『涙』

ゆっくり瞬きをして目を開くと、目の前に涙を流す君がいた。

悔しいように唇を噛み、握られた拳は微かに震えていた。

理由はわからないけれど、涙を拭おうと君の頬へ手を伸ばす。

そこで、目が覚めた。

嫌にリアルな夢だったから、君の声が聞きたくて電話をかける。

どうか、君が泣いていませんように。

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