第39話 お猫様と一緒に暮らしているのですと言う意味の端々





まあどっちでも構わないんですけどもね、私個人的には、

ネコと一緒に暮らしてます、で通してます。


ネコを飼ってます、とはあまり言いたくない。


だって私お猫様の下僕だしさ、ふいって膝の上乗ってきて、

「撫でれ」とばかりに一声聴くともうデレデレになるし、

マイナスイオンが歩いてるこのコたちの前でそんな高飛車に、

「飼ってる」なんてこと、恐れ多くて言えませぬ・・・


とまあほとんどその通りなんですよ、はい。


なんか、言葉としてのちょっとした違和感ってものを感じたりしますね。


他人に対してもなるべく、一緒に暮らしてるといった言葉を使ってますね、

飼われてるんですか?とは言いたくない。


引いた目線で見てみれば、人間と動物を同じスタートラインというか、

同じ土俵の上というか、フラットな位置で見てると思うから、なのかな。


だって特に猫は愛玩用、ですよ?

野良タンだって、お部屋でまったりなコだって、

そりゃもう敵対心むき出しのコには・・・触るなぁ・・・orz


うちの実家にいたころ、やっぱり一時期だけ一緒に暮らしてたコが、

がぶがぶにゃんのひっかきにゃんでしたけど、

私懲りずに撫でくりしては引っかかれ、また懲りずにすると噛まれてたっけ・・・


犬も猫も鳥もウサギも全ての人間と暮らすことを選んだ動物たち、

中には拒否したコもいるかもしれないけどそれでも、最終的には、

例えメリットがあるからでもいい、人間のもとで暮らすようになったコたちは、

飼ってるとは言いたくないのですよね・・・


もちろん便宜的な場所でとかなら私も飼ってる、

という言葉は使うことはありますが、獣医さんとかね、

それでもココロは一緒に暮らしてるんだぞ!どうだ!うらやましかろう!

と思うことがほとんどです。


先代を虹の橋へと次々送り、それからもう一緒には暮らせないだろうな、

と思ってた一年後、ひょんなことから子猫を抱っこさせられて、

再度にゃんこと一緒に暮らしたい病が再発しました、

それも下手したら前より強く。


先代はさ、そりゃイイコでしたよ。

私のからだどこでもいいから、

自分のからだをそっとくっつけるちみっとさんだったり、

普段は姐御!な雰囲気なのに、緊急事態の時は即知らせてくれるコだったり。


でも・・・!でも・・・!

あの抱っこした時のほんわかしたあったかさだとか、

ざりざりぺろぺろナメナメしてくれた時の、

もうどうにでもして感だったりとか、わっと思い出されてきて・・・!


そしていつの間にか、はっとすると、このコたちがいたのです。

そりゃやんちゃもするけどね、叱ることもあるけどでも、

このコたちはもううちのコ!誰にもあげない!プライスレスな存在になったから。


先代たちが次々虹の橋を渡っていった時も、私泣けなかったんだけど、

もっと言えば母親が死んだときも泣けなかったけど、

このコたちも私よりも早く年を取って行って、

また取り残されたらその時は泣くんだろうか、私。


前のコたちはなにせ、初めていただいてきて、私は右も左もわからず、

それまでは実家の親とかがやってくれていたいろいろなことを、

今度は私がするのにてんてこ舞いというか、それで慌てて見送った感があったけど、

今度のコたちは・・・


リオ、セドナ、忘れてくれるな、お前たちがいろいろ体験させてくれたからこそ、

今の私がいて、次の代で生かされて・・・まだあんまり生かされてないけど・・・


それでも精いっぱい可愛がるのは保証するから!

・・・叱りもするが・・・


なんたってふたりの顔とか外面みてると、

先代の顔がわいてきて困るほどなんだから!


だから許してね、そして見守ってて、終わりの時は先代のお前たちが、

「こっちだよ」って誘ってあげてね、とかもう妄想パンパンですからー!


でも、頼んだよ、リオセド。

お前たちは、生きて死んでいくのを包み隠さず見せてくれた。

だから私には恩があると思ってるから。


飼ってないからね、人生とにゃん性で一致する、短くて長い一瞬を、

一緒に暮らしてるだけだからね。

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