81日目 宴会

今晩開かれる宴会までの間・・・キルりんを含めて再び依頼を受けて移動して向かうが、キルりんは歩きたくないと言って魔王の背にくっ付いていた。


「おい、キルりん・・・魔王に負担かけんじゃねぇよ。

こうなったのもお前の言い出した宴会の為なんだからな??」

「そうはいっても・・・昨日からずっと動きっぱなしだったので睡魔と疲労がピークなのです~~~ふへぁ~~

それに最近アサシンっぽい運動をしていなかったので活動するためのスタミナが減ってしまって・・・ふわぁぁ~~この通り眠気マックスです。

それでは魔王、おやすみなさい・・・ぐがぁ~~」

「お、おいキルりん!?人の背中で寝るんじゃない!?

あぁこの湿った感じは・・・うぅぅ・・・よだれが~~~」

「うわぁ・・・魔王の髪とか背中がよだれでべとべとになっちゃってんわよ??

これはお風呂に入らないとバッチィわね。」

と、メルトが魔王の背の状態を語ると・・・魔王は泣き出しそうな顔をしながらハルトを見つめ。

見つめられてもどうしようもない状況から・・・ハルトは先に依頼を済ませてしまおうと言い、この先にいるを探しに先に進んだ。


「ぐがぁ~~~ぐがぁぁぁ~~あぁ~~それは私のから揚げなのですよ~

あぁ・・・メルト~~そのシュゴビーは私が・・・うひひ――――」

「なんだか1人で楽しそうな夢を見ているな・・・・

で、依頼目標のでかみみずはこの辺りに出るんじゃなかったのか??」

「あぁ、そのはずなんだが・・・・おかしいな??

さっさとみみずを倒さねぇと魔王の風呂の時間が無くなっちまう―――――」

「それは一大事ね!!!それなら・・・私が魔法で探し出してあげるわ!!!

――――――――モンスターサーチ!!!

ん??あの辺りにはいないわね・・・あれ??変だわ・・・何故か私たちのいるに反応が近づいて・・・・アハハ・・・みんな逃げ・・・ぎょえぇぇ!?!?」

メルトが笑いながら回避を指示すると・・・地面からでかみみずが飛び出して来た。


「これが駆除対象のみみずか・・・割と大きいな。

んじゃ・・・魔王、その背中の囮を使って倒すぞ!!」

「キルりんをそんな囮として使うわけにいくわけないだろ!?

もっと他に作戦があるはずだ!!きっと・・・いい案が―――――」

「魔王~~前から思ってたんですが・・・その衣装はコスプレですか???

ははは・・・そうでしょうねぇ~~~コスプレですよね・・・・ふひひ・・・」

「あ・・・・魔王がキルりんを投げた・・・・

でもこれで私が囮役がにならずに済んだわ!!!

キルりん・・・あなたのその勇敢な行為に敬意を表して・・・大人しく囮役してて頂戴ね!!!

そこだぁぁぁぁ!!!ファイヤーブラストォォォ!!!」

魔王の投げた先で奇妙な態勢で寝ているキルりんを狙ってきたでかみみずを一瞬で丸焦げにすると・・・魔王はキルりんの狼煙セットを使い、みみずを運んでもらうと。

魔王は再びキルりんを背負い、ハルトたちと共に街へと戻って行った。


「今回の報酬金額は86000ゴールドになりま~す。

お確かめくださいね~」

「よし、ハルト・・・報酬は受け取ったんだすぐに家に戻ってお風呂に入りたいのだが??」

「あぁ、すぐに戻るか。

で、魔王・・・お前、その服の替えになるような服は持ってるのか??」

「そりゃ、魔王なら何かしらあるでしょ?

それじゃ・・・ウチに帰ってお風呂にでも入りましょ!!!」

魔王の服を気にしながらハルトたちは家に戻ると・・・魔王はキルりんをソファーに転がし。

メルトと魔王の2人はすぐに風呂場に向かって行った。


「ふぅ~~やはりお風呂は最高だな。

キルりんによだれ塗れにされた服をすぐに洗わないとだな・・・」

「面倒ならハルトに任せると良いわ。

きっと魔王の衣服を洗えるとなったら喜んで洗うんじゃないかしら??」

2人はぐだぐだと話しながら風呂を終えて風呂から上がると・・・魔王は替え用の服に着替えたのだが――――――


「え、魔王・・・本当にそんな格好で行く気なの??」

「ん?変な所でもあったか??それとも服の着方が間違っているか??」

メルトは魔王の露出を際立たせた丈の短いズボンとラフと言って着た胸の部分がむき出しのシャツの姿にどこから突っ込むべきかと考えていると、魔王は答えないメルトを不思議そうに見ながらリビングにいるハルトに尋ねるために向かって行くと。


「おい、魔王・・・お前はいつからサキュバスに転職したんだ??

キルりんやメルトと違って魔王だけは普通だと思っていたんだが・・・ハァ~」

「あんな男のアレと精気しか狙っていない悪魔ビッチ共と一緒にしないでくれないか?

これでも出の良い魔王だ・・・だが・・・ハルトにそこまで言われるとは・・・ファッションとは難しいものだな。」

「いや・・・ただ、魔王のセンスがなんじゃないのかしら??

でも、今から着替えてる時間もないしそのままでいいんじゃない??

んじゃキルりんを起こして酒場に行きましょ!!

リード達もすでに待っていると思うわ!!

さぁ~今日は沢山飲んで食べるわよ!!!ヒャッホー!!!」

魔王はメルトにまでサキュバスと言われ・・・否定しながらキルりんを起こすと。

ハルトたちは酒場に向かうと・・・・


「キルりん、遅いじゃないか!!みんな先に入って待ってんよ??

えっと・・・魔王って本当はサキュバスの家系なのか??」

「違う!!どうして皆は私のファッションをすぐにサキュバス扱いするんだ!!!

こう見えても私は良い出のまお――――――」

「その話は聞き飽きたから中に入りましょ!!!

ホラ、キルりんとリードが乾杯してよ!!カンパイ!!」

「そんなに急かさないでくださいよ・・・それに私とリードは飲めないのでジュースで乾杯になりますが。」

「それでも2人が今回の立役者だ・・・ジュースでもスープでも何でもいいから乾杯して来いよ。

それともこのサキュバスに乾杯させるか??きっとそうすればキルりんもリードも目に映らなくなるだろうが――――――――」

ハルトの発言にキルりんとリードは魔王を見ると・・・魔王には乾杯をさせられないと言って中に入ると。

リードの仲間や教会のプリーストたちに街の冒険者たちも詰め掛けていた。

そして・・・キルりんとリードによってスピーチと共に乾杯をすると、酒場の中は賑やかに活気づいていた。


「にしてもエロいサキュバスがいるタァ~ヒック・・・ハルトのPTは羨ましいなぁ~~」

「誰がサキュバスだ!!!次にサキュバスと言ってみろ!!!本当に粉々にするぞ!!!」

「おぉ~怖い怖い・・・魔王はシャレが通じんと来た・・・そんじゃ、俺たちはあっちで飲みなおそうぜ~~~うぇへへ~~」

「その恰好だと散々だな・・・サキュバスと魔王の違がどうなのか俺も区別がつかなくなってきたが・・・・

まぁ、今日はあの調子に乗ってる2人の宴会だ気にせずに飲んで食べたらいいだろ。」

「うぇへへ・・・2人とも飛んじゃってますかぁ??あへ?間違えたぁ・・・飲んじゃってますかぁ!?ヒック・・・くぅぅ~~シュゴビーは今日も美味しい!!!サイコーシュゴビー!!!あ、それ私にもちょ~らい!!ジャ~ジ~」

「あぁ!?それは私が楽しみにしていたから揚げさん!!!うわぁぁ~~ん。

え?リザさん・・・このから揚げくれるの??」

「ウゥゥアァ・・・ウアァ~~ウアァ」

「そんじゃ、私はこの大樽のジュースを一気飲みやりまぁ~す!!!

ンゴンゴンゴンゴ・・・・ぶへふぇ!!!!ウマイ!!!」

「さすが頭!!いや、今じゃ違ったんだった・・・えぇっと・・・プリーストリードさすが!!!

もう一杯行きましょうよ!!!」

寄った冒険者に茶化された魔王を慰めながら・・・キルりんとメルトが無茶をしないか見張っているが。

この宴会は宴会で大変盛り上がり・・・次の日の朝までハルトたちは飲み明かしていた。

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