9―3

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 僕たちは、『女神教めがみきょう』の神殿の一室で待たされていた。

 しばらく待っていると、トウコが数人の女性を連れて戻ってきた。全員、白いローブを着ている。この白いローブは、教団のユニフォームなのだろうか?


「お待たせいたしました」

「いえ、お気になさらず」

「ありがとうございます。では、挨拶して頂戴」


 トウコが背後の女性たちに話し掛けた。

 一人の女性が前に出た。見たところトウコと同じく刻印を刻んでいるようだ。


「初めまして、カオリと申します。この街の教団で副教主をしております」


 レイコのパーティメンバーにもカオリという名前の女性が居るが、ユリに続いて2件目の同名の人の登場だ。正確には、『春夢亭』の娼婦なども含めると同名の者も何人か居たので、主要なメンバーに限っての話だ。元の世界にも同名の人はたまに居たので、この世界でも名前が重複している人は、かなり居るのだろう。


 カオリと名乗った女性は、身長が160センチメートルくらいで、外見年齢はトウコと同じくらいに見える。髪型もトウコと似ている。というか、ここに居る女性たちは全員が同じようなロングヘアの髪型だった。

 あと、ローブの胸のふくらみは普通くらいだ。


 ――異世界に来てからというもの、女の人の胸ばかりチェックしているような気がする……。いや、元の世界でも友達と女子の胸のサイズとかよく話題にしていたし、元からおっぱい星人だったのかもしれない。元の世界では、女の人の胸をジロジロ見るのは問題なので控えていただけなのだろう。


「初めまして、ユーイチです」

「カオリ、今日からあなたが教主です」

「え? ご教主様、どうしてでございますか?」

わたくしは、ユーイチ様の使い魔になります。ですから、『女神教』を率いるのに相応しいとは言えません」


 僕は余計な事かと思ったが口を挟む。


「あの? どうしてトウコさんは、僕の使い魔になるのですか?」

「ユーイチ様は、私どもの願いを聞き入れてくださいました。私が自らユーイチ様にこの身を捧げないと他の者たちに示しがつかないでしょう」


 どうやら、僕の使い魔になる代わりに刻印を刻むことになったので、自分が率先して使い魔になるということらしい。


「でも、個々の人たちが使い魔になる代わりに刻印を刻むということに納得していればいいのでは?」

「私は、ユーイチ様の使い魔になりたいのです。そうすることで強い魔法を使えるようになるというのも魅力ですし」

「分かりました。そういうことでしたら……」

「はい。では、次はミサト。ご挨拶して」

「畏まりました」


 40代後半から50歳くらいに見える女性が前に出た。身長は、トウコと同じくらいで、似たような髪型だ。胸も同じように大きかった。


「ミサトと申します。よろしくお願い致しますわ」

「ユーイチです。よろしくお願いします」

「ふふっ、聞いていた通り、可愛い坊やですね」

「ミサト、こちらはあなたのご主人様になるお方ですよ」

「失礼いたしました」

「いえ、お気になさらず。それより、皆さん同じ服装で髪型も似ていますが、教団での決まりがあるのですか?」

「はい。このローブは、教団員の正装です。そして髪型は、女神様に似せているのです」

「へぇー、そうだったんですか」


 ミサトが下がり、金髪の外国人が前に出てきた。さっき言ってた他の街からの教団員だろうか。

 身長は170センチメートルくらいで、年齢は40代半ばくらいに見える。金髪のロングヘアで胸はそれほど大きくなさそうだ。


「リディアと申します。ご主人様、末永くよろしくお願いしますわ」

「ユーイチです。こちらこそ、よろしくお願いします。ところで、どちらのご出身なのですか?」

「『ウラジオストクの街』ですわ」

「なるほど……ここから、『ウラジオストクの街』へはどれくらいで行けますか?」

「そうですわねぇ……馬で10日、船で1日くらいでしょうか? 半月くらい見ておけばいいと思います」

「ありがとうございます」

「いえ、ご主人様のお役に立てて幸いですわ」


 リディアと入れ替わりで40歳くらいの女性が前に出た。

 身長は160センチメートルくらいだろうか、髪型は他の人たちと同じような黒髪のロングヘアでローブに隠れた胸は小ぶりな感じだ。


「サヨコと申します。よろしくお願いしますわ」

「ユーイチです。よろしくお願いしますね」


 最後にサヨコと同じくらいの年齢で身長が165センチメートルくらいの女性が前に出てきた。胸が凄く大きい。


わたくしは、ノリカと申します。ご主人様、よろしくお願いしますわ」

「ユーイチです。よろしくお願いします」

「ふふっ、可愛い人……」


 ノリカは、熱い視線を送って来た。教団員といっても規律に縛られた厳粛な人ばかりというわけではないようだ。

 このノリカという女性からは、かなり奔放な雰囲気を感じる。


「では、カオリ。後のことは頼みましたよ」


 トウコがカオリに言った。


「でも、ご教主様……」

「教主は、あなたです」

「しかし……」

「私は、長く教主を務め過ぎました。先代以前は、そんなに長く務めておられなかったのに」

「そういえば、以前の教主はどうされているのですか?」

「亡くなられております」

「えっ? 刻印は刻んでおられなかったのですか?」

「いえ、私の先代は刻印を刻まれておられました。しかし、ゾンビの討伐に出かけて亡くなられました」

「失礼ですが、トウコさんはいつ頃に刻印を刻まれたのでしょう?」

「65年くらい前だったと思います」

「そうじゃな。それくらいじゃった」


 ユウコが相づちを打つ。


「では、ユーイチ様。参りましょう」

「え? もしかして、このまま『夢魔の館』に来られるのですか?」

「いけませんか?」

「いえ、それは構いませんが……」


 僕は少し考える。


「では、ここで行いましょう」


『ロッジ』


 壁際に『ロッジ』の扉を召喚した。


「僕の使い魔になりたい人は、この扉に入ってください」

「「はいっ」」


 女性たちがこちらに来て扉の中に入っていく。


「ミユキも残りなさい」

「え? ですが、わたくしはご教主様の従者ですし……」

「私は、教主の座を返上いたしました。これからは、カオリに仕えなさい」

「……畏まりました」


 ミユキが寂しそうに返事をした。


「ユーイチ様に刻印を刻んでいただけるのは、四十になってからです」

「はい……」


 トウコが扉の中へ入った。

 僕もトウコに続いて扉の中に入った。

 フェリア、レイコ、ユウコ、アンズが僕に続いて中に入ってきた。

 扉が閉まったのを確認してから、扉を『アイテムストレージ』へ戻す。


「じゃあ、まだ刻印を刻んでいない人はこっちに来てください」

「「はい」」


 4人の女性が僕の前に来た。

 僕は、『女神の秘薬』を4人に渡した。


「それを飲んで適当な席に着いてください」

「ありがとうございます」

「ああっ、嬉しい……」

「こんな高価なお薬まで戴けるなんて……」

「ご主人様……」

「あの左奥にある扉はかわやの入り口なので必要なら利用してください」

「「はいっ」」


『サンドイッチセット』『サンドイッチセット』『サンドイッチセット』『サンドイッチセット』


 僕は、『サンドイッチセット』を入って右側のテーブルの上に出した。


「良かったら、食べてください」

「「ありがとうございます」」


 そして僕は、いつものテーブルのいつもの席にテーブルを背にして座る。


「ユウコさんとトウコさんは、こっちに来てください」

「何じゃ? 主殿あるじどの?」

「何でしょう?」

「ちょっと、実験をしてもらいます。ユウコさん、トウコさんをテイムしてみてください」

相分あいわかった」


 ユウコがトウコに向かった召喚魔法を発動した。トウコは一瞬、光に包まれたが消えなかった。


「ふむ、失敗じゃな」

「ユウコさん、まだ【サモン】の刻印は残っていますか?」

「うむ。もう一つ残っておる」

「トウコさん、申し訳ないのですが、胸をはだけてもらえますか?」

「はい。しかし、何故でしょう?」

「僕に母乳を飲ませてください」

「えっ? それは……」

「いいから、早く脱いで主殿に乳を差し出すのじゃ」

「は、はい。畏まりました」


 トウコの体が光った。

 ローブが消え去って、白いパンティとストッキング、白いガーターベルトにブーツを履いた姿となった。上半身は裸だ。

 おそらく、ローブとブラを装備から外したのだろう。それにしても、ガーターベルトを装備しているとは思わなかった。刻印を刻んだ女性の間では、一般的な装備なのだろうか?


 トウコは、大きな胸を持ち上げて僕の前に差し出してきた。


「すいません。では、飲ませていただきますね」


 そう言って、僕はトウコの乳房に吸い付いた――。


 ◇ ◇ ◇


 ――チュパッ


 乳首から口を離す。


「――――っ!? ふぅーんっ……」


 僕は、トウコの母乳を片側5分ずつくらい吸った。

 トウコの母乳は、十分に美味しいが、刻印を刻んだばかりの娼婦候補者よりはちょっとだけ美味しいという程度だ。

 彼女の能力は中堅冒険者と同程度なのではないだろうか。


「トウコさん、回復系魔術はどのレベルまで使えるのですか?」

「レベル3までですわ」

「なるほど。それで、どうでした?」

「最高の気分でした。こんなに母乳を吸われるのが気持ちいいなんて知りませんでした。まさに至福の時間でしたわ。もっと吸ってくださいませ」

「えっと、その前にもう一度召喚魔法を掛けてもらいますね。ユウコさん、お願いします」

「分かったぞぇ」


 ユウコがトウコに召喚魔法を掛けた。

 トウコは、白い光に包まれて消え去った。

 下着類も一緒に消えたので装備品だったということだ。


「成功じゃ」

「では、召喚してください」

「相分かった」


 先ほどとほぼ同じ場所にトウコが召喚された。


「わたくし……?」

「トウコさん、貴方は僕の使い魔となったのです。正確には僕の使い魔であるレイコの使い魔のユウコさんの使い魔なのですが」

「主殿、それは違うぞぇ。間接的な使い魔たちも全て主殿の使い魔なのじゃ」

「フェリアの使い魔にアーシュという馬が居るのですが、アーシュは僕がフェリアを使い魔にする前からフェリアの使い魔でした。それでもアーシュは僕の使い魔と言えるのでしょうか?」

「ふむ。そうじゃのう。そのケースでも現在は主殿の使い魔といって良いじゃろう」

「どうしてですか?」

「主殿は、特別素質が高いようじゃが、フェリア殿が使い魔だった頃に比べ、その馬の成長は早くなったのではないか?」


 フェリアがユウコに答える。


「はい。ご主人様の使い魔となってからアーシュの成長速度は著しく上がりましたわ」

「じゃろう? つまりあるじである主殿の影響を受けておるのじゃ」

「では、間接的な使い魔の装備を僕が直接操作できないのは何故でしょう? 体力や魔力の状態も確認できませんし」

「ふむ。それは召喚魔法の【魔術刻印】の問題じゃろうな。このような階層構造で使い魔を操作することなぞ想定外なのじゃろう」


 ユウコの説には頷ける点も多い。しかし、検証することは難しいだろう。

 僕は、召喚魔法について考えるのを止め、使い魔たちにトロール狩りに行ってきてもらうことにした。


『フェリス召喚』『ルート・ドライアード召喚』『ルート・ニンフ召喚』『ユキコ召喚』


 光に包まれて、フェリス、ルート・ドライアード、ルート・ニンフ、ユキコが召喚された。


『密談部屋3』


 壁際に『密談部屋3』の扉を召喚する。


「フェリア、フェリス、ルート・ドライアード、ルート・ニンフ、ユキコは、トロール狩りに行ってきて。向こうで自分達の全ての使い魔を召喚してから戦うように」

「畏まりました」

「分かりましたわ」

「御意のままに」

「分かった」

「畏まりました」


 使い魔たちが『密談部屋3』へ入っていく。


「ユウコさん、トウコさんに娼婦たちと同じ刻印を刻んであげて」

「了解したぞぇ。さぁ、トウコ。裸になって主殿の前のテーブルに寝るのじゃ」

「は、はいっ」


 トウコが全裸になって、恥ずかしそうに僕の隣からテーブルに上って横になった。

 ユウコも白い光に包まれて全裸となり、僕の隣からテーブルに上った。

 そして、トウコにまたがって刻印を刻み始めた。


 僕は、それが終わるのをボーッと眺めながら過ごした――。


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