54日目 華麗な連係と依頼のクリア!!

翌朝、朝食と装備を整え・・・メルトが糸でぐるぐる巻きにされた場所に向かうと・・・何やら小さなクモがワラワラと現れており・・・昨日の巨大クモが卵を産んだのが返ったのか早く対処しないとこれはこれで面倒なことになると考え、メルトに巣といるであろう巨大クモ諸共燃やすように魔法を唱えさせると・・・・


「で、出ましたよ!!!しかも・・・からです!!!」

「ねぇ・・・これ、やっちゃっていいの!?!?先に巣を燃やしちゃっていいの!?燃やしたらコイツ怒らないかしら!?!?ねぇ、聞いてる!?!?」

「あ~あとの事はに考えるとして・・・・燃やせ!!!すぐに燃やせ!!!」

「絶対に怒るだろうな・・・・私がクモだったなら絶対に魔法を唱えたヤツを八つ裂きにするまで許さないってくらい怒るヤツだな。」

魔王の例えを聞く前にメルトは巣に火炎弾を放つと・・・それはもう見事なまでに猛々しく燃え上がり、小さなクモも巻き添となってチリリと燃え散ると・・・巨大なクモはキルりんからメルトを目掛けて移動していた。


「うぇッ!?ああぁぁぁ・・・この後のプランはどうなってんの!?もしかしてまたぐるぐる巻き!?い、いやぁぁぁぁそれだけは嫌!!!だ、誰か・・・・お助け・・・・・」

「魔王・・・メルトの救助を頼めるか?俺じゃあの巨大クモはどうも止めれそうにない・・・」

「わかった・・・そう言うと思って大剣を取り出しておいたぞ!!!

では、メルトを助けに行ってくる!!!ヤッホー」

「だ、大丈夫なんですか・・・魔王のテンションがやけに高いのですが・・・・

伝え忘れてました・・・こちらはハルトに言われた通りに他の木にクモがいないかぐるっと見て確認してきましたがあの木以外に問題なモノはありませんでした。

つまり、後はあの巨大クモを討伐するだけで依頼完了です。」

キルりんから辺りの状況を聞くと・・・他の木々に問題がない事から、巨大クモの討伐のみが残っている状況であり・・・魔王と戦い始めた巨大クモの陰からメルトは何とか這い出して逃げてきた。


「今回も糸でぐるぐる巻きにされちゃうんじゃないかって思っちゃったわ・・・・で、これからどうすんの?」

「メルトはあの巨大クモを燃やす魔法を頼む。

キルりんは今回、戦闘に参加じゃなくて伝達係だ。」

「はい、わかりました・・・で、何を伝達するのですか??」

キルりんに頼んだ伝言は・・・メルトの魔法の準備が完了次第に避難とだけ伝えると・・・メルトはささっと速足でクモにばれない程度に隠れていた。

で、その魔王はというと・・・巨大クモと大剣で戦っているのだが、どう見ても魔王は手を抜いて戦っているように見えて仕方なかったのだが・・・


「ハルト・・・チャージ完了よ!!!いつでも発射OKよ!!!

ってか、早くしないと勝手に出ちゃいそうなんだけど??」

「マジか!?おい!!キルりん!!緊急で避難開始だ!!!」

「え、あ・・了解です!!!魔王、メルトが魔法をぶっぱするそうなので非難してください!!それじゃ、私はお先に―――――――」

「くぅ・・・やっと面白くなってきたところだと言うのに実に残念だ。

(でも、本当なら5秒もあればバラバラの肉塊にできたんだが・・・それは秘密にしておこう。)

うむ、わかった・・・避難開始!!!」

魔王は巨大クモから遠ざかると・・・誰もいないことを確認し、メルトは巨大クモに魔法陣を集中し・・・・怒りの業火の如く、火の魔法で巨大クモを真っ黒こげの炭にしてしまった。


「今回は何とか予定通りに事が運んだな・・・・いつもこうだと良いんだが。」

「ハルト!!!やりましたね!!!実に見事な連係プレイだと私は思いますよ!!!」

「キルりんは偵察と伝言しかしてないじゃないの・・・・私なんか二度目のぐるぐる巻きを体験しそうになったんだからね??」

「みんな、良い戦いだったな。

それにしてもこの大剣はやはりいいモノだな。

大きくて硬く・・・そしてこのツヤ・・・本当に最高の武器じゃないか!!ハルトもそう思わないか??」

魔王に大剣はすごく似合うと思うのだが・・・なんだか違うモノを連想しそうになるところを抑え、キルりんに狼煙を上げてもらい俺たちはギルドに戻ると・・・・


「よぉ~噂は聞いたぜ!!キングサイズの巨大親クモを倒したんだってな!!!いい仕事するじゃねぇか!!!見直したぜ!!!」

「まぁ~キルりんはデコでもボコでもぺったんだがな!!!アッハッハッハ!!!にしても、大したもんだ。」

「よし、ハルト・・・ここで別行動にしましょう!!!私はあの2人をボッコボコにしないと気が済みません・・・・」

「ほどほどにな・・・・で、今回の報酬は??」

「ハルトさんたちのデコボコ・・・コホン・・・えぇっと・・・パーフェクトパーティーには指名手配されていた外来種の巨大親クモ討伐の特別報酬が出ていますので・・・180万と8449ゴールドの報酬です・・・お確かめください。」

「アレは特別な外来種系の害獣だったんだな、巨大が取り柄のクモと言うわけじゃなかったわけだ・・・・」

「やっとまともな報酬金額が出たわね・・・それじゃ、飲みに行きましょ!!!」

男をボコるキルりんを止めて、俺たちは報酬を山分けにすると・・・その足で酒場でどんちゃん騒ぎをしてから家に戻った。


「んくぅ~~~今日のお風呂も最高ね~~~魔王・・・・どうしてお風呂に大剣を持ってきているの??ここには害獣とかでないわよ?」

「いや、大剣も仕事をしたんだ・・・綺麗にしてやらなとな。」

「そう言いますが・・・全裸で大剣って・・・絵が絵ですね・・・それにお風呂場じゃなくて外で洗えばいいんじゃないですか??」

「んなことはいいから早く上がってくれよ~~~お前ら3人で風呂に入るといつも長いんだからよぉ・・・・それに、毎回注意する俺に身にもなってくれよ・・・」

ハルトが注意をすると・・・3人は微妙な返事で返し、魔王は一緒に入ればいいと冗談を言うが――――――


「ちょっと、あんなケダモノハルトなんて入れたら大変な事になっちゃうわよ??

まぁ。キルりんは無事だと思うけど・・・・」

「どうして私だけ無事なのか教えてもらえますか?それにを見て残念な顔をしているのですか?本当にメルトでも行っていい事と悪い事がありますよ??」

「そうだぞ!!キルりんはこれでも精一杯に牛乳やオオキクナールを服用して成長を促しているがどれも不発しているだけなんだ!!!

だと言う事はキルりんも知っているとは思うが・・・ん?キルりん・・・その、ナイフを取り出したんだ!?キルりんにはなんてないはず―――――――」

注意したところで意味はないとわかってはいたが・・・いつものように騒がしく賑やかな4人のグダグダな一日が過ぎて行った。


トゥルッポッポー・・・・そして、あれからぐだぐだと日が過ぎ、月が過ぎ・・・・そう、蒸し暑さが際立つ夏の時期が到来した―――――――――


「アヂ~~~この家、とかないのかよ??

マジでくそ熱い・・・ってか、お前らの薄い服が羨ましい・・・」

「クーラー・・・超セレブにしか持っていないとされる・・・不眠不休で冷却魔法を唱え続ける魔法の箱・・・・そんなものが私たちのこの家にあると思いますか?

NOですよ・・・あと、こういう時だけですが胸がなくて助かりました。

いやぁ~快適です。」

「こういう時だけマナイタシールドが羨ましく思うわ・・・・くっ付いて気持ち悪いのよね・・・コレ・・・・」

「それはそうだが、で・・・これからどうする??また、酒場で冷たいものでも食べに行くのか?それとも依頼を受けにギルドに向かうのか?」

こうも熱いと考える体力も奪われるため・・・ひとまず頭をくらくらさせつつであるギルドに向かった。

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