第19詩 響き渡る森の声


森から聞こえる動物たちの様な声


迷惑そうな気高き者たち


パーティへの招待状がポストに溢れている


誰もがそれに群がり 貪るように掴み取る


呆れるほどに 飽きるほどにそれは繰り返される


暗闇を嫌い 光あふれる森の中心を目指し 彼らは行く


自分たちの住んでいる場所が光もあれば闇もあることを知ってか知らずか


陽気に歌えよ 


そこに見えるものは枯れた木の枝の隙間から差し込む月の明かり


森は沈み 木は腐り 土は枯れ 川は干上がり それでも歌は聞こえる


陽気に歌えよ


底に見える淀みはすれど 完全には淀みはしない生暖かな者達よ


いつか風は吹き 時は過ぎれども そこに幸福はあったとしても


陽気に歌えよ


腐った腐敗臭のするリンゴを枯れた木から掴み取る歌う者たちよ


陽気に歌えよ


恨みと妬みと軽蔑と 羨望の眼差しを僕は抱くだろう


陽気には僕は歌えない






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