89日目 旨そうな魚と思いきや

ハルトは魔王にぼこぼこに切ったり殴られたりした後・・・何事もなかったようにキルりんたちと共に朝食を取っていると・・・・

やはりと言うべきか、2人はハルトの傷に何があったのかを聞き尋ねてきた。


「チラり・・・・」

「あはは・・・いやぁ~実は・・・トイレに行く途中で転んでさ~いやぁ~参った参った・・・チラリ・・・」

「ふ~ん・・・で、どうして頬にビンタの後があんのよ??

私とキルりんの手形じゃないとすると・・・魔王しかいないのだけれど??」

「それにしても見事な手形ですね・・・・

ビンタ職人なのでしょうか???」

ハルトの頬には赤く大きなビンタの跡があり・・・・これはハルトがサキュバスと魔王に発言し怒り狂った際につけられた名誉の勲章でもあるのだが。

魔王は自分ではないと否定すると・・・ハルトは魔王に指定されたシナリオ通りに動けと命令されていたため・・・・

いつものように練乳牛乳をグビグビと飲み干すジャージーのスカートめくりをすると・・・周りにいた冒険者やハンターの男達からは称えられたが。

その後のジャージーの凶悪的なビンタに弾き飛ばされていた。


「ハルトさんのえっち!!!」

「ぐは・・・魔王のシナリオはハード過ぎんだろ・・・・」

「それはハルトが悪い・・・ほら、手を貸そう。」

「にしても2人は妙にそわそわしてますが・・・に何かありましたか???もしかして・・・ハルトと魔王はできてます??」

「それは聞き捨てならないわ!!!使い魔の主である私を差し置いて契約先の変更は無効よ!?無効だからね!?ハルトが欲しければ・・・100万ゴールドは用意してもらわないと困るわ!!!」

メルトが堂々と魔王に言い切ると・・・本当にいいのか?とメルトに聞き返すと。

メルトは少し考え、「やっぱナシ」と話しを流すと・・・・

ハルトとメルトは同時にホッと一息ついて食事を済ませ。

依頼をこなしに目的地に向かって行った。


「で、目的地に付いてから言うのもなんだけどさ??

金銭的にも難易度的にもコレが楽って聞いてきたんだが・・・・

これってどうなんだ???」

「どうと言われても・・・・空飛ぶだが・・・・

聞き名はただの揚げたての魚のような名前だ・・・だが名前とは裏腹に獰猛で。

エサが無くなれば共食いをする凶暴な空飛ぶ魚類と言えばいいか??」

「って!?そんなことを食っちゃべってないで早くこの追いかけてくる魚共を何とかしなさいよ!!!!

コッチくんなぁ~~~~」

「ここは私にお任せを!!!

相手はただの空飛ぶ魚・・・こんな相手、私1人でもダイジョウ―――――――

ん?体が何だか浮いているような・・・・んぎゃ!?」

自信満々に腕を組んでいたキルりんだったが、すっと近づいたフライドフィッシュはキルりんの首根っこをかじって空へと連れて上って行った。


「よし、アレは私が何とかしよう。

ハルトはメルトの援護を。」

「あいよ、やっぱり誰かが的確に指示しねぇとこのPTは駄目駄目だな。

ガンガン行くこともも命を大切も使えねぇ・・・

コレであのヨルムンガンドは本当に倒せんのか??」

「ハルトぉぉお!!!なにをぶつぶついってんのよ!!!

早く助けに来てヨぉぉ!!!!」

ハルトが次に目を開くと・・・メルトは待っていられなかったのか限界だったのか・・・ハルトの方に目掛けて走って来ると。

フライドフィッシュは2人を同時に追いかけ始め。

ハルトとメルトは全速力で駆け回っていた。


「おい、お前馬鹿か!?俺が何とかする前に巻き込んでどうすんだよ!?

それでもあれか?お前は偉大な魔導士なのかよ!?

偉大な魔導士様はこんなどうでもいいようなところであんなヘンテコな魚のフンになるのが未来だってのか!?

それならそれでいいさ!!!俺はフンになろうがどうなろうが再生するからよ!!!」

「まさか・・・アンタ・・・私を裏切る気じゃないでしょうね??違うわよね??

どうこう言いながらこれもハルトの作戦よね??ねぇ!?そうでしょ!?」

メルトはパニくりながらハルトにどえらく聞くが、ハルトは無言のまま走るだけでメルトの不安はピークに達し・・・逃げるのを止めて戦う覚悟をした。


「どいつもこいつもバカしかいないの!?

みんなバカよ!!!大馬鹿よ!!!こんな空飛ぶとつげき○おみたいなの・・・私1人でぶっ倒してやんわよ!!!さぁ~どっからでもかかってこんかいや!!!」

「なっ!?アイツ・・・・無茶しやがって・・・・

仕方ねぇ・・・使えるか知らねぇが試すだけやってみるか――――――

―――――――――いっけぇぇぇ!!!!イマジン!!!!!」

ハルトは後方からバロンに教わった呪文であるイマジンを使用すると・・・・

空に大きな岩塊が現れ・・・旨いようにフライドフィッシュの体に激突すると、フライドフィッシュは地面に倒れ落ち。

散々追い掛け回されたメルトは悪い笑顔を浮かべながらフライドフィッシュに電撃を何発も浴びせながらストレスを発散すると。

トドメの一撃と、火炎魔法でこんがりとジューシーに焼き上げた。


「んで、カッコよく決めた割には・・・何でハルトは倒れてんの??

何なの??新しい宗教にでも入ったワケ??」

「入っとらんわ!!!俺に秘められた奇跡のワザを使うと度合いによってはこうなるんだ・・・だから、おい・・・肩を貸せよ。

こうなったのもお前を助けるためにしてやったんだ。

肩の1つや2つ貸してもいいんじゃないのか???

ん?今日は素直だ・・・・な?メルト??おい・・・何でそんなごみむしを見るような目で俺を見下してんだ?」

ハルトに近づくメルトは・・・ニヤリと笑みを浮かべると。

ハルトに日頃の恨みが張らせると、身動きの取れないハルトに対してコショコショと体をくすぐって痛みではなく笑い殺す作戦に出た。


「ぐはははは・・・おい!?ヤメロ!!!これはこれでシャレになんねぇって!!!オイ、止めろ!!!!ぐはははははっは・・・・ひ~~~~~」

「ホ~~~レホレホレ~~~私の手の器用さに驚きおののきながら今までの事を詫びながら笑い死になさい!!!!ハルト!!!!」

「2人は一体何を楽しんでいるのですか???

コレは2人の新たなじゃれ合いの1つなのでしょうか??」

「ハルトもあんなに楽しそうにして・・・それにしてもあの大岩は一体・・・」

馬鹿なメルトやキルりんは何とでも言い包めそうだったが、知識的に魔王に嘘が通じないという事もあり。

メルトをどかしてくれれば話すと言うと・・・魔王はメルトを引き剥がし、鋭い眼差しでこちらを見つめていた。


「話す前に言いか??何で横になったままなんだよ!

この態勢で話すとか色々シュールだろ??ほら・・・誰か・・・俺をどこかに座らせるなりしてくれよ・・・・」

「たく、口を開けば偉いものいいですね~ねぇ~魔王???」

「そうだな、メルトが何をしていたのかは知らないが。

その状態で上からの言い方はやめておいた方が身のためだと思え。

こちらには手をワキワキさせたキルりんがいることを忘れるな?

あと、手をボキバキ鳴らすメルトもな。」

「コハァ・・・・・早く全部ゲロってボッコボコにさせなさいよ・・・

さっきの件といい、アンタにどんだけ酷い目に合わされたと――――――」

メルトの長い話が始まる前にハルトは横から真実を話し・・・・イマジンが使えるようになったことを話すが――――――


「イマジン・・・ですか・・・聞いたことない魔法名ですが・・・魔王は聞いたことありますか??

何でも大きな岩を出現させる魔法みたいですが・・・・」

「違うわ!!!まないたアサシン!!!

何度も説明しただろ??コレは俺の想像で形作る自由自在の魔法だ。」

「ハルトは真実を話しているのだろうが・・・私も今まで生きてきてそういう魔法や魔術は聞いたことがない。

私よりもメルトはどうなのだ???」

「ん~~聞いたことない・・・ハルトのくせに生意気よ!?

私の知らない魔法や魔術を駆使して戦うなんてどこのアウトローよ!!!」

ハルトは先ほどの発言でキルりんに体中ナイフでドスドスと刺されながら・・・・これであのヨルムンガンドに対抗できるのでは?と状況をスルーしながら考えていた・・・

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