第14詩 闇




雨が降っている


雷鳴の中に降り積もる


まるで一つしかないともし火に降り注ぐ闇のように


音は響く


見えない場所に波うち広がる


そこにある一つの木に実った物が飛んでいき消えるように


誰かが囁いている


その言葉に驚くがすぐに忘れる


覚える事の出来ない言葉に涙するがやがてその理由も忘れる


雨がやんでも


やがて朝日が射しても


影は残り そこに水たまりができているのだ


気づかぬうちに干上がったとしても


やがて雨は降り雷鳴のように鋭く 或いは鈍く


何度でも囁きは聞こえてくる


忘れたい事も一緒に やがて忘れることも一緒に


そう まるで闇だ


呟くように波打つように広がり消えていく


そこに魂があっても いずれ消えていくのだ



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