烏の潔白

憂田・百人(うれた ももひと)

第1話

星ひとつない夜に月を見上げていた。満ち欠け?はて?とでも言いたげな四月の満月だった。表面を撫でるような薄雲を眺めていると、いずれ死にゆく運命にも逆らえそうな、そんな悠久の趣を感じることができた。自分が歩く道の不確定さに好奇心を禁じ得ない年頃だった。

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烏の潔白 憂田・百人(うれた ももひと) @Ureta_Momohito

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