何かが道を横切る
2016年 3月初旬
ージリリリリ・・!!
宮城県石花市
有限会社 石花タクシー
午前2時、運行管理室に1本の電話がかかった。
「ええっ?なんですって!?
落ち着いて話してくださいよ!」
電話の主は、新人の運転手(22歳)だ。
なんでも走行中に人をはねてしまったと半ばパニックになっている。
「とりあえず、落ち着いて。
うちより先にまず警察に連絡してください。
・・で、被害者の様子はー」
「ー周りを見たけどいないだとぉ!?」
「・・場所は?
・・うん・・うん。」
はぁ~~・・。
運行管理官は、GPS信号が表示されたパソコンの画面を見て深く溜め息をついた。
「警察には連絡しなくていいよ。」
「・・??」
石花市沿岸にある、とある道路では、
夜になると震災で亡くなった人たちの霊が行列を作るほどたくさん歩いている。
そこを通る車から『人をひいてしまった』と警察にたびたび通報があるが、実際、誰かがひかれた形跡はないそうだ。
「たぶん、その先も今月は通行止めだろう。」
また、ある町では幽霊の目撃談があまりに多い理由から
「道路が夜間通行止めになる」場所すらある。
「道路を横切るのは、
なにも生きているものだけでは無いということだ。」
今も、数人、数十人が
悲鳴をあげながら走り抜けているのだろう。
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