プロローグ
プロローグ
――『使い魔』という
物語に登場する使い魔は、黒猫だったりフクロウだったりするが、
契約で縛られ、主の命令に従うことだけが生き甲斐の者たち、それが使い魔である。
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僕の名前は、
茨城県に住む16歳の高校生二年生だ。
今日は、8月15日――。
そう、お盆だ。
僕は、
毎年恒例の行事で、明日16日の朝には、車で出発して家に帰る予定だ。
僕は夕飯を食べた後、客間で暇つぶしにスマホのゲームをしていた。インドア派の僕には、この里帰りは退屈な時間が多かった。妹の
二時間ほどゲームをやっていたら飽きてきたので、僕はゲームのアプリを終了させた。
アプリが閉じたデスクトップに表示された時刻は、夜の10時を過ぎたところだった。
『コンビニにでも行ってこようかな?』
何となくアイスが食いたい気分だった。
ハンガーに掛けてあったジャケットを取って羽織る。
スマホを内ポケットに入れ、
「お兄ちゃん、お風呂空いたよ」
「コンビニに行ってくるから、帰ったら入るよ」
「こんな遅くからコンビニ?」
「遅いって、まだ10時過ぎだろ」
「田舎だから外は暗いわよ」
「お前、田舎を馬鹿にし過ぎ。LEDの街灯がそこら中にあるから大丈夫だって」
「ふーん、じゃあアイス買ってきて」
「分かった。どんなのがいいんだ?」
「いちごバーがいい」
「了解」
「いってらっしゃい、気を付けてね」
「ああ」
僕は、玄関で靴を
両親に見つかったら、もう遅いから止めておけとか、こんな時間からアイスを食べたら腹を壊すとか
祖父母の家の前には、普通乗用車がギリギリすれ違えるくらいの道幅の道路が通っている。
電柱に設置されたLEDの街灯が何十メートルか置きにあるので、その道路はかなり明るかった。
しばらく歩くと片側二車線の大通りに出た。
この大通り沿いには、交差点から右に行っても左に行っても近くにコンビニがあった。
右に行ったところのほうが若干近いのだが、大通りを横断しないといけないので、左に曲がって大通り沿いに歩道を歩いていく。
僕は、5分ほど歩いて目的地のコンビニに辿り着いた――。
◇ ◇ ◇
アイスを2つ買い物かごに入れてレジへ向かう。僕の分は、チョコレートをたっぷり使った円錐形のコーンに入ったアイスにした。妹に頼まれたイチゴ味のアイスと一緒に購入する。
支払いをスマホの電子マネーで済ませてから外へ出た。
コンビニを出て、帰り道の方向に大通りに沿って歩道を道なりに移動する。
少し歩くと車一台がギリギリ通れるくらいの狭い横道を見つけたので、少し散歩をして帰ろうと右に曲がりその道へ入った。道は一応舗装されていて、少し進むと両側に田んぼが広がっているので農道の類だろう。
田んぼには、まだ青い
この時間でも大通りには車がそれなりに行き交っていたが、通りを一本中へ入れば車もあまり通らないようだ。
空を見上げると都会ではまず見られないような星空が広がっていた。真上付近に夏の大三角形が見え、北東にはWの形をしたカシオペア座が見えた。
ふと、風の流れを感じて背後を振り返ってみると、田んぼの中に光が発生していた。
本能的に感じた危険信号かゾクッと悪寒が走ったと同時に光が大きくなり、物凄い勢いでその光に吸い込まれた。
「うわぁぁぁぁー!!」
これまでの人生で上げたことのない悲鳴を大声で上げながら光に吸い込まれた先で目に入った光景は、草原と青空だった。
ドンッと全身に衝撃が走り、息が出来ない。
『僕は……死んじゃうのか……?』
そして、僕は意識を失った――。
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