カラスノエンドウ

 子どもの頃、よく笛にして遊んだピーピー豆。私はあんまりうまく鳴らせなかったけど、子どもたちはうるさいほど鳴らしまくっている。

 琵琶湖西部のこの地方ではシービービーというらしい。語源はどうやら鳴る音がシービービーと聞こえるからのようだ。そんな風に聞こえるかなぁ? 

 それはともかくとして、どこにでも生えているこの雑草が、実はとっても美味しかったりするのを知っている人は少ない。

 摘むのはくるくるしたツルのついた先の方の十センチくらい。そこから下は固かったり筋っぽかったりする。


「カラスノエンドウ採ってきて」

「なんやったっけ?」

「ピーピー豆」

「ああ、あれか。え~。イヤやなぁ」

「え? なんで? 美味しいやん」

「美味しいけどさぁ。いっぱい採ってもちょっとしか集まらんやん」


 そう、とっても細っこいので、集めてもたいして嵩がないのだ。土筆は喜んで採ってくれるのになぁ。


「天ぷらにするし、ちょっとでいいよ」

「それくらいやったらとってくるわ!」


 うん、やっぱり量を集めるのがめんどうなんやね。仕方ないな。たくさん欲しいときは自分で摘まなきゃだめか。



 調理はとても簡単で、塩水で湯がくだけ。ほんのり甘い豆の風味。豆苗の味に似てるかな。ごまあえや酢味噌あえが美味しい。単体では量を集めるのが大変だから、他の食材と一緒に使う。お浸しもオッケーだけど、草っぽい気がする。炒め物にするときは、さっと茹でてから炒めるといい。油との相性がいいので天ぷらも美味しい。豆っぽさが一番よくわかるかな。




 豆も食べられるみたいだけど、美味しいとは聞かないから食べたことがない。『食べられる』イコール『美味しい』ではないからね。



 効能的には、血行促進、咳止め、解熱作用、内臓の働きを高める効能があるそうです。


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