11―53

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「装備を身に着けて」


『ロッジ』に戻った僕は、裸の使い魔たちにそう命じた。


「ハッ!」

「分かりましたわ」

「御意!」

「分かった」

「はい……」


 使い魔たちが白い光に包まれて装備を身に纏った。


『ロッジ』の中に居るのは、僕の他にフェリア、フェリス、ルート・ドライアード、ルート・ニンフ、ユキコの6人だけだった。

 カチューシャやレヴィアたちは、『ハーレム』に残してきたのだ。


『密談部屋3』


 僕は、『密談部屋3』の扉を壁際に設置した。


「じゃあ、悪いけどトロール討伐に行ってきて」

「畏まりました」

「御意のままに……」


 フェリアとルート・ドライアードが『密談部屋3』の扉を開けて中に入って行く。


「では、ご主人サマ。行って参りますわ」

「行ってくるわ」

「行ってきます……」


 フェリス、ルート・ニンフ、ユキコの3人がその後に続き扉が閉められた。


『現在時刻』


 時刻を確認してみると、【23:35】だった。

『ハーレム』に居る女性たちには、明日の朝7時頃『ロッジ』に来るよう言っておいたので、7時間ほど自由にできる時間がある。


『どうしよう……?』


 日頃、使い魔は道具と言っているフェリアだが、他の使い魔にも同じことをするべきと言っていた。

 確かに使い魔たちは、できるだけ平等に扱うべきだ。


 使い魔にした順番から言えば、次はドライアードたちの番だが、250人以上も相手にしている時間はない。ニンフたちも同様だ。

 その次は、レイコのパーティメンバーと『シモツケ村』出身者たちだ。


【テレフォン】→『レイコ』


「もしもし、レイコ? 聞こえる?」

「ハッ! 主様ぬしさま、聞こえます」


【テレフォン】の魔術を使ってレイコにメッセージを送るとすぐに返事があった。声が弾んでいる。


「レイコのパーティメンバーと『シモツケ村』出身者たちを集めて『密談部屋5』に連れて来てくれる?」

「畏まりました! すぐに呼んで参ります!」

「準備ができたら、連絡して」

「ハッ!」

「じゃあ、通信終わり」


 僕は、【テレフォン】の魔術をオフにした。


 ――ガチャ


『密談部屋3』の扉が開いて、中からフェリアたちが『ロッジ』に入ってきた。


「ご主人様、終わりました」

「ありがとう」

「礼など不要です」


 全員が入って扉が閉められたのを確認してから、フェリア以外の使い魔たちを帰還させる。

 それを見たフェリアが白い光に包まれてメイド服姿になった。

 僕に給仕をするためだろう。この辺りがホムンクルスとは違う点だ。


「フェリア、コーヒーを入れて」

「畏まりました」


 僕の前のテーブルの上に白い光に包まれて『エスプレッソコーヒー』が召喚された。

 辺りにコーヒーの香りが漂う。


 僕は、左手でコーヒーカップを取って一口飲んだ。


「ふぅ……」


 フェリアは、僕の左斜め後ろで立っている。


「フェリアもどう?」

「いえ、わたくしは結構です」


 僕としては、一緒にコーヒーを飲みながら談笑したいと思うのだが、彼女はメイドのような立場を好むのだ。

 これは、使い魔になったからというわけではなく、彼女の趣味嗜好によるものだろう。

 例えば、カチューシャだったら、隣に座って僕の腕に抱き着いてくると思う。


「主様?」


 レイコから【テレフォン】によるメッセージが入った。


【テレフォン】


 僕は、左手を左耳に添えて【テレフォン】の魔術を起動した。


「早かったね」

「主様をお待たせするわけには参りません」

「じゃあ、『密談部屋5』の扉を開くからこっちに来て」

「畏まりました」


『密談部屋5』


 僕は、壁際に『密談部屋5』の扉を召喚した。


 ――ガチャ


 扉が開いて、レイコたちが『ロッジ』に入ってくる。


「主様、お待たせいたした」

「主殿!」

「「ご主人様」」

「ユーイチ」

「ご主人さま」


 レイコのパーティメンバー6人と『シモツケ村』出身の元村人8人が挨拶をした。

 全員が入って扉が閉められたのを確認してから、『密談部屋5』の扉を『アイテムストレージ』へ戻す。


「みんな、久しぶり」

「お久しぶりですわ」


 サクラコがそう答えた。


「主様、我々はどうすれば?」


『キャンプルーム』


 僕は、『キャンプルーム』の扉を壁際に設置した。


「じゃあ、その扉の中に入って」

「畏まりました」


 ――ガチャ


 レイコたちが『キャンプルーム』へ入って行った。

 僕は、まだ熱い『エスプレッソコーヒー』を飲み干してから立ち上がる。


「フェリア、行くよ」

「畏まりました」


 僕は、フェリアと一緒に『キャンプルーム』へ移動した。

 扉を閉めてから『アイテムストレージ』へ戻す。

 ここに来たのは、浴場を利用するためだ。


 レイコたちは、期待と不安の入り交じった表情をしている。

 何故、呼ばれたのか、分からないためだろう。


「えっと……言いにくいんだけど……これから、僕と……その……エッチなことをしてもらいます……」


 僕は、自分の発言が恥ずかしくて顔が熱くなった。


 ――わあっ……


 使い魔たちが驚きの声を上げた。


「あっ、嫌なら『夢魔の館』へ帰ってもらっても結構です」

「ご主人様、嫌がる者など居るはずございません」

「でも、人ぞれぞれだから、分からないんじゃ……?」

「そのような者は、ご主人様の使い魔になったりしませんわ」

「フェリア殿が言われた通りです」

「拙者、嬉しいでござる……」

「ああ、遂にご主人様と……」


 見れば、全員が嬉しそうだった。

 なかには涙を浮かべている者も居る。


『プレッシャーが……』


 僕は、期待され過ぎているためプレッシャーを感じた。

 彼女たちの期待に応えられるか心配だ。


「あの……エッチなことと言っても最後までするわけじゃないので……」

「そうなのですか?」

「流石にそこまでは……決心がつかないんだ……」

「我々は、主様の所有物です。ご自由にお使いください」

「そうですわ。好きにしてください」

「じゃあ、浴場へ行くよ」

「ハッ!」

「御意にござる!」

「「はい!」」


 ――ガチャ


 僕は、『キャンプルーム』の浴場へと続く扉を開いて中へ入った。


『ラブマット』『ラブマット』『ラブマット』


 僕は、『ラブマット』を3つ洗い場に出した。

 そして、真ん中のマットの側へ行く。


 使い魔たちを見ると、全員がいつの間にか裸になっていた。

 浴場へ入るときに装備を解除したようだ。


「じゃあ、順番にするから、待機してて……フェリア」

「ハッ!」

「マットの上で仰向けに寝て」

わたくしにもしていただけるのですか?」

「うん。今回は、一人ずつしたいんだよね……」


 浜辺でしたときのように女性たちと「くんずほぐれつ」な状態ではなく、一人ずつ愛情を確認するようにしたかったのだ。

 お互いに癒されるような行為が理想だと思う。


「ありがとうございます」


 フェリアがそう言って、マットの上に仰向けに寝ころんだ。

 そして、両手を頭の後ろで組み足を開いた。


『装備8換装』


 僕は、『装備8』に換装した。

『魔布のトランクス+10』は、まだ解除していないので、トランクスといくつかの指輪を装備している状態になった。


 僕は、フェリアの上に覆い被さる。


 ――チュッ……


 そして、彼女にキスをする。


 ――チュパッ、チュチュチュ……


 僕は、女性たちに教えられたことを思い出しながら、フェリアにキスをした。

 彼女とは、何度もキスをしたことがあるが、軽く唇を合わせるようなこれまでのキスとは違い、舌を絡ませ体液を交換し合うような濃厚なものだ。

 フェリアとこういうキスをするのは初めてではないが、こんな風に僕のほうから積極的にするのは初めてだった。


 ――チュプッ……


 唇を放すとフェリアの唇との間で唾液が糸を引く。


「はぁああぁっ……ごしゅじんさまぁっ……」


 ――チュパッ、チュプチュプチュプ……


 僕は、再びフェリアにキスをする。

 フェリアの喘ぎ声を聞いたことで、彼女に夢中になってしまう。

 僕がフェリアを喘がせていると思うと頭が沸騰しそうだった。


 ――チュッ、チュッ、チュッ、チュッ……


 いつもなら【戦闘モード】を起動して冷静さを保つところだが、今の僕は興奮したままフェリアの身体に舌を這わせていく。

 そして、乳房の頂点に達した。


「んあぁああぁーっ!」


 僕がフェリアの母乳を強く吸うとフェリアが大きな喘ぎ声を上げた。


 これまで幾度となく吸った乳首だが、まるで別のモノのように感じる。

 授乳は、神聖な行為と思っていただけに物凄い背徳感だった。


 単に乳首を吸うだけではなく、揉み、摘み、引っ張り、舐め回し、軽く噛む。


「ヒ、ヒィイックゥーッ!」


 フェリアの身体がガクガクと痙攣した。


 ――チュプッ……


「……大丈夫?」

「ハァハァハァハァハァ……は、はい。わたくしに構わず続けてください……」


 昼間、女性たちとまぐわったときにも思ったのだが、彼女たちは例外なく乳房を強く揉まれるのを好んだ。そして、乳首が弱点だった。しかし、それも人によって感度は違っていた。


 エルフは乳首が敏感なようで、全員が乳首だけで達してしまった。フェリアもエルフの血が混じっているためか同様だ。ダークエルフのレヴィアも乳首で達していた。


 人間の中では、クリスティーナとレティシアの乳首が敏感だった。他には、カチューシャやマリエル、ジョゼット、モニカ、エレナといった、胸があまり大きくない女性たちは敏感だったように思う。

 巨乳は感度が悪いという話もあながち嘘とは言い切れないのかもしれない。経験や性格の問題かもしれないが……。


 僕は、ペースを落とした。

 このまま、彼女の身体に夢中になって溺れることは問題に感じたからだ。

 この行為は、性欲を満たすためのものではなく、愛情を確認し合うものであって欲しい。


「フェリア……好きだよ……」

「ああっ、ごしゅじんさまぁ……わたくしも大好きですぅ……」


 熱にうなされるようにフェリアがそう言った。


『もっと、フェリアを気持ち良くしてあげたい……』


 僕は、愛撫を再開した――。


 ◇ ◇ ◇


 ――ビュクッ、ビュクッ、ビュクッ……


「ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……はぁあっ、何て美味しいのぉ……」


 そう言った後、フェリアはガクガクと身体を震わせ始めた。


「はぁあああーっ! イックゥーッ!」


 ――プシャーッ!


 顔の前にあるフェリアの股間から吹き出した透明な体液が僕の顔面に降り注いだ。


「ハァハァハァハァハァ……もっ、申し訳ございませんっ……」

「謝らないで……嬉しいんだ……フェリアが感じてくれて……」


 今回もフェリアは失禁しなかった。


 そういえば、昼間、失禁したのは、冒険者レベルが低い女性たちばかりだった。

 それも決まって僕の精を飲んだ後に潮を吹いてから、続けて失禁したのだ。

 そのうち半数くらいは、そのまま気を失ってしまった。


『もしかして、母乳と同じなのかな……?』


「フェリア……その……僕の精は、美味しいの?」

「最高ですわ……」


 フェリアは、そう言って一滴残さず舐め取っていく。


 ――チュプ、チュパ、チュパ、チュパ……


 これまでは、仮説だったが、やはり刻印体の男性の精液には、女性の母乳と同じような効果があるのだろう。

 レベル差があると物凄く美味しく感じたり、摂取することで経験値を得ることができるという可能性が高い。

 ソフィアの話では、膣内や直腸で吸収するという話だが、それはまだ試していない。

 もしかすると、ずっと吸っていられる母乳に比べると量が少ないため、魔力が濃縮しているのかもしれない。

 そうじゃなければ、母乳のほうがレベルアップには向いているだろう。


「フェリア、【エアプロテクション】を掛けてから、離れて」

「ハッ!」


 フェリアのお掃除が終わったようなので、次はレイコとまぐあうことにした。


【エアプロテクション】


 僕も【エアプロテクション】を一瞬だけ起動して体を起こした。


『装備8換装』


 そして、パンツを履いた。


「レイコと交代して」

「ハッ!」

「レイコ、こっちへ……」

「ぬしさまぁー!」


 フェリアがマットから出るとレイコがマットへ飛び込んできた。


「わっ!?」


 僕は、レイコの大きな身体を抱き止めた。

 しかし、支えきれずマットに押し倒されるような格好になってしまう。


「はぁあああーっ、待ち遠しかったですっ!」

「レイコ、落ち着いて……」

「あんなシーンを見せられて、落ち着いてなどいられませぬ……」

「レイコ! 【戦闘モード】を起動しろ!」

「ハ、ハッ!」


 レイコが一瞬、固まった。


「どう? 落ち着いた?」

「え、ええ……」

「じゃあ、ここに横になって」

「は、はいっ……」


 レイコが僕の上から起き上がり、マットの上に身体を横たえた。

 そして、両手を頭の後ろで組んで足を開く。

 フェリアに倣ったのだろう。


 僕は、レイコに覆い被さった。


「ねぇ、レイコ……最近、辛そうだったけど、これで君が癒されるといいな……」

「うっ……ぐすっ……ありがとうございます、主様……」

「悩みがあるなら、話してよ。僕じゃ頼りにならないかもしれないけど……」

「別に悩みがあるわけではございませぬ。主様に抱かれたい……それがわたしの願いです……」

「つまり、僕が君を抱かないから悩んでたの?」

「……少し違います。我々は、仕事とはいえ、他の男たちに抱かれています。しかし、この身体は主様のモノ……」

「他の男に抱かれるのが嫌なら娼婦の仕事はしなくてもいいんだよ?」

「嫌なわけではありませぬ。ただ、この身体が主様のモノであるという烙印らくいんが欲しいのです……」

「烙印と言われても……」


『刻印じゃ駄目なのかな……?』


 話がよく分からず、僕はそんなことを考えてしまった。


「今しがたフェリア殿にされていた行為で十分です。さぁ、わたしを滅茶苦茶にしてくだされ……」


 ――チュッ……


 僕は、返事の代わりにレイコにキスをした――。


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