第三章 ミセリコルディア

第21詩 炎



冷え切った空


震える体


ただれる心


赤く燃える木


心臓を貫く


暖かさを求め 泣き叫ぶ


荒野に咲く花は 白く染まる


捉える目は 涙をこらえ


そこにある一かけらの火を求める


新聞紙にくるんだ片手は冷たく


そこには何も宿らない


それは 指先に止まる蝶みたいに


とても儚く 力強く 荒野を捉える


片手を燃やし


暖かさを知り そして消えていく


体も消えていく


そこには灰だけが残る


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る