『この温もりは離せない』

ベッドに入ると、先に入っていた彼は私の背中に腕を回して、ゆるっと抱きしめる。

「いつかこの温もりがなくなったらって思うと怖いなぁ」

最近思うことをぽつりとこぼす。

寝ているらしく返事はない。

だけど。

まるで離さないとでも言うかのように、少しだけ私を抱きしめる腕に力が入った気がした。

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