『交』
出勤途中の十字路で、僕は運命の出会いをした。派手では無いが、普通の人とは違う何かを纏っていたあの人。
もう一度会いたい。
十字路ですれ違ったコンマ1秒は、僕らが唯一交わった、人生の中のコンマ1秒で、もう二度となかった。
僕に残されたのは、その人への好意とと鼻に残った石鹸の香りだった。
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