65日目 教会の司祭ハイネの性癖

そして、家に帰ると・・・ハルトは先に風呂に入って自室に戻ってから夕食の出来事を思い出すと・・・ほろりと涙を浮かべて枕に顔をうずめていた。


すると・・・ハルトの部屋に誰かがノックをして部屋の中に入ってきた・・・


「まだ、そんなにしょげてんの???

せっかく気を利かせて私たちよりも先にお風呂に入れてあげたって言うのに・・・・どうしたらその機嫌が直るのよ???」

「別に・・・そうだな・・・今日は早く休ませてくれないか??

少しでも長く寝てこの事を忘れたいんだ。」

ハルトはメルトにそう言うと・・・何も言わずにメルトは部屋を出て行った。

そして・・・しばらくしてハルトはトイレに向かおうと部屋を出る際に一通の手紙らしきものが床に置いてあり。

ハルトは不思議そうに中を開けてみると・・・


「アイツ・・・本当にバカだな。」

その手紙の中にあったモノは・・・メルトからの励ましの手紙が1枚と謎のメルト銀行1兆ゴールド紙幣と書かれた紙切れが入っていた。

その紙幣はメルトの手書きと言う事もあって・・・絵も字もゴテゴテで幼稚園児でも少しは良くかけると言う出来であったものの、ハルトはこのバカみたいな紙幣と手紙をポケットにしまいトイレを済ませてベッドに戻ると。

ハルトは横になりながら目を閉じて・・・「明日からまた頑張るか」といいながら眠りについた。


そして、翌朝・・・・メルトに会うと、すぐに紙幣を取り出して使えるのか尋ねるが。

メルトは慌ててハルトのポケットに紙幣を捻じ込み・・・何もなかったように魔王たちを引き連れて酒場へと向かっていた。


「おっと、俺は先に用を済ませてから酒場に戻るから席を取って待っててくれ。」

「はいはい、どうせ寄付と修理代のお金をおろしに行くんでしょ??しってるわよそんくらい。

ホラ、さっさと行ってきなさいって・・・キルりんどうしたの??」

「いえ、大金を運ぶのですから誰かがハルトを守らねばと思いまして。」

「キルりんだけじゃ不安だから私も行こう・・・席を取るだけならメルトでもできるだろうしな。」

そう言ってメルトはシッシッとジェスチャーし、魔王たちと別れると・・・お金を銀行で寄付金と修理代を取り出して、まずは教会へと足を運んだ。


「おっす、ジャージー。

急にで悪いんだが・・・プリーストを束ねてる司祭はいるか??」

「おはようございます、ハルトさん・・・それに皆さんも。

司祭ですか??教会の奥の部屋におられますよ?」

ジャージーに案内され・・・司祭のいる部屋にやって来ると。

司祭は下着姿で大きないびきをかいて寝ていた。


「ジャージー・・・まさか司祭ってコレか??」

「えぇっと・・・ハイ・・・ごめんんさい。

でも、このハイネ司祭はとってもお優しい方なんですよ?

女性の身でありながら私たちを養ってくれているんです。

最近は募金が無くて暇だとか外に出たくないとか言って資金が底をつきかけていたんです・・・ハイ。」

「こうやって見た感じだと・・・どっちがスネかじりなのかわからないが。

ジャージーがそう言うんだ、きっと良い人なんだろうな。」

「そうですね・・・が言うんですから!!!

にしても・・・この司祭は私に喧嘩を売っているのでしょうか??

下着姿な故にあるモノがデカイじゃないですか・・・・」

キルりんは一部を睨みつけてナイフに手を伸ばすと・・・・


「ここでナイフはダ~メだよぉ~~~むにゃむにゃ・・・あぁ・・・司祭の私がぐうたら寝ているいい天気の日に何用かな??」

「もぅ、ハイネ司祭はもっとしっかりしてください!!!

あぁ・・・服も脱ぎっぱなしで・・・食べた皿も置きっぱなしですよ!」

「私のナイフに気が付いていた・・・・この司祭とかいう牛女は多少できるみたいですね。」

「牛女とか初対面の女性に言う言葉じゃねぇだろ??

あ、ジャージーの友達のハルトって言います。

その、色々あって資金提供しに来たんだが・・・・もしも~し。」

「ふむ・・・寝ているな。」

ハイネはだらりと首を下げたまま再び寝ており・・・ジャージーは司祭を起こすためにあるものを持って来た。


「ハイネ司祭・・・最近は言った天使のようなリザさんの写真ですよ~~~欲しかったらシャキッとしましょうね~~~」

ジャージーの手にはリザさんがにんまりと笑った写真が握られており・・・ハイネはチラッと写真を見ると、奥のタンスから司祭の衣装を取り出して迅速に着替えてやってきた。


「さぁ、ジャージー・・・約束のブツを。」

「はぁ・・・ハイネ司祭の変な女癖さえなければ本当にいい人なんですが・・・・どうぞ。

写真代は別途ですからね。」

「えっと、メルトを待たせてるから簡略的に言うが。

これが俺の提供できる資金だ。

これで・・・リザさんや皆に良いモノを食べさせてやってくれ。」

ハルトは大きな袋を魔王から受け取ってハイネに渡すと・・・


「ジャージーのお友達ねぇ、へぇ~~ほぉ~~ん。

よし、気に入った!!!!

ジャージー以外にもリザもみんなのために資金提供してくれるってことは!!

ハルト君も、ここにいる全員とキャッキャウフフしたいってことでしょ!!!」

「ちゃうわいバカ司祭!!!

そんなコトを言われるくらいなら資金の提供は無かったことに―――――――」

「いえいえいえ、資金提供がないと私たちお腹が空いて死んじゃいますぅ!!!

ここは私たちのためにも資金の提供を・・・・何でもしますので―――――」

「ジャージー、それは言ってはいけない言葉です。

仮にもハルトは男でありケモノ・・・簡単に何でもするとかいえば図に乗ってメチャクチャにされちゃいますよ??」

「そうだな・・・あのケモノノような目で舐めまわされるのは私たちだけで十分だな。

ハルトも、欲望に我慢が出来なくなれば・・・わ、私が・・・その・・・」

朝から魔王はとんでもない事を口走りそうになっていたところをハイネの大笑いがかき消した。


「アッハッハッハ!!!いやぁ~~朝から傑作じゃないの。

ジャージーいい友達と出会えてよかったね。

それに、ジャージーって・・・こういう男の子がタイプなの??んん??」

「いやいや俺なんかがジャージーの好みなワケ――――――」

「えっと・・・・その・・・・アハハ・・・どうなのかなぁ??

私もその・・・どういったらいいのかわからないので・・・リザさんのお手伝いに行ってきます!!」

「あれは・・・何かありますね。

――――――――――ことが起こる前に消しときますか??」

「いや、ここは私が跡形もなく教会ごと――――――」

更に2人は物騒な事を企みはじめ・・・この流れを換えるには酒場に戻るしかないとハルトは考え。

ハイネに資金を任せたと言って、キルりんと魔王の手を握って酒場までダッシュして戻った。


「はぁはぁ・・・お前ら所かまわず暴れようとするんじゃねぇって何回言えばわかるんだよ!?」

「で、何があったワケ?まぁワケは後で聞くとして、店主が修理費を待ってるわよ??」

ハルトは魔王から袋を受け取り、店主に修理費と飲み代を支払うと・・・今日の朝飯の代金はいらねぇからと言って気前良く振舞ってくれた。


「良かったじゃない!!!朝からツイてるわね!!!私はこれとこれとこれで。」

「メルトは朝からそんなに良く食べれますね・・・・太りますよ??

まぁ、私はじゃんじゃん食べた所でが全然太らないんですがね・・・・」

「そう言いながら取り出してる錠剤は何なんだ???

また、か?・・・最近の若いのはすぐに走る・・・」

魔王のドラッグの連呼にイラっとしたのか・・・キルりんは机をバンバンと叩きながら錠剤の説明をし始めた。


「これだから持っている者は・・・これはですね?ドラッグではなくて・・・

何と!!進化したデルトコデルンMK3なんですよ!!!

これには牛乳1000本分の栄養と質やハリをよくする成分から何から何までデルトコに作用する最高なサプリメントですよ!!!!」

「また、そんなインチキ商品に手を出してたのか・・・・いつも洗面台でセクシーポーズの練習をするのはいいが・・・もう少しデカく・・・あいたッ!?」

「そういう商品は効果が強くなればなるだけ副作用も強くなると聞くが・・・・そのサプリメントには副作用は出ないのか??」

「あんたたち・・・朝食が来るまで黙って待っていられないの!?

こういう時間が庶民とロイヤルな違いが出て困っちゃうわね~~~

で、はあるの??」

最終的にメルトも話に入ってきて・・・キルりんの長々しい説明と効果を復唱するだけで副作用の所までは読んでいなかったという感じで、クールビズが終わったのか普通の衣装のウェイトレスが料理を持ってくると・・・キルりんはサプリメントをこくりと戸惑う事なく飲んで朝食を食べ始めていた。

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