68日目 女性のことならハイネ教会へ

まず、目覚めたのは補佐官の方で・・・何が起こったのかを理解しておらず。

頭がウトウトとよだれを垂らして伸びている状況を確認すると・・・誰にやられたのかを思い出し・・・・


「キルりん!!!急に殴るなんて酷いじゃいの!!!

私たち同期でしょ??仲良くしましょうよ!!!イタタタタ!!!!」

「誰がアンタらみたいな人を乳だけで判断するアサシンと仲良くできますか!!!

さっきも一部始終見てましたが・・・相も変わらず私のような胸の女性をバカにしているとは・・・本当に同期のアサシンとして情けないです。」

「何だか今日のキルりんはいつもと違うな・・・同期と一緒だからか??」

「あぁ・・・きっと、昔のキルりんが出てるんだなろうな。

よくあるだろ?話す相手が変わるとテンションが変わるアレだ。」

「あぁ~わかるわ~~ハルトが私たち以外のジャージーとかカワイイ子に対して話し方が違ってアレね。」

メルトの例えに違うとも言えず怒る気にもなれず・・・補佐とキルりんの話に耳を傾けると――――


「で、どうしてこんな辺鄙な山で山賊をしているんですか??

アサシンの仕事はどうしたんですか??」

「いやぁ~~この伸びたおかしらが・・・えっと、このがポカして私たちまで逃げないといけない羽目になって――――――

いや、そんなことよりもキルりんの方こそ・・・後ろにいる物騒な大剣を持った連中とどういう関係??

もしかして雇い主???」

「いやいや、どう見たって雇っているわけないだろ?こんな狂犬・・・・

コイツが誰かに尻尾を振るようなヤツに見えんのか??」

「そうだ!!!仮にもキルりんは私たちの仲間だ。

そんなとはまるで違うんだ。

もっと・・・こう・・・ドロッとした関係だ。

斬っても離れられないと言うか・・・」

「魔王、その言い方は駄目な奴よ・・・私まで誤解されちゃうから言わないでくれるかしら??

コホン・・・あのね?キルりんとは魔王討伐の流れで色々あって・・・なんやかんやでその・・・斬っても切れない―――――」

メルトも最終的に意味の分からない事を言いだしそうになった所をハルトが止め・・・補佐たちに現状、どうなっているのかを話すと・・・


「何ィ!?私たちに討伐か追い払う依頼が出回っているのか!?

で、キルりんは私たちを追っ払いに来たと、そう言う事かこの裏切り者!!!」

「何とでも言うがいい。

私とアンタらとは何の縁もなかったですし?心置きなく削除できるってもんですが何か??」

「あのドヤ顔・・・マジで同期を消す顔よ・・・あぁはなりたくないけど。

この場合だと面倒事をキルりんだけで片付けてくれそうだけど。」

「バカを言っている場合じゃない。

キルりんがナイフを握り始めた・・・騒ぎにならない程度で納めたいのが私の本音なのだが。」

「と、言っても本人がやる気満々だからな・・・どうしようも。」

ハルトたちもキルりんがナイフを握った時点でこれで終わったと感じた時、倒れていたリードとかいう山賊を束ねている頭が目を覚まして立ち上がった。


「ん・・・さっきの一撃はなかなかだった・・・さすが技量とセンスの塊といった所ね。

でも、そのナイフでどうするつもりかしら??

この人数と私たちは不意を突かれてあのザマだったけれど・・・相手がキルりんであって本気の戦いというのなら!!!私たちも本気の本気で戦ってあげるわ!!!

みんな、アレをやるわよ!!!」

「お頭・・・マジでアレをやるんですか???

もしもの事を考えなくて大丈夫??」

「私も補佐の意見に賛成です!!!」

「そうですよ!!!私たちの安全も考えて・・・・」

部下の言い分をイチイチ回答している時間が勿体ないと・・・頭は無理やり決行すると言い、部下たちも含めてキルりんに突撃し・・・・


「さぁ、全員バラバラに肉塊にしてやりますよッ!!!!

バラされたい牛女から前に出てきやがれ!!!」

「ついにヤバイ本性が出ちゃってるわ~~~アレはもう止まんないわね。

穴の準備でも始めましょうか?」

「そうだな・・・相手は何人だ??6人か。

メルト~穴は6つだ。」

「お、おい!!本当に止めるには今しか・・・

―――――――――ん?なんだか動きがおかしくないか??」

リードたちの動きをじっと見つめると・・・キルりんに殴りかかる事や暴力を振るうのではなく・・・・見事な隊列を組んだ土下座が出来上がっていた。


「キルりん・・・いや、・・・ここはどうか穏便に私たちを逃がすなり引き入れるなりしてはもらえないだろうか???

実はこうなった理由は――――――」

「お頭、ソレは私が説明したんでいいです・・・

違う事を話してください・・・」

「大丈夫かな???」

「ちょっと心配になってきた・・・」

「逃げちゃう??今なら私たちだけでも逃げれるような・・・」

「でも、後の事を考えたらやっぱり付いて行くしかないよ??」

後ろの方でゴチャゴチャと逃げるか逃げないかの話をしながら土下座の状態で放置し・・・キルりんを呼びつけて話をすることとなった。


「どうしたんですか??もしかしてあの乳に知能も技量も持っていかれたバカ女を助けるとか言わないですよね??

ハルトはそこまで乳に飢えていたのですか!?」

「ち、ちげーよ!!!お前らもそんな目で俺を見るんじゃねーよ!!!

そこの山賊もだ!!!

そ、そんなことよりもだな・・・アイツらはあぁ見えて仮にもアサシンの基礎はあるんだろ??

だったら・・・その力を隠して街の教会にでも入れて必要な時だけ協力してもらうって言うのはどうだ??」

「ん~キルりんの言い分だと・・・あれは相当なポンコツって言ってるけど・・・使ってみないと何とも言えないわよね。

魔王はどう思う??」

「私はハルトの意見に賛成だ。

何しろ同じ女性を罰と称して断罪するにしてもこの場は適切じゃない。

するのであれば断罪場だな。

だが、彼女たちの罪はそこまで酷いモノではない・・・だから―――――」

魔王の意見を参考に・・・まず、村の人々に謝罪し荒した畑を綺麗に耕し・・・壊した柵や家の破損個所を元通りにした後にぷんぷんと頬を膨らませるキルりんたちと共に街へと戻るとすぐに教会でジャージーとハイネ司祭にアサシンの部分を伏せて大体の事情を話すと――――――


「私はいいよ・・・でも、ここは教会だ・・・だから神にお許しをもらうか私に教会へ入るための入門料を支払ってもらわないと・・・・」

「それって・・・高いのか??」

を払って入れるのならコイツらの分も私が払うし何だってする!!!暖かなベッドと食料がしっかりともらえるのなら・・・・どんなことでも!!」

「か、頭だけには苦しい思いはさせません!!!私も協力しますよ!!」

「私も協力します!!」

「私も私も!!」

「私は・・・ちょっと・・・あぅ・・・わかったよ。

私も協力する~~~だから突かないで~~ほさぁ~~」

ハイネ司祭の言葉に強まる団結にジャージーは苦笑いしながら見ていると・・・ハイネ司祭は大きく笑いだし――――――


「あはははは、いいね!!!そのチームワーク・・・揺さぶったつもりが本当に仲のいい連中じゃないか。

あと、私の入門料はマネーじゃない・・・しってるかい??神はいつも欲しているものが違うんだよ??

時にはマネーだったり食料だったり・・・そして時には・・・スリーサイズだったり・・・・」

「は?おい・・・このバカ司祭は何て言いやがったんだ??」

「なッ!?スリーサイズだと!?そんな情報をどうするつもりだ!!!」

「はぁ~~やっぱりこういう胸の豊かな女性にはするんじゃないかと思っていましたけど・・・ハイネ司祭?それは駄目ですよ~~じゃないとぉ~痛い事になっちゃいますよ??フフフ。」

「私の見間違いだろうか・・・あの穏やかなジャージーの後ろにバケモノが見えるのだが??」

「それに・・・あの握りこぶし・・・プリーストの前はモンクファイターでもしてたような危ない握り方よ。」

「ジャージーの魅力は胸以外にもあるってことですね!!!メモしておきましょう!!」

「お頭・・・短い付き合いでした・・・サラバ!!」

さすがにスリーサイズの後悔は恥ずかしかったのか・・・補佐達が逃げようとした瞬間、リードが自分だけのサイズならと交渉を持ち掛け。

司祭はこの際、ジャージーにぼこぼこにされるくらいならと・・・リードのサイズだけで良いと言って了承すると。


「そ・・・その・・・上から96・・・66・・・85だ・・・うぅぅハズイ・・・」

「――――――――――ゴクリ・・・・」

「メルト・・・後でリードとハルトを土に埋めましょう。」

「いいわ、手伝うわ。」

「それならまずは焼いて灰にしないとな。」

「うっは~~ソレ96もあんのぉ??めちゃくちゃデカいじゃない。

肩とかこるでしょ??後であげるよ~~~あはは。

あ!でも、ジャージーのよりはまだまだちいさ・・・えっと、何も言ってないです・・・ハイ。

あ~それじゃ・・・みんなの入門を歓迎するよ!!ようこそハイネ教会へ。」

ハイネの言いかけた言葉に対して放ったジャージーの素振りは・・・ハイネの髪を貫いており。

その恐怖からジャージーについては何も言わず・・・リード達を教会に招き入れ、今回の依頼が完了したことをハルトたちはギルドに報告すると・・・いつもの酒場で飲み食いしてから家に帰って行った。


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