怨憎会苦

臭い臭い臭い


腐肉の匂いだ


首の取れた肉塊が朽ちていく


汚らわしい血が


私の手に纏わりつく


私は再び斧を取り腐肉を


何度も何度も何度も


ぶった


何度も何度も何度も


ぶった


この腐肉は美しくあってはならない


醜く醜く醜く


斧は私の手を滑り私の足を刺した


私は土に頭を擦り付け


足を抑えてわめき散らした


うう うあ


うう うあ


腐肉の血も私の血ももはや見分けがつかない


血が混ざった 吐き気が 吐き気が 吐き気が


私の腹の中にある漬物石がどんどんと重さを増す


うう うあ


うう うあ


深い夜の森に呻き声が響き続けた

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