らの名誉は俺がどうこう言うよりも街の連中が見たまんまに付けるから俺の評価が良かれどなんもかわらん気がするが・・・ここは黙っておくのがよさそうだな。」
「私もハルトと同意見だ・・・・日々の生活態度とギルドや酒場での振る舞いを変えない限り不名誉のままだろう。」
ハルトと魔王に現実を突きつけられると・・・キルりんとメルトの2人は口を揃えて
「これが私だから」と生活態度もギルドや酒場の振舞いを変えるつもりも正すつもりもないらしく胸を張って主張していると・・・・
「ワシの話はまだ終わっとらん・・・・
報酬を与えたいのじゃが・・・・そこにおる酒と金癖の悪いメルトの放った魔法と思われる超火力の塊がワシの城と街に甚大な被害を与えたのじゃ。
よって・・・報酬と差し引いて、与える報酬は50000ゴールドじゃ・・・・」
「え・・・酒と金癖が悪いって言った後・・・何て言った??
私の耳がおかしくなかったら5万って・・・聞こえたのだけれど??」
「いえ、私も5万と聞こえました・・・・何かの間違いでしょう・・・・
そりゃ、城へと招かれる際に街の瓦礫や兵士たちが慌てている様子が見えましたが・・・・」
「それに、王城に巨大な穴が開いていたな・・・・モダンな作りに手を出したのかと思っていたが・・・・まさかメルトとヨルムンガンドの相打ちになった魔法弾がこちらに飛ばされてきていたとは―――――――」
「5万とか・・・ギルドの依頼報酬金額よりも安いじゃねぇか・・・・」
メルトは報酬の減額が自身の魔法が原因と言われると・・・ハルトに怒鳴られる前にコソコソと逃げようとしていたのだが、そうするだろうと感じていたハルトはメルトの肩を掴み。
「話がある」と言って逃げないように言いつけ・・・王から報酬の5万を受け取り酒場へと向かった。
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