45日目 特別なアカスリのプラン

アルダは後ろの方で話すメルトたちに気付かれないように、ハルトの耳に息を吹きかけたりと・・・直接触れない悪戯で遊び始め、好き勝手に遊ぶアルダに対し・・・俺はアルダの後ろに手をかけ、尾を探してスチームの発生音と同時に強く掴むと――――――――


「―――――――んひゃうぅうぅぅッ!?」

「ちょッ!?シッーーーーー!!そんな声出すなよ!?バレたらどうするんだよッ!!」

「ん?何かさっき・・・スチーム音と同時に欲情するメス牛のような声が聞こえたような・・・・」

「どんな声よ!?今まで生きてきてそんな場面に一度も会った事ないわよ!

―――――――本当にキルりんって変わってるわぁ~」

「私もスチームの音で殆ど聞こえなかったが・・・・きっと空耳だろう。」

やはりというべきか・・・キルりんの耳は微妙に声を捉えており少しでもスチーム音とズレていればバレていたと冷や冷やしていると・・・アルダがハァハァと息を荒くしながら話しかけてきた。


「さっきのは反則よ・・・・はぁはぁ・・・

尻尾は超敏感なのよ?魔王にもそう聞かなかったの??

思わず変な声を出しちゃったけど・・・・二度と握っちゃ―――――」

「お?スチームがそろそろ・・・・いまじゃッ!!!」

「――――――あぁ~~いいスチームねぇ~~~」

「全くだ~~~コレで体もスベスベでしっとりだな。」

「ん~~?また、声が聞こえたような・・・・・それとも私の耳がおかしくなったのでしょうか??」

再びやってきたスチームの音と重なるように尾を強く握ると・・・アルダは全身をビクビクさせているのか、尾からブルブルと震えが伝わって来ていた。


「こんにゃの・・・だめぇ・・・くぅ・・・仕返しよ!!」

「おいッ!?おまえ・・・・・・タオルがッ!!!」

アルダは仕返しにと腰に巻いていたタオルを彼方へと投げ飛ばし・・・両手が使えなくなった俺を見てフフフと不敵な笑い声を漏らしていると・・・・


「何よコレ・・・さっき飛んできたケド・・・・ん?タオル??

誰よ~こんな下らない悪戯する馬鹿は!!!」

「わ、私じゃないですよ!!!ホラ!!!私のタオルはこれです!!!」

「タオルの1つや2つ・・・ん?そのタオルからどこかで嗅いだ匂いがするが・・・・少し貸してくれないか?」

「俺のタオルをどうするつもりだ・・・・・まさかこんな形でバレるのか!?」

「フフフ・・・さぁこの先が楽しみね・・・・どうなるかしらぁ?」

メルトからタオルを受け取った魔王は・・・タオルから漂うニオイで誰のモノかを特定しようとしたが―――――――――


「いや・・・私の勘違いか・・・それに他人のタオルを匂うなど、魔王のすることではないな。

ここにでも置いておけばスタッフとやらが回収していくだろうし。」

「そうですね、それにそのタオルを持ってたモノがどんなを持っているかわからいですからね!!!」

「そう考えたら手が気持ち悪くなっちゃったわ・・・私、手と体を洗ってくるけど・・・魔王たちはどうする?」

「早く消えろ早く消えろ・・・・消えろ・・・・キエロキエロキエロキエロ・・・・・」

メルトがそう聞くと・・・魔王とキルりんは汗でべとべとすると言って3人仲良くスチームサウナ室から出て行くと―――――――――


「あぁ~あ・・・コレと言ってイベントが発生しなくて残念だったし、ただの尻尾握られ損じゃない――――――――」

「それはアルダがどう考えても悪いだろ・・・・よし、これでタオルは回収完了っと・・・ん?何でもうひとつタオルが?」

「あ~いけないいけない・・・タオル忘れるところだったわ――――――

――――――――――ハ?へ・・・ヘ・・・変態ッ!!!!

――――――――――――ストームブラストォォォオ!!!!!」

タオルを回収しに来たメルトと運悪く出くわし・・・メルトの強烈な風魔法によって銭湯をぶち抜き、男風呂にまで俺は吹っ飛ばされ・・・アルダはたまたまを装いながら指をパチンと鳴らして壁を塞ぐと、スタッフに何もなかったと言いながらメルトと共にスチームサウナ室を後にした。


「くっそ・・・・メルトのヤツは全力で魔法を放ちやがって・・・・こっちは被害者だっての・・・・イタタ・・・」

「よぉ、あんちゃん・・・勢いよく壁ぶち破って来たのはいいが・・・大丈夫かい??」

「人間ってのは・・・アグレッシブに移動するんだな。」

何だか魔のモノに勘違いをされていたが・・・話をややこしくするわけにもいかず、話を合わせると・・・魔のモノに肩を組まれると・・・この銭湯にある男だけの特別アカスリに誘われ・・・拒否することなく付いて行くと・・・・


「いらっしゃいませぇ~~~こちらは人間様も魔のモノも大歓迎ですよ~

さぁ・・・こちらへどうぞ~~~2名様入りまぁ~す。」

「ここの姉ちゃんは皆、ビキニなんだぜ?でもあまりジロジロ見るな・・・に思われるぞ?」

「ん?何の素人だ?ただの女性に綺麗にしてもらうアカスリコースじゃないのか??」

と、言っていると・・・魔のモノのおっさんと別れさせられ、変な色の明かりが灯る個室に招かれ――――――――


「その感じですと・・・・人間様は初めてだと思うので説明いたしますと・・・・

こちらにはプランが梅に竹に松とありまして・・・上に行くほどサービスと料金がなっており・・・松には・・・ここだけの話なんですが・・・・ごにょごにょごにょ・・・・」

「――――――――――松で、よろしくお願いします!!!」

色っぽいビキニの女性は準備をすると言って部屋を出て行き・・・・俺はうつむせになって待っていると―――――――――


「ハーイ、お待たせェ~~~それじゃ、松コースいっちゃいまぁ~す!!

―――――――――あ、ソレーーーーーー」

「ぶはぁッ!?ばかッ!!!勢い強すぎだろうが!!!もう少し丁寧にって・・・・お前・・・何してんだよッ!?」

やっとサービスが始まると思いきや・・・・背に大量のオイルをぶちまけられ、文句を言いながら女を見ると・・・・そこにはビキニ姿のアルダが手をパキポキして準備をしていた。


「お、おいマジでシャレになんねぇぞ!!!お、俺はVIPなんだぞ!!!お前のこのカードで俺は優遇されるはずだし・・・と、いうか・・・他のカワイイ子にやらせろよぉ!!!!」

「当店のサービスにおいて女の子の指定はできかねますので!!!!ご了承ください!!!

それでは、ごゆっくり!!!おりゃっ!!!!お客さん・・・アカだらけですよぉ!!ソ~レソレソレソレ!!!」

アルダの手は俺の体ののアカを落とし・・・俺の体はつるつるのてかてかとなった・・・・


「ハ~イ、いっちょ上がりよ・・・で、ここからは本当の特別プランだけど・・・・どういたしますぅ???うふん―――――」

「いや、パス・・・・んじゃ。」

タオルを腰に巻き・・・アルダの誘惑を無視して部屋を出て行くとさっきの魔のモノが待っていてくれた。


「おう、あんちゃんもたっぷりとられたみてぇだな!!!

で、どうだった?気持ちよかっただろ!!!ここの特別アカスリはヨォ!!!」

「おかげさんで、アカスリ役にアルダを引いていい迷惑だったぜ!!!

―――――――――――――金を捨てたようなもんだ!!」

「だが、アルダってったら・・・ここの経営主だろ?

密室で2人っきりなら・・・運よく口説きおとせりゃ~死ぬまで永遠に遊んで暮らせると思うんだが・・・お前さんは金に欲のない男なんだな。」

「俺だったら求愛して無理やりにでも・・・・いや何でもないさ。」

「おメェさんはてるのかてないのか全く分からん人間だな。」

何だか色々とチラチラと見られながらからかわれると、何も言わず・・・オイルまみれの体を洗い、服を着て銭湯城内の休憩場で休んでいるとメルトたちが俺を見つけると・・・怒った顔をしてやってきた。

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