4―18
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『ニンフォマニアの意味が理解できた気分だ……』
ニンフ達は、隙あらば僕の貞操を狙ってきたので、僕は変な気分にならないように【戦闘モード】を起動して対応した。
そして、何とか全員の母乳を吸い終わる。
「そろそろお暇しようか?」
「はい、ご主人様」
フェリアが答える。
「待って! あたしたちも連れて行って!」
するとニンフの一人が
「ご主人様の使い魔となるなら、ご主人様に頼んであげますよ? どうですか、忠誠を誓えますか?」
フェリアがそのニンフに僕の使い魔になるよう誘っている。元々、ニンフたちは使い魔にするつもりだったのだが、200人以上のニンフたちの母乳を吸っていたのですっかり忘れていた。
「勿論、誓う! 誓うわ!!」
ニンフ達は、ドライアード達のときよりも必死な感じがする。
「では、ご主人様、そのニンフに召喚魔法をかけてあげてくださいますか?」
「分かった」
「さぁ、ご主人様の使い魔になると強く念じるのよ」
「ええ」
『サモン4』
ニンフは、白い光に包まれて消え去った。
『ニンフ、召喚』
これは、『サモン4召喚』や『サモン4起動』でも同じ作用がある。刻印がこっちがしたいことを自動的に正しく解釈して実行してくれるのだ。
同じ場所にニンフが召喚された。
「気分はどう?」
「最高です!」
「「あたしたちもお願いします!!」」
他のニンフ達が大きな声で懇願してくる。
「君たちは、また後でね、フェリア、ニンフに召喚魔法の刻印を頼む」
「ハッ!」
「あたしも使い魔にしてくれる?」
何故か一緒について来ていたフェアリーが聞いてくる。
「君も使い魔になりたいの?」
「ええ、あなたに夢中なの……」
ドサクサに紛れてフェアリーも胸を差し出してきたので吸ってあげたのだ。僕も母乳が出るのか興味があったし。
「あたしもっ!」
ピクシーまで同じようなことを言い出した。
フェアリーと同様にピクシーの母乳も吸っていた。ピクシーの胸に吸い付く姿は、客観的に見て人形の胸に吸い付いているような酷い絵面だったんじゃないだろうか……。
「フェリアどうする?」
「では、
「いいの?」
「勿論でございます。では、
【刻印付与】
裸になったフェリアに【サモン】を7個追加で刻んだ。
「では、あなたたち。ご主人様の使い魔になりたいのよね?」
「ええ」
「うんっ!」
「じゃあ、これから
「いいわよ」
「分かったっ!」
まず、フェアリーが白い光に包まれて消えた。
続いて、ピクシーも同じように白く光って消え去る。
それから二人は、続けて白い光の中から召喚された。
「ああ……これが召喚魔法なのね……」
「何これ、いい気分……」
『まぁ、パーティのマスコット的存在ってことでいいかな……』
「じゃあ、早速、トロールの巣穴まで狩りに行こうか」
「畏まりました」
「了解ですわ~」
「御意のままに」
「行きましょう」
そして僕たちは、ニンフ達を連れてトロールの巣穴へ向かった――。
◇ ◇ ◇
巣穴に続く洞窟の入り口で、簡単なバフをする。
【ナイトサイト】【トゥルーサイト】【グレーターダメージスキン】【グレート・リアクティブヒール】【ライト】【ライト】
【ライト】は、フェリアとルート・ドライアードの頭の上にかけておく。
僕は、今回も『装備2』の魔術師スタイルだ。
『フェリアの装備2換装』『ルート・ドライアードの装備1換装』
フェリアとルート・ドライアードが白い光に包まれた後、全身鎧の姿になる。
フェリアの鎧は、アダマンタイト製でデフォルトカラーなので、青みがかった黒だ。
対して、ルート・ドライアードの鎧は、ミスリル製なので金色がかった銀色だ。
フェリアの鎧は、ルート・ドライアードの鎧を模して作られているので、色違いのような印象を受ける。
また、フェリアがショートソードと盾で武装しているのに対し、ルート・ドライアードは長い槍を持っている。
今回は、2人に前衛を務めてもらうことにした。
「ルート・ドライアード。もし、まだトロールを相手にするのが無理そうだったら、交代するからすぐに言って」
「御意!」
「別に恥じる必要はないよ。この間の戦闘で、どれだけ強くなっているかの問題だから」
他のニンフ達は、裸でついて来た。
「ニンフって着る物持ってないの?」
「はい、泳ぐのに邪魔ですから」
『装備を揃えるのが大変そうだな……』
見たところニンフの数は、ドライアードと同じくらいに見える。256人居ると仮定するとお金はともかく簡単な装備を作って配るだけでも時間がかかりそうだ。しかも、僕が直接装備を弄れるのはルート・ニンフ――仮称――だけなのだ。
しかし、よく考えたら、使い魔に配らせたらいいだけなので、案外手間はかからないかもしれないと思い直す。
「
「別に脱がなくてもいいけど……」
「いいえ、相手も裸なんですから、脱がないと失礼ですわ」
「……そうなんだ」
『そう言えば、『回復の指輪』が足りないな……』
「ルート・ドライアード、この間渡した指輪は、もう配ってしまったよな?」
「いえ、それが時間が無かったので……」
「そうか、丁度良かった、その指輪をフェリスに渡してくれ」
「御意!」
トレードが終わるのを待つ
「フェリス、指輪の一つを僕の使い魔のニンフに渡してくれ」
「はいですわ」
『ニンフの装備1』
―――――――――――――――――――――――――――――
指輪:回復の指輪
―――――――――――――――――――――――――――――
『ニンフの装備1換装』
トレードが終わった後、装備を直接変更しておいた。
今回は、ドライアードのときのようなブリーフィングを行っていないので、ニンフ達には事情がよく分かっていないだろう。
ニンフ達に簡単なブリーフィングをしておこう。
「じゃあ、これからトロール退治に行きます。トロールを倒していくと、僕の使い魔になったニンフが召喚魔法を使えるようになるので、順番に使い魔になって下さい。そのあと、フェリスから『回復の指輪』を受け取り、召喚魔法の刻印を付与して
「「分かりましたっ!」」
すると、フェアリーとピクシーが質問してきた。
「あたしたちは、何をすればいいのかしら?」
「そうそう」
「君たちは、後ろで観戦していて」
「応援すればいいのかしら?」
「応援するねっ!」
僕は二人に
ニンフ達の何人かは、【ウィル・オー・ウィスプ】を召喚したようだ。
やはり、彼女たちも精霊系魔術は使えるものの、他の系統の魔術は使えないようだ。また、ドライアードもそうだったが、精霊系魔術も全てが使えるわけではないらしい。苦手な系統もあるようだ。ニンフなら水が得意で火が苦手みたいなイメージか。しかし、こちらで刻印すれば問題なく使える。ドライアードのときもそうだった。
トロールの巣穴がある空洞に着いた。
「ニンフ達は下がって。ルート・ドライアード、ドライアード達を召喚するんだ」
「御意!」
ニンフ達を下がらせてドライアードを召喚させる。
【戦闘モード】【ブースト】【グレート・シールド】【グレート・マジックシールド】【グレート・ダメージシールド】【ホーリーウェポン】【マニューバ】
【戦闘モード】を起動して戦闘用のバフを入れる。
「では、ご主人様、行って参ります」
「よろしく」
「ハッ!」
西洋甲冑姿のフェリアは、【マニューバ】で空洞の中心へ向かう。
今回は、僕が右側で左側にルート・ドライアードを配置した。僕とフェリアが入れ替わるためだ。フェリアは慣れた右側のほうが戦いやすいだろう。
フェリアが中央付近に近づくとトロールが一斉に出てきた。
『フェリア帰還』
少し下がってから。
『フェリア召喚』
今まで僕が立っていた位置にフェリアを召喚する。
「ご主人様」
「フェリアは、使い魔たちを召喚して。それから、トロールの足止めだ。あまり攻撃する必要はない」
「ハッ!」
フェリアが背後の空間にアーシュと妖精たちを召喚する。
「ルート・ドライアードもトロールの足止めをして」
「御意!」
僕は後ろを向いてドライアード達に指示を出す。
「ドライアード達は、僕に続いて順番に【ファイアストーム】を撃ち込んで。ニンフの召喚魔法が使えるようになったら攻撃を中止して」
「「はいっ!」」
【ファイアストーム】
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
僕は、トロールが密集しているところに向け【ファイアストーム】を放つ。
続けて、ドライアード達も同じところに【ファイアストーム】を連続で撃ち込んでいく。
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
・
・
・
8発目で効果範囲のトロールは消滅する。
「召喚魔法が使えるようになったわ」
「攻撃中止!」
【エリア・スリープ】
広範囲のトロール達を眠らせる。
「ドライアード達もニンフに刻印を刻むのを手伝ってくれ」
「「はいっ」」
ドライアード達は、トロールをスリープ中なので、小声で返事をした。
前回の失敗を覚えていたようだ。
「凄いのね。応援する
「ホント、ホント」
再召喚されていたフェアリーとピクシーが今の戦闘の感想を述べる。
「君たちも戦ってみる?」
「いいわよ」
「うん、うん」
【刻印付与】
フェアリーとピクシーのお腹の辺りに【ファイアストーム】の刻印を刻んであげた。
彼女たちは、体が小さいので、あまり多くの刻印を刻めないだろう。特にピクシーはかなり制限されるのではないだろうか。
「【ファイアストーム】の刻印を付与したから、ドライアードたちと一緒にそれで攻撃して」
「分かったわ」
「りょおか~い!」
ルート・ニンフは、召喚魔法で8人のニンフをテイムして召喚する作業が終わったようだ。
「旦那さま、終わったわよ」
僕の使い魔のニンフは、何故か僕を旦那様と呼ぶ。他の使い魔たちと被らないようにしたのだろうか?
「ご苦労さん、じゃあ、君は他の刻印を誰かに刻んで貰って」
フェリスがルート・ニンフに声をかける。
「では、こちらへ来てくださいな」
次の作戦目標は、8人のニンフが召喚魔法を使えるようになるまでだ。
「戦闘再開!」
「ハッ!」
「御意!」
【ファイアストーム】
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
僕は、他のトロールが密集しているところに向け【ファイアストーム】を放つ。
続けて、ドライアード達も同じところに【ファイアストーム】を連続で撃ち込んでいく。
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
・
・
・
また、8発でトロール達が白く光って消え去った。
「あたし、召喚魔法が使えるようになったわ」
「「あたしたちもっ!」」
「戦闘中止」
【エリア・スリープ】
振り返ると、もう慣れたもので、そこら中が召喚魔法のエフェクトで光っていた。
「ルート・ドライアード」
久々に甲冑を着ているルート・ドライアードに話しかけた。
「ハッ! 何でしょうか?
「トロールはどう? 問題ない?」
「ええ、嘘のように動きが見えるようになっています」
「それはレベルアップの効果だね」
「主殿の強さの秘密ですな」
「ドライアード達は、今まではどれだけ戦っても強くはならなかったはず。でも、今は僕たちが戦っている側に居るだけで強くなれると思うよ」
「主殿には、感謝しかございませぬ」
ドライアード達が居るので、刻印の付与が早いようだ。
この人数でも瞬く間に作業が終了してしまった。
それから、もう一回トロールの集団を【ファイアストーム】で倒したら、全てのニンフ達が使い魔となった。
「じゃあ、残りのトロールを殲滅しよう!」
「「はいっ!」」
【ファイアストーム】
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
――シュボボゴゴォオオオーーー!!
・
・
・
こうして、3度目となるトロール殲滅作戦は終了した――。
―――――――――――――――――――――――――――――
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