64日目 プリースト達との夕食

ジャージーの落としたカゴの音にクマが気が付いたのか・・・・クマは魚を食べるのを止めて、ジャージーの落としたカゴの方にのっしのっしと歩いて近づき・・・・

クンクンとキノコの匂いを嗅ぐと・・・刺激臭でもしたのかクマが急に大暴れしていた。


「な、何が起こってんの??あのジャージーの落としたキノコ?を嗅いだらバカになっちゃったの??」

「どうやらそうみたいですね・・・で、ジャージー・・・あのキノコの中に刺激臭のあるキノコとか興奮作用のあるキノコがあったりしませんか??」

「ん~食べてみないとどんな感じで興奮するのかわからない・・・・でも、私が匂った中ではそう言った危ない匂いのしたキノコはなかったハズ・・・」

「自信ないのかよ!?まぁ・・・あのキノコのおかげで攻撃しやすくなったな。

メルト、クマにの電撃系の魔法を与えて追っ払えるか???」

ハルトはメルトに命令を出すと・・・メルトは少し悩みながら魔法をチャージして魔法を放つと、クマは足を引きずりながら森の奥深くへと逃げ帰って行った。


「ふぅ~~ざっとこんなもんよ!!!

でも・・・私の釣った魚が・・・全滅よ!!あんまりよ~~~うえぇぇ。」

「メルトだけの魚ではないのですがね・・・それに、この食われようだと本当に全滅ですね。

あとですね、ジャージーのキノコを調べたのですが・・・誰かを毒殺でもしようとしたのですか???これもこれもこれもこれも毒キノコですよ??」

「アレ??私こんなキノコ入れた覚えはないんだけど・・・・あの不思議な香りのキノコを食べてからの記憶がぼんやりとしか覚えていなくて。」

「そのぼやけた状態でよくキノコ集めを続行しようとしたな。

普通は教会に帰るとこだろ・・・」

「きっとキノコを食べた際に出た副作用か何かで気がハイになっていたんだろうな・・・帰ろうにも意識がぼやけていたせいで洞窟に迷い込んでいたと言う事も考えられる。」

何だか恐ろしいキノコの存在が浮上したが・・・その、ジャージーが食べたとされるキノコはどこにも入っておらず。

キルりんが毒判定したキノコを土の中に埋め、ハルトたちが川に消えてった付近に捕らえた魚がいないかと探しに行くと・・・


「ハルト!!いたぞ!!ハルトと私が釣った2匹だけだが生きて残っていたな!!」

「よし、そんじゃ・・・今回の魚釣りは俺たちの勝ちって言う事でいいよな??」

「今回はイレギュラーと言う事もあって流して欲しいですが。

仕方ないですね・・・今回は私たちの負けで結構です。」

「ハルトたちに負けるなんてなんかヤだわ・・・・さ、ジャージーこんなところからさっさと帰るわよ~」

「あ、待ってください~~~メルトさ~~ん。」

こうして・・・魔王とハルトの小さな冒険も幕を閉じ、ジャージーと共にギルドに戻って報酬をもらい。

いつもの酒場でジャージーと共に夕食にした。


「ジャージーっていつも酒場でご飯食べてるけど・・・どうしてなの??」

「あ、えっと・・・その~恥ずかしいのですが笑わないでくださいね??」

「大丈夫だジャージー、このメルトとキルりんを見て見ろ・・・いつだって他人から見たら笑われる象徴になってるぞ??

それに比べたらジャージーの理由なんて全然問題な――――――」

「おっとぉ~~~私の手の中にあったはずのナイフとフォークが暴れちゃいましたぁ!!!

あと・・・そこの冒険イモムシ野郎ども!!!何ハルトの意見に賛同して首を振っているんですか!!!ちょっと表に出やがれ!!!」

キルりんは男たちを外に連れ出し・・・外でケンカが始まり、その仲裁に入るのも面倒でジャージーの話の続きを聞くと・・・


「私、ちょっと・・・教会の食事だけだとお腹がいっぱいにならなくて・・・いっぱいになる日もあるのですが。

最近は教会に資金があまり入らないので食事にまで響いているんです。

だから少しのお金をもってここでお酒と食事をしてお腹を満たしてから教会に戻ってるんです。

本当に意地汚いプリーストでごめんなさい・・・・幻滅しましたよね?」

「いや・・・教会に資金提供はできなけど、メシくらいなら奢るぜ??」

「ハルトォ~下心見え見えよ??それにハルト、あんた金なら沢山持ってんでしょ!!!少しくらい寄付したってバチは当たらないと思うわよ??」

「その・・・強制は良くないが、ハルトの持っている額で行けば協会は助かるんじゃないだろうか??

だが、最終的に決めるのはハルトだ・・・それに、しないからと言って私はハルトを責めたりはしない。

ただ・・・少し寂しさを感じるぐらいで―――――」

魔王がシュンとした瞬間・・・メルトはハルトの腕をクイクイと突いてどうなのかと尋ねるような顔で見ていた。


「あ~わかったわかった・・・ジャージーが困ってるんだ。

俺でよければ多少なら金寄付してやるよ。

魔王、これでいいか??メルトも?」

「ハルトはやっぱり最高なヤツだ!!!私は本当にハルトの仲間と言う事に誇りを感じるぞ。」

「ってなわけで・・・話もいい感じにまとまったことだし???3でパッと楽しくハルトのオゴリで飲んで食べちゃいましょ!!!アヒャヒャヒャヒャ。」

「いいんでしょうか??寄付してくださるハルトさんからお食事までお呼ばれしてしまって・・・・」

ハルトはメルトとは違ってジャージーの言葉に大丈夫と言うと・・・・

ジャージーは酒場から出て行き、数分して戻ってくると――――――


「ジャージー?このは???なんだ??

――――――――――まさか・・・・」

「ハイ!!!私だけだと皆に悪いと思って呼んできちゃいました。

えっと・・・・ダメでしたか???」

「このプリースト・・・私よりちゃっかりしてんじゃないの?

ここまでやる???」

「あはは・・・だが、ジャージーに悪気のある目はないから本当に思いやりからの行動だったのだろうな。

だが、ハルトが息をしていないな。」

魔王がふと、ハルトを見ると・・・プリーストにもみくちゃにされる目が真っ白になっていた。

そして、プリースト達は席に着き・・・シュゴビーや料理をじゃんじゃんと食べて飲んでと宴会騒ぎで盛り上がり、騒ぎを聞きつけたキルりんはハルトたちのいる席に戻ってきた。


「あの、このプリーストの群れは何ですか???

ジャージーが仲間を呼ぶでもしたのですか??」

「そうよ・・・まぁ、ハルトが全員分を奢るから私にはあまり関係のない事だけど・・・一応、ありがとうくらいは言っておいてあげるわ。

その・・・あ、ありがと――――――」

「私も心から感謝するぞ・・・楽しく優雅な夕食をありがとう、ハルト。」

「モシャモシャモシャ・・・・ごちそうさまですよ、ハルト~~」

「ぐぴぐぴ・・・・ぷへぇ~ハルトさぁん・・・のんでまひゅかぁ??ヒック。」

「ジャージーは酒が弱いのにシュゴビー飲んだら駄目だろ!?

おいおい・・・そこのプリーストもそんなところで寝るなよ!!!

リザさん火を噴いたら駄目だ!!!

何でこんなにややこしいのばっかりがプリーストなんだよ!?」

辺りを見れば・・・酒の勢いでゲラゲラと話して楽しむプリーストから。

口から火を噴いて場を盛り上げるリザさんまで・・・プリーストに審査基準があるのかと甚だしく疑問に思いながら食事が終わり――――――


「ハルト、コレが今回の全員分とあの火を噴いていたプリーストが燃やした屋根の修理費を合わせた額だ。

ハルトはいい奴だから値引いたが・・・ちゃんとツケでもいいから払ってもらうからな???」

「あ・・・了解っす・・・アハハ―――――」

「で、ハルト・・・・いくらだったの??」

「私はそこまで食べていないのですが・・・修理費とか言ってませんでしたか??

って、アレですか・・・・アレは請求されても仕方ないですね。」

「それにしても今日の夕食は最高に盛り上がったな・・・それに、まだあのワイワイとした感覚が私を包んでいる。

今日はちゃんと寝れるか心配だ!!!」

「ふにゃ~~それでははるとひゃんたひさひょうならぁ~~~」

「ウゥゥアゥアァァアゥアッア!!!」

完全に出来上がったジャージーを引きずりながらリザさんは「バイバイ」とでもいったように手を振って教会へ戻って行き・・・・

ハルトは修理費と合わせて550万ゴールドの支払いが書いており・・・グッと紙を握りしめると、4人にボソっと金額を伝えてから家にトボトボと戻って行った。

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