第25詩 ひび割れた大地



乾いた音がこだまする


そっぽを向いたカラス


空を仰いでいる犬


欠伸をする猫


獣たちも目もくれない そんな乾いた大地


虫さえも住まない ひび割れた土地


虫を啄む事を止めたカラス


虫に無関心な犬


虫に気づかない猫


獣たちは気づかない そこに魂が綴られていることを


大地に刻まれた文字たち


雨も枯れて涙さえも枯れて 潤いを忘れた土はどこに帰る?


帰る場所を忘れたカラスはどこに帰る?


帰る場所を忘れた犬はどこに迷う?


帰る場所を忘れた猫はどこに死に場所を見つけたらいい?


虫だけが ただ帰る場所へと帰っていく


帰ることのできない大地と それに気づかない獣たちは


空に雲を見る そこに湿った香りを見つけて


帰る地図を創造する

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