22日目 王と魔王の関係修復
街の中に入ると・・・すぐに気になった拠点である家に帰ると、そこには時期的にあり得ない数のカエルが家の周りにずらりと並び、その帰る1匹1匹が独特な格好をしてケロケロとないており、その間を通りながらドアをノックすると・・・懐かしいロリの声が聞こえてきた。
「はい、どちらのカエルさまでしょうか???
今の所、カエルから人へ戻す薬は販売しておらず・・・時間の経過によって元に戻るのが最善の薬だと言っておりますが――――――」
「おい、お前ェらァ!!一体この数日でどんだけ街の住人に迷惑かけたんだよ!?
オラッ!!!とっととドアを開きやがれってんだ!!!」
「おい、ハルト・・・この服を着たカエルはもしかして元人間なのか???こんな鬼畜外道な魔法があったとは・・・」
魔王は衣服を着たカエルを鑑賞しながらポイっと捨てると、俺はキルりんがチラッと開いていたドアに指を突っ込み無理矢理こじ開けると・・・キルりんは顔を見ないように土下座をして謝り続けていた。
「ここまで見事な土下座は今まで見たことがない・・・それにこの小娘は・・・
キルりんか??」
「ごめんなさいごめんなさい!!ご、ごめ??ふぇ??ま、魔王!?
どうして魔王なんかがこんなところに・・・・って、ハルト・・・帰ってたんですね。」
「俺はオマケかい!!いや、そんなことはいい・・・それよりも家の前にわらわらしてるカエルの件についてヤツに話がある・・・原因のメルトはどこだ??」
マジな顔をして話している様子を見ると、キルりんはメルトの部屋を指さし・・・突入するとメルトはすでに土下座の態勢でスタンバっていた。
「お帰りなさいませ、ハルトさまぁ~~~事情説明は必要ないと思いますがここは何卒穏便に・・・・・」
「おバカッ!!!穏便も何も家の前のカエル共を早く何とかして来い!!!
一応お前のお客さんだったんだろ??責任をとれ!!!」
「私はウェイトレスのアルバイトの時間なので・・・それじゃ・・・」
「何とも愉快なメンバーだな、それにしても・・・私の城とは違ってここは窮屈だな。」
魔王は部屋を隅々まで見渡しながらそう言うと・・・聞きなれない女の声に乱暴しようとするメルトを止め、事情を説明するが――――――
「ハァ!?コレが魔王ですって!?私の想像してた魔王は・・・4段階目まで行くともはや触手とか牙とかで滅茶苦茶なイメージなんだけど・・・こんな女タイプの魔王だって事はあの
「あぁ・・言わなかったのではなく、知らないのだろうな・・・私はここの王と喧嘩していた元魔王(父)の娘だからな。
それに、私の父はあんころもちを喉に詰まらせて亡くなられてしまったが・・・仮にも私は父の代を引き継ぐ魔王!!と、なれば父王の敵は私の敵と言う事でうらみはあんまりないが雰囲気と父の口癖とかをマネしてドンパチしていただけなんだ。」
「何と言う迷惑な話だ・・・・おい、魔王・・・こう言うのは何だがその無駄な争いは止めてもらっていいか??
ここには俺たちのように細々と暮らしているハンターとか冒険者もいるって言う事を知って欲しいんだわ・・・それに、危うく召喚初日に魔王の軍隊との戦いに巻き込まれて死ぬところだったからな。」
魔王は少し考え、ここの王と直接会ってから結論を出すと言いだして向かう羽目になったわけなのだが――――――
「どうしてお前が一緒に付いてくるんだ??お前がいたら逆に面倒事しか起こらない気がしてならんのだが??」
「し、失礼ね!!!私がそんなにトラブルを起こすとでも思っているの??
それは違うわよ!!私がトラブルを巻き起こしてるんじゃなくて私はただ巻き込まれてるだけだから!!!」
「フム、それにしても庭にいた元人間カエルにする魔法は見事なモノであった。
アレはお前がしたのだろ??いい腕をしているな!!」
と、魔王がメルトの魔法を褒めると・・・メルトの鼻は天狗の様に大きくなり、自慢できる話をペラペラと話しながら歩き城の前までやって来ると門番が道を塞いで近寄ってきた。
「止まれい!!!お前たちここへ何しに参った!!」
「ちょっと門番、耳を・・・ヒソヒソヒソヒソヒソン―――――――」
門番の耳があるであろう場所に魔王を捕まえたとさりげなく伝えると・・・門番はビクビクしながら俺たちを王の間まで通し、すぐに立ち去って行った。
「フォッフォッフォ、ハルトよそなたたちならばきっと魔王をどうにかしてくれると思っていたが・・・まさか連れてきてくれようとは――――――」
「そりゃそうよ!!!やれば私たちは何だってできちゃうんだから!!!
それよりも報酬を寄越しなさいよ!!報酬!!!」
「バカッ!!!手筈通りにやれよ!!!
し、失礼しました~ウチのオカルト女が馬鹿な発言をしたことを謝罪しま・・・」
「ハルトよ・・・そろそろこの拘束も窮屈になってきた・・・解かせてもらうぞ?」
と、言って魔王は縄での拘束を紙でもちぎるかのように千切り、王へと詰め寄って立ち止まると・・・
「ここの王ってこんなに老けて――――――
おっと、言い忘れてた・・・私は現在の魔王で・・・私の父であり先代の魔王を引き継ぐものだ。」
「な、何じゃと!?ワシと戦って相打ちとなった魔王は・・・すでに他界しておったというのか!?な、ならば・・・・お主が魔王の娘と言うのであれば魔王の証を見せるがよい!!!」
「魔王の証???おい、メルト・・・魔王とかっお前のようなダメ魔術師に証とかそんなものがあるのか??」
「あったりまえじゃない!!ハルトは本当にバカね!!!
こういう血族は父の持っていた印が子孫にも表れるのが常識なのよ!!
私にだってあるわよ!!ホラ!!!って!?ちゃんと見なさいよ!!」
王の発言から魔王の証を見せる事となったのだが・・・魔王は少しモジモジしながらこちらに手を振って呼び出し――――――
「ハルト、魔王の証を見せるのに協力してくれないだろうか??
何、簡単な事だ・・・私の服のジッパーを下げてくれるだけでいい。
私の手では届かなくてな。」
「仕方ねぇな・・・魔王さんよぉ、お前どんなところに証があるんだよ・・・
ホラ、下ろすぞ??
3,2,1・・・・・ジーーーーーーーーー」
ジッパーを下ろすと・・・魔王の胸の谷間には魔王の証が赤く刻み込まれており、それを見た王はゴクリと唾を飲み込んで納得した。
「そこの《《魔王)》の話は真実だとわかったが・・・どうしてワシの元にやってきたのじゃ??
何か理由があったのではなかろうか???」
「そのことなんだが・・・私とアンタのとこでドンパチしてる戦いを終結させたい。
ハルトに無駄な戦いをするなと言われ、私はそれに従っただけだ。
友のハルトの頼みだ断れるワケがない・・・それに、私は父のマネをしていただけであってアンタの事なんてどうだっていいから。」
「魔王、ソレ・・・本音言い過ぎじゃねぇか??
半分は俺が言った事風になってるが・・・」
「私、し~らない・・・バリアッ!!!!」
メルトは子供がするようなバリアーのポーズをとりながら身構え、王の反応を待っていると・・・・王は急に笑い出した。
「フォッフォッフォッフォ!!!はぁ~~そうかそうか・・・ウム、わかった。
この無益な何とも言えない戦いは終わりだ・・・それはそれとしてこの王国近くに魔王の城ができたと聞くが・・・もしかして
「よくぞ見抜いたな!!!あそこに見えるは私の新たな魔王城だ!!!
時々であれば老けた王も歓迎しよう!!!ハルトが言っていた・・・どんなキャラでも仲良くすればいずれはイイコトが待っているとな!!!」
「おい、魔王!?そんな恥ずかしい事は言わんでいい!!!
あぁ・・・魔王に色々話して接し過ぎたのがまずかったのか!?!?」
「へぇ~~~魔王とハルトってそう言う関係だったの~~召喚した私に断りもなく??いい度胸してんじゃないッ!?!?
あんな
―――――――――エターナルエルディアムナシッド・・・メテオクラッシャー!!!」
メルトは凶悪な呪文を口走り・・・夕方でもないはずの空が赤黒く染まり、強い地響きが起こったと思い魔王城を見ると―――――――
「へへんッ!!!私の魔法にかかれば城なんて3秒で崩壊よ!!崩壊!!!
アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!アイタッ!?何するのよハルトッ!!!」
「お前なぁ!!!!問題事を起こすことしかできんのかバカ野郎が!!!」
「これは、見事に崩壊しておるな・・・建築士に魔法耐性と強度を強くするように伝えねば―――――」
「それならばワシの城を建築した者を貸そう。
何、心配はいらん・・・王の気まぐれじゃよ。」
最後の最後でメルトがやらかし・・・魔王城が再び使えるようになるまでの間だけ魔王を家で預かる事になり、歓迎会と祝し酒場で飲み明かしたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます