90日目 ヨルムンガンドと事情

ハルトはキルりんにドスドスナイフで刺され、魔王のヒールにグリグリと踏みつけられる感覚を味わいながら魔力を回復させると。

ついに動けるようになり・・・動くと同時にキルりんとメルトは木の陰に隠れてこちらを見つめていた。


「おい、怒らねぇからこっちに来い・・・話がある。

昨日の出来事の件についてだ・・・朝食時には話せなかったが。

この場のこの状況だから話しておく。」

「その話ってもしかして・・・ヨルムンガンドの件か??

そう言えば、あれからハルトは私の穢れなき体を好き放題にもてあそび・・・好き放題に汚し・・・朝になっていたし。

朝食はムラムラしたのかジャージーのスカートをめくりあげるわの大騒ぎだったからな。」

「女の敵のハルトが起こらないと言うのであれば・・・話を聞かないわけでもありませんが??」

「そ、そうね!魔王も真剣な顔をしているし・・・少しくらいなら信じてあげてもいいわ・・・よ!?アッ!?いやぁぁぁぁあぁぁ!!!!」

ハルトは油断して近づく二人に凶悪的にきついグリグリを捻じ込むと。

昨晩あった出来事とヨルムンガンドの生態を魔王が話すと・・・

2人は4人じゃ勝てないと言って諦めようと言い出したのだが――――――


「そうだよなぁ・・・ポンコツオカルトブラックのメルトと忍べないまないた娘のキルりんには荷が重すぎたかぁ~~~

これを無事に成し遂げれたらランクアップして名誉が回復するって言うのに・・・

あぁ~残念だ~~~なぁ?魔王??」

「え、あ・・・あぁ・・・(おい、こんなので2人が本当に協力してくれるのか??なんだかすごい震えてないか??)」

「い・・・・い・・・・いいですよ!!!バッキャローーーメ!!!

どこのクソヘビをぶっ消せばいいのですか!?すぐに名誉が戻るのであれば私はどんな汚く汚れた事でもやり遂げて見せましょう!!!

だから、ぜひ協力させてください!!!いえ、します!!!!」

「本当にキルりんは単純ね~~そんなのはウソに決まってるじゃない・・・・

ここまで名誉が落ちに落ちた状態からどこにランクアップするって言うのよ??

ホラ、言ってみなさいよ!?どうなるのか言ってみ!?」

メルトは騙されないぞとばかりにハルトに突っかかると・・・後は引くだけだとハルトはニヤリと笑みを浮かべ・・・・


「あぁ~~グッ・・・・・・ヨルムンガンドを倒した暁には・・・最高名誉であるハイマジシャンの称号が手に入ると言うのに勿体ない・・・・

この使い魔ハルトはそんな地に落ちた名誉の・・・ぐッ・・・を見たくございませぬ・・・・・」

「おい、ハルトどうしたんだ??口調がおかしいぞ??

そんな三流以下の芝居にメルトが引っかかるわけ――――――」

「いいでしょういいでしょう!!!可愛い1番弟子+使い魔ちゃんのハルトにそこまで言われちゃ~やるっきゃないでしょ!!!

さぁ、みんな・・・ヨルムンガンドを倒すために作戦会議よ!!!」

「おぉぉ~~~~~」

魔王はどえらく単純に引っかかったメルトとキルりんに何も言う事はないと・・・可哀そうな目で見ながら各自戦闘プランを考えながら家に戻ると。

王国からの兵が家の前でハルトたちの帰りを待っていたらしく――――――


「ワシがハルトたちを城に呼んだのは他でもない・・・・

何やらヨルムンガンドと名乗る小柄な男が急にここへやって来て・・・・この王国に対して宣戦布告して来たのだ。」

「で、どうして俺達を呼んだんだ??他にも手練れの冒険者やハンターはいただろうに・・・」

ハルトは普通に尋ね言い返して帰ろうとすると・・・王様はふるふると震えだし引き留めた。


「何を言っておるのじゃ・・・この宣戦布告の内容にハルトと魔王の名が名指しにされておる。

で、どういう流れでこういうことになったのじゃ???

そこにいるメルトとキルりんと違って2人はまともだ・・・何かわけがあるのならば話すがよい。」

「この際だ・・・王に昨晩の話をして助力してもらえるのかダメもとで聞いてみっか・・・」

「あぁ、話しておいて損はきっとしないだろう・・・」

ハルトは王様に昨晩あった出来事を話すと・・・王様はすぐに兵隊長を呼び、街にいるありったけの兵士と冒険者たちに連絡するように伝えると。


「ワシにできるのはこれくらいじゃ・・・あと、ドンパチするのならば国の外でやっとくれ。

この街に女子供やだっているのだからの・・・・

他に質問は??」

「何ですぐに街にいるハンターや冒険家に連絡したんだ??

来るのは後日だろ??」

ハルトが不思議そうに尋ねると、街にサイレント共に避難警報が流れ出し・・・静かになったところで王様はハルトにこう言った。


「今日の朝に言って今日の昼に出直すと言っておった・・・・

つまり、もうすぐ戦闘じゃ・・・はようお前たちも前線に出ぬか!!!!

おい、ハルトたちを即刻戦場へ引っ張り出すのじゃ。」

「ハッ!!!!」

「え、おい・・・マジかよ・・・対策をするとか言う前にぶっつけ本番バトルとかただの死にゲーじゃねぇか!!!!!」

「ハルトは何を言っているんだ??

ハルトはどうやっても死なないじゃないか。」

「そうですよ・・・なに気が狂ったようなことを言っているのですか??

ヨルムンガンドにぎゃふんと言わせ私たちの不名誉を回復するのですよ!!」

「そうよ!!それにどうせ・・・何とかできなかったら街を潰すとか言ってんのなら遅かれ早かれじゃない??

だったらガツンとやってやろうじゃないのよさ!!!!さぁ話は決まったわ!!そこの兵、馬車を用意しなさいよ!!私たちが戦場に出向いてあげるわ!!」

ハルトはこの作戦もないまま突っ走る暴走特急2体を相手に腕を掴まれてズルズルと引きずられて連行され・・・・・


「えっと・・・わざわざご足労どうもありがとうございます。

ハルトさん・・・それに皆さんまで・・・」

「あれはカオルだな・・・見た感じだとヨルムンガンドの気配はないが。

どうする??殺るか??」

「やらねぇよ。

今はヨルムンガンドじゃなくてカオルらしいし・・・理由を聞けるかもしれねぇだろ??その、何だ・・・

お前ヨルムンガンドとどうやって知り合ったんだ??」

ハルトは魔王に注意してからカオルに尋ねると・・・

カオルは話せる部分だけを全て話すと言い・・・カオルの話によるとヨルムンガンドはカオルが住んでいるアパートに突如現れ、願いはないかと持ち掛けたらしい。


「で、そのカオルの願いって・・・一体何を願ったんだ??

勿体ぶらずに話してくれないか?

ヨルムンガンドを倒す手掛かりになるかもしれないんだ。」

「えっと、冗談のつもりだったんだけど・・・こことは違うに行きたいって言ったら急に目の前が暗くなって。

気が付いたらこの町はずれにいたんです。

信じられないかもしれませんが。」

「きっと、街に辿り着くまでの間はヨルムンガンドが体を使っていたのだろうな。

だから本人に地震やどうやって来たのか記憶がないのだろう。

それにしても・・・得体の知れないモノにすぐ願うとは・・・ハルトの言う日本人は愚者なのか??」

「ハルトとあのカオルだけでしょ???キャッチコピーとか単純な手に引っかかってこっちに召喚されちゃうんだし。」

「そんなどうでもいい事は置いておいて、先程魔王が言っていた通り今・・・カオルを消せばヨルムンガンドは消滅するのではないのでしょうか??」

キルりんまでがナイフを構えながらいつでもカオルを斬れると言うと。

カオルは手をバタバタと振って止めて欲しいといい。

このヨルムンガンドもそこまで悪い奴じゃないと言いだした――――――

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