02. 技術の盗用、そして二次抜け

 私が公開している小説は、例外なく異様な程PV数が少ない。Pixiv、「ハーメルン」、「暁」に放置する事にした二次創作分。そして、「なろう」と「カクヨム」に積み増してを続けているオリジナルも、だ。


 ただ、不思議な事に私と私の作品を知っている人は多い。それを知る事になった切っ掛けが、バッシングの風力だった。


 2016年の12月。コミケのZシリーズブロックまで買い物に行った。オンリー・イベントの情報を5年間手にする事ができなかった分、「コンプリートさせてもらえないなら行かない」を貫いて避けていた。事実上、初めてのZシリーズ訪問になる。


 ところが、買い物の中に泣きたくなるようなZ3小説本があった。とにかく、私のZ2小説と文体が酷似している。しかも、その人はZシリーズの人気作家のよう。


 台詞と台詞の間に主語を挟むやり方とか、長文短文のリズムとか。似ているなんてものではない。


 悲しくて、悔しくて。でも、直接コュニティに苦情を書きに行く事さえできない私は、「二度と二次創作を読まない、書かない」と決め、その翌月から『縫修師ライム・ライト』の連載を始めた。


 全く新しい環境に、個々の高い向上心とか色々とポジティブなものを期待していた事を、ここに白状したい。

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