67日目 いざ、山賊退治!!

キルりんは練乳がたっぷり入った牛乳を口にすると。

喉に違和感を感じて飲むのを止め、キルりんの表情から面白そうと感じたのかメルトが少し飲むと・・・・・


「うっわ!?アッマ!!!これ飲んだ後は絶対に口を洗わないとアリで口が真っ黒になるわよ??」

「そんなに甘いのか・・・・だが、ジャージーは毎日これを飲んでるんだよな??」

「飲んでますよ??これで毎日元気で風邪なんて引いたことないんですよ?

あ、そろそろ教会の集合の時間ですので私はこれで・・・・」

「また明日ね、で・・・そこにいるグロッキーな彼女は大丈夫??

余りの甘さとドロドロに動きが止まってるけど・・・・」

「大丈夫だ、さぁキルりん・・・残ったコレを飲み切って依頼を探しに行こう。」

魔王はキルりんの前にドンっとドロドロの牛乳を置くと・・・キルりんは勢いのまま牛乳を飲み干してダウンした。


「いやぁ~まさか本当に飲み切るなんてね。

でも・・・これ、すごいカロリーだからちゃんと運動した方がいいわよ??」

「うぅぅうぅ・・・・コレ飲んだ後に激しい戦闘を行うのはある意味スクール時代よりも過酷のような気がします・・・水が欲しいです。」

「ホレ、水だ・・・んじゃ、おっちゃん朝飯サンキューな。」

「御馳走さまだ、さぁ!!!今日も張り切って害獣駆除しに行こうぞ!!!」

「朝から魔王って元気よね~~~でも、何かしらの依頼をしないと食べていけないのも確かだし・・・仕方ないけどやるしかないわね~~あぁ~メンド~~」

「まぁ、依頼頑張ってきな!!!今日の稼ぎで晩飯を食べに酒場ウチに寄ってってくれよな!!アッハッハッハ!!!」

店主やウェイトレスの女の子に激励されながら酒場を出てギルドで程よい依頼を探すこととなった。


「あとさ・・・何で俺がキルりんをずっと背負ってるんだ??

そろそろ自分の足で立ってくれねぇか??」

「うぅぅぅ・・・仕方ないですね・・・多少気分は良くなりましたが、アレは毎日飲めそうにありません。

むしろ、週一でもキツイものを感じます。」

「あの甘さは凶悪ね、悪魔的な甘さだったわ。」

「そんなに甘かったのか・・・私もひと口だけ飲めばよかったな。

かと言って1人で全部を飲めそうにもないしな・・・・」

ぐだぐだと練乳牛乳の話をしながら依頼を探していると・・・・


「おい、聞いたか?何でも最近この辺りに変なヤツが現れるらしいぞ?」

「何?変な奴?変な奴ならにいるだろ??何を今さら・・・・」

「おい、バカ!!!みんなの事じゃないんで!!!

こんなギルドのど真ん中で全員を変な奴呼ばわりするヤツがあるかよ!?死にたいのか!?

それに・・・をまないただとか壁とか言ったら大暴れするもこのギルドに通ってんだ・・・あんまり大声で騒ぎになるようなことを言うんじゃ―――――――――

お?どうしたんだい嬢ちゃん??こんなギルドに来たら駄目だろ?ホラ、家に帰んな。」

「おい、キサマ・・・・このアサシン界とこのギルド一体でちょっと噂の立つキルりん様の事を噂してたんじゃないだろうな??

さぁ・・・誰の!!どの!!部分が!!!凹凸のないさら地だって!?あぁん!?!?」

「おいハルト・・・キルりんがまたもめ事を・・・・」

「アイツの事は知らん・・・いっつもすぐケンカだからな~~~

(キルりんの一方的な暴行だが)――――――――」

「キルりん!!そこよそこ!!!もっとグイグイやっちゃいなさい!!!

私はキルりんに50000ゴールド賭けるわ!!!え?キルりんのオッズは1倍??それじゃ賭けになんないじゃないの!!!」

メルトはと言うと・・・キルりんと男の戦いの賭けに参加し、キルりんの一方的なショーを見て楽しんでいた。


「お、こんな依頼があったがどうだ???」

「何々・・・山に現れる山賊を追い払って欲しい・・・か。

良いんじゃないか??追い払うだけなら楽でいいからな。

それに、あのキルりんを使えば一瞬だろう。」

話は2人で決め、依頼を受け・・・ケンカ途中のキルりんと煽るメルトの2人を引きずって依頼場所の山に向かうと――――――


「ここが、その・・・山賊が出ると言われる山ですか・・・・

それはそうと、どうしてあのケンカを最後までやらせてくれなかったのですか??

どう考えても悪いのはあっちだと思うのですが??」

「そうよ!!私はただ賭けファイトを見てただけなのに!!!

どうしてぶたれないといけなかったのよ!?」

「お前が相手を煽ってキルりんに指示してた首謀者だろうが!!!

あと・・・この山賊は結構やり手らしくて音もなく忍び込んでは金品ではなく直接食べ物や依頼で言っていた畑を荒らすとのことだ。」

「ふむ、手際のいい山賊も聞いたことがないな。

どこかの組のはぐれモノか組織の抜け組か何かだろうか??」

山賊の詳細について議論しながら探索をしていると、静かな山のどこからか大きな声で騒ぐ声が聞こえ・・・その声の方に寄って行くと。


「野郎ども!!今日も大量の収穫だ・・・と、言うわけで宴会だ!!!」

「宴会だ宴会!!!酒だ酒!!!酒もってこーい!!」

「野菜ウメーーーーー」

「・・・・・・・・・・・・・アレ、だよな???山賊・・・」

「あの口ぶりと生の野菜にかじりつく姿からしてアレが山賊でしょうね。

ですが布で顔を隠してるのであまり素顔は分かりませんが・・・どこかで・・・」

「そんな事よりもアレを見て・・・あのお酒は結構良いモノよ。」

「メルト、今はにもギルドから受けた仕事が優先だ。

だから酒はこの山賊たちをどうにかした後でだ。」

この状況からして今出るとマズイと考え、山賊たちの様子を見ながら突撃するタイミングを狙っていると・・・・


「それじゃ、私・・・一発芸やります!!!

――――――――――ハイッ!!!」

「アハハハハ!!懐かしいネタするわね~~~

あぁ・・・まないたのキルりんね。

スクールを卒業してからどうしたんだろね。」

「さぁ~犬にでも食べられてたりしてね~」

「いやいや、あんなまな板は包丁の下にする以外に使い道ないと思うよ???」

「言えてる言えてる・・・・アハハハ―――――――――」

「ハルト・・・その手は何ですか??止めてないでください・・・いえ、止めないも何もどこにもいきませんから!!本当ですよ・・・アイツらをぼこぼこにしようとなんて考えてませんから!!!」

「いやいや全部駄々洩れだからな!!!落ち着けとは言わん・・・ただ、タイミングをだな。」

「そうよ!!!今行くべきよ!!!だって早く救出しないと!!!」

「何ッ!?人質がいたのか!?どこだ?どこにいるんだ???」

魔王が辺りをきょろきょろと探して見当たらない人質をメルトに尋ねると・・・・


「人質と言っても人じゃないわ・・・あの名酒シュゴビーよ!!!

さぁ、キルりん・・・レッツゴーパーティー荒らし!!!」

「オーイエ!!!お久しぶりです!!!クソボケ女どもぉぉぉぉお!!!!」

「あぁ・・・こうなったらやるしかない!!!魔王、キルりんに続いて援護だ!!」

「了解だ!!!さぁ・・・山賊ども!!!今、立ち去るなら見逃してやろう。

だが、刃向うとなれば・・・このキルりんが貴様らを肉塊にする。

さぁ、どっちか好きな方を選ぶがいい。」

「何ィ~~キルりんですって???

あ~~ん??お、噂したら本当にキルりんが出て来たじゃない!!!

キルりんおひさ~スクール卒業式以来??元気だったはッ!?」

「お頭!?!?!?しっかり!!彼氏に散々遊ばれてフラれたくらいでも倒れなかったお頭を一撃で・・・・このは一体―――――――」

「お前たちは下がってな・・・コイツはさっきの一発芸でやった本物のキルりんだ。

お前たちに教えたの技で敵う相手じゃない。

それにしても久しゾフッ!?!?」

「ぎゃーーーーー補佐までもが!?!?

そこのちっさいの!!!今度は私が相手だ!!!!

くらえ!!クナイ投げ!!!」

今日のキルりんは今までのキルりんじゃないくらいに動きがよく・・・・

投げられた2本のクナイを受け取り、投げた下っ端の女に投げ返すと――――――


「キャーーーーーーーみないで!?!?!?」

「この世界にもあるんだな、白と水のしましまか・・・・いや、これは不可抗力だッ!!!」

「ケッどうだか・・・で、キルりん・・・この伸びた2人とは知り合いなワケ?

何だか親しみのある感じだったけど。」

「この2人は朝に話したスクールの同期ですよ。」

「世間は狭いな・・・だが、アサシンスクールを卒業してからどうして山賊をしていたんだ???」

一方的な暴力よりも平和主義の魔王はまず事情を知るために2人の回復を待っていると・・・以外にも早く目を覚まして起き上がっていた。

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