第17話 最終章 2
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舞夜:右鎖骨と左肋骨一本骨折、顔と腕にかすり傷。
夜宵:腕、足にかすり傷少々。
状況は完全に舞夜の方が不利であった。
しかし、彼女はただでやられるつもりはない。
自分には止められた時間の中を動ける以外にもできることがあるからだ。
「どうしたの? 時間を止めないの?」
舞夜が言うと夜宵は時間を止めるほどでもないと返す。
正確には夜宵にもまだ隠していることがあった。
最終章は時を止めた後、その反動で一分はクールタイムを置く必要があった。
今は夜宵が有利な状況の為、使う必要がないという言葉も信じるだろうと考えたのだ。
「なら、今度は私の番よ」
ダンシングナイト 2ndWaveの能力で十秒だけ時間を停止する。
「時間を止めても、私は動けるのよ」
夜宵は舞夜が止めることのできる時間、動いていられるので無意味に思える時間停止であったが、舞夜は同時にもう一つ、スローモーションを発動していたのだ。
移動速度は少し遅くなるが、これで二十秒間にまで時間を伸ばせるのをこの前試しておいたのだ。
ただし、実戦で使ったことはなく、今までは必要になるような機会もなかった。
これはあくまで、舞夜が十秒しか時間を止められないというのを気付かせない為の作戦なのだ。
今度は真正面からではなく、直前で下からの攻撃に切り替える。
しかし、
そこで彼女が思ったことは一つ。
こちらが時間を止めている時ではなく、相手が時間を止めた時にスローモーションを使うようにしなくては。
お互いに攻撃の応酬が続いた(わずかに夜宵の方がリードしながら)後に舞夜の時間は終わってしまった。
再び、夜宵が
早速、先ほど得た経験から、自身にスローモーションを使うことで、相手と同じく二十秒は動ける。 相手はまだ気が付いていない。
「どこまで保つかしら?」
「お前を倒すまで、私は死なない!」
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